掲載日:2020年11月25日 プロが造るカスタム
取材協力/INTERCEPT 取材・写真・文/ガスグラフィックス
ビッグスクーターのカスタムと言えば、4輪ホイール、過激なロングホイールベースというイメージが完全に定着している昨今のスタイルだが、ローダウンとのバランスを保った程よいロングホイールベース化に、多くのユーザーが憧れていた時代があった。ここに紹介するマジェスティCは、そんな往年のスタイルをその当時のまま17年にも渡って一人のオーナーに愛され続けてきた、とても貴重な1台となる。
印象的なのは、そのホイールベースの長さだ。テールランプよりちょい出し。ナンバープレートがリアフェンダーも兼ねるぐらいのルックスは、マッドスピード製サブフレームキットによるもの。いつの間にか長さ勝負が生まれてしまった昨今の事情と比較すると、かなり控えめな長さだが、これがハードカスタムと言われた時代は間違いなくあったのだ。こうしてみると、マジェスティCが持つ純正デザインとのバランスも絶妙で、フルエアロ装着&ドハデペイント車との対極の位置に、シンプル系と呼ばれるこのスタイルが存在していたことに納得できるはずだ。
この車両には、マフラー、ハンドル、フロントフェイスといった各部に、当時の人気パーツがふんだんに使われている。しかも、過去製品を今の時代に買い集めたのではなく、その当時から使われ続けてきた歴史が刻まれていることが重要。新製品としての購入が難しくなってしまった今この時代において、当時の雰囲気をそのまま残す車輌が、しかも、同じオーナーが変わることなく乗り続けているというこの事実に、称賛の拍手を贈りたい。
マッドスピード製サブフレームキットは、ワンオフ加工ではなくボルトオンでロングホイールベース化を可能とした画期的な製品だった。そのため、発売当時は瞬く間に大人気に。リアスポイラーは装着しない。ロングタイプのデビル製サイレンサーなど、当時のシンプル&スポーティスタイルが、そのまま継承されている。
大手バイクパーツメーカーであるアクティブは、ダグアウトというブランドを展開し、スクーター専用パーツを多数ラインナップしていた。その中でも、マニアック度で上位を競う商品がこちらのセパレートハンドル。その後、カスタムショップなどからも数々のセパハンが生まれたが、この製品がそのムーブメントを生み出すきっかけとなったのだ。
ノーマルは純正12インチだったが、純正オプションとなるワイズギアより13インチホイールが正式に発売されていた。フロントサスの逆付け、300φのビッグローターやトキコ製キャリパーなど、定番技とパーツが満載。
駆動系は今人気の星野設計を採用しつつ、吸気系をケイヒン製FCRで武装。当時の人気パーツメーカーだったMソウルからは、専用アルミインマニ&インシュレーター&冷却水ホースがセットになったFCRキャブキットが発売されていた。
フロントフェイスも当時の人気製品だったマッドスピード製を装着。エアロ上部をカットしていないチョップフェイスが流行る前は、ご覧のようなスクリーンレスオリジナルフェイスが大人気だった。ヘッドライトもノーマルを尊重したデザインで、これが今の時代にはとても新鮮だ。
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