掲載日:2020年08月12日 プロが造るカスタム
取材協力/HIROKIX DESIGN 取材・写真・文/ガスグラフィックス
過去に存在した様々なカスタムスタイルの中で、神奈川湘南エリアを中心として一躍人気となった、懐かしのスポコンスタイルを今回は紹介したい。艶やかな蛍光グリーンに彩られ、随所に大胆なメッシュダクト加工を施されたこちらのマグザムは、ビッグスクーター業界をはじめ、様々なバイク&クルマジャンルで活躍するプロぺインター=ヒロキックスデザインが2007年に手掛けたものだ。
同店はあくまでもペイントショップのため、外装エアロ加工やペイント、バイナル、ステッカーワークなどを得意とする。逆に、フレーム加工などといった部分に関しては、同じ湘南エリアである茅ヶ崎市にお店を構えるプロショップウェーブが担当。ちなみに、ウェーブは元々ドリフト系で有名なショップでもあり、そこがビッグスクーターのカスタムも手掛けるようになったのが始まり。つまり、このマグザムのような派手な蛍光色を活用したスポコンスタイルは、バッグボーンにドリフト文化を持っていたウェーブと、そのペイントを手掛けたヒロキックスが流行らせたスタイルであり、彼らの地元が発祥だったことで、俗に“湘南スタイル”とも呼ばれるようになったのだ。なお、現在もこのエリアで活動しているショーケースの代表福納さんは、元々はユーザーとしてウェーブに出入りしていたことが始まり。今では、マグザムを中心に独自のスタイルを築き上げている、由緒正しい湘南スタイルの継承ショップであることはご存知の通りだ。
こうして見ると、製作されてから13年が経過しても色褪せない存在感。4輪スワップが一般的になった今の時代においても、ローダウン&20cm未満のロングホイールベース化のみのシンプルなマグザムスタイルが、今でも支持されている理由がよくわかる。
フロントフェイスをはじめ、ボディ各所に施されたメッシュダクト加工。これも全て、走りのスタイルが発祥のスポコンのひとつの定義。蛍光色も含めてこのようなスポーティ路線の人気もひと段落している今の時代だからこそ、逆に新鮮に見えるのかもしれない。
当時はスクーター専用の絞りハンドルが販売されていなかったので、ワンオフ加工が主流だった。ハンドルの立ち上がりは低く、そして美しく絞る。趣向を凝らした複雑な形状は、やはりワンオフだから成しえる技。
ビッグスクーターのシートは、艶のあるこのビニールタイプが主流だった。それを限りなく薄く、でもある程度の乗り心地も重視して作られたデザインがポイント。シート前部に、さりげなくショーケースのステッカーが貼られている。
シート下にある二つの小さなラゲッジボックスは、ロングホイールベース&ローダウン加工により、全て取り払われている。左右に分割されたマフラーやエアクリーナーの配置など、狭いスペースを巧みに使いこなすプロの技は必見。
18cmのロングホイールベース加工により、リアタイヤの最後端部をリアトランクハッチのギリギリに設置。その結果、トランク部分は活用できなくなるが、車両としては申し分のないスタイルが完成した。左右2本、合計4本出しのマフラーもウェーブによるワンオフ品。
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