掲載日:2022年08月31日 プロが造るカスタム
取材協力/SHOWCASE 取材・写真・文/ガスグラフィックス
様々なカスタムスタイルが生まれたブーム最盛期に、湘南系と呼ばれるカテゴリーが注目された時代があった。派手なラッピングやスピードをイメージしたチューニングやドレスアップ。そして、ちょっとヤンチャなノリ。それは、映画「ワイルドスピード」で注目された4輪カスタムジャンル=スポーツコンパクト、所謂スポコンに準じたスタイルだった。その発信源となったショップは、プロショップウェーブ。当時から今でも4輪ドリフト系で有名な同店がビッグスクーターにも参入し、あの時代の4輪スタイルを踏襲。それが結果的に湘南系と呼ばれるカテゴリーへと成長していった。
そのプロショップウェーブからの流れを汲み、今でも現役で活躍しているのが神奈川県平塚市に存在するカスタムショップショーケースとなる。同店代表の福納さんは、純粋なビッグスクーターユーザーとしてこの業界に足を踏み入れ、ウェーブでの武者修行を経て独立。その結果、今でも活躍するビッグスクーター界のトップビルダーにまで成長した。
この眩いレッドが特徴的なフォルツァは、ショーケースが誕生したばかりの黎明期に生まれた1台となる。派手なリアスポイラーやGTウイングは当時の湘南系を彷彿とさせるが、単色使いやラグジュアリー路線のメッキホイールなどは、ショーケース独自のテイストを感じる部分でもある。当時開発したばかりのオリジナルエアロのデザインも含め、いかに自分らしさを表現するか。2006年当時のその情熱を、この車両から感じ取ってほしい。
ヘッドライト上部にエッジを効かせたボリュームを持たせ、独特の目力を獲得したオリジナルエアロ。前方から見るとトライアングル形状となる横側にボリュームを持たせたサイドカウルや、フラップ風デザインを狙ったアンダーカウルなど、一目でブランドが分かるデザイン性がポイント。
リアスポイラーだけでは物足りずさらにGTウイングを追加するという手法は、当時のスポコン系では常套手段だった。当時、ベルに代表される派手系エアロが人気の中、それとは一線を画す存在感が湘南系の魅力。
ショートサイレンサーのカチアゲスタイルは、この時代の人気手法のひとつ。スポイラー&GTウイングの派手さと対照的なコンパクト感。このバランス感覚は、今のカスタムテクニックのヒントになるはず。
ハンドル周りはこの時代の定番商品でまとめあげた。今人気の絞りハンドルはこの時代は存在していないため、こういった老舗パーツメーカーがラインナップする専用商品で造り込むのが当時のスタイル。
ホイールは今では入手不可能なスネークス製。4輪ホイールを彷彿とさせるピアスボルトの存在。彫りの深い8本スポークや、重厚感あるメッキの質感など、4輪系を意識するには最良のデザインだった。入手するには某オークションなどで探しまくるしかない?!
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