掲載日:2023年01月11日 プロが造るカスタム
取材協力/INTERCEPT
取材・写真・文/ガスグラフィックス
1995年8月、ヤマハからマジェスティ250というビッグスクーターが発売された。それまで発売されていた250ccクラスのスクーターは、あくまでも原付の大柄版といったスタイルで、おじさんの通勤用というイメージが強い乗り物だった。その常識を覆したのが、この初代マジェスティだったのだ。足を前に大きく投げ出すクルーザースタイルのライディングポジションや大容量のメットインスペース。そして、それまでの大型スクーターとは何十歩も先を行く洗練されたデザイン。こういった要素が幅広いユーザーに支持され、結果的に発売から2年後の1996年には、250ccクラスでの登録台数1位に輝くほどの大ヒットを記録。その結果、ビッグスクーターをオシャレに乗るという、一般的なバイク系ユーザーとは異なるいわゆるストリート系ユーザーが中心となって、ブームが始まっていったのだ。
今回紹介する初代マジェは、大阪の老舗ショップであるインターセプトが、2007年に製作したものだ。当時はすでにマジェスティCが一大派閥を形成していたため、この初代マジェスティはすでにマイナーな存在だった。しかも、当時の主流である社外品のエアロパーツなどもごく僅かだったため、これをベースにするためには、独自のアイデアとセンスが求められる状況だったのは間違いない。そんな中、インターセプトが考えたのはローダウンなどを施さない実用性重視のスタイルに、ひと手間加えたオリジナルデザインだった。ノーマルの台形ヘッドライトを潔く取り去り、一眼のプロジェクターヘッドライトを大胆に配置。かつ、左リアサイドにはボディをカットしたトライバル柄を施した。基本的な構成はノーマルに近いものだが、こうしたアイデアで独特のセンスを見せつけたのだ。
初代マジェスティは1995年から1999年まで製造された車両のため、最初期モデルから計算すると、すでに27年の月日が経過している。程度の良い個体を探すのも難しいだろうが、ビッグスクーターブームの原点回帰として、このモデルを手に入れて、ライトカスタムから楽しんでいくのもアリかもしれない。
ノーマルヘッドライト部の中央に堂々と配置されたプロジェクターヘッドライト。このアイデアはあの当時から現在に至るまで、例を見ない異色なスタイルと言えるだろう。
当時の車両にはバーハンドルを覆うカバーが装着されていたが、それを全て取り払いつつ、スタイリッシュなハンドルへと変更。ナポレオンバレンクラシックミラーやペットボトルホルダーも、当時の必需品だった。こちらから見ると、スクリーン部は完全にフェイス化しているのが分かる。
左サイドに描かれたトライバル柄。切り取った部分はメッシュ加工済み。こうしたボディ加工で楽しむことができるのも、ビッグスクーターならでは。
エンド部分が美しいライトブルーやパープルといった虹色で表現されたマフラーは、インターセプトのレインボ―マフラーだ。大径のサイレンサーと長いエンドデザインも独特だった。
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