掲載日:2018年11月07日 プロが造るカスタム
取材協力/バイクショップ導楽(TEL 099-204-7744)
取材・写真・文/ガスグラフィックス
エアロ、エアサスといったカスタムパーツは、数あるバイクのカスタムジャンルの中でも、スクーターだけに愛用される定番商品であり、そのモチーフとなるのは、基本的にクルマのカスタム文化となる。
バイクショップ導楽が製作したこちらのマグザムは、ピックアップトラックをベースとした“トラッキン”と呼ばれるジャンルのカスタムで、フレーム着地が主流となった2000年代以降のスタイルをモチーフとしている。
まず、その車体構成で特徴的なのが、エアサスの装着だ。ビッグスクーターのカスタムの基本であるローダウンを、バネサスではなくエアサスで対応。しかも、ただ低くするのではなく、マグザムのフレームを地面へと着地させる“スラムド”スタイルにまとめるために、フレームを加工している。
この場合、単純にエアサスを装着するだけでは、このようなスタイルは成立しない。フレーム着地時の車体姿勢の美しさも含めてベストバランスが求められ、そのためのフレーム加工技術も必要となる。
1970年代からアメリカの西海岸を中心に流行り始めた“トラッキン”は、その年代ごとに様々なスタイルが存在している。その中でも、フレームをしっかりと着地させてフレームワークの技術や美しさを披露するこの“スラムド”スタイルは、ローダウンを主流とするビッグスクーターにとって、ピッタリなモチーフだったのだ。その結果、ハードカスタムを担うスクーターカスタムショップは、こぞってその加工技術を習得。そこで切磋琢磨されたセンスが、このマグザムにも表現されているのだ。
外装だけではなく、ホイール、ヘッドライトと、全てをキャンディーピンクで統一。色を重ねることで単色では表現できない深みのある色合いになるのがキャンディーの特徴で、ピンクという明るいベース色でもその美しさは充分実感できる。この車両には、同系色でピンストライプを施しているのもポイント。
外装色の統一は、リア周りにも徹底している。テールレンズ、ライセンスプレートなど、全てを同色でまとめた。ジャムマスターモータービルド製バンパーは、ハードカスタムのマグザムへの装着率が高い人気アイテム。視覚的なローダウン効果ももたらすため、着地仕様を目指すユーザーにおすすめのアイテム。
ビッグスクーターのさりげないチューニング&ドレスアップポイント。それがフロントディスクブレーキの大径化だ。アフターマーケットパーツの装着はもちろんだが、ヤマハの他車種純正ローターの流用が可能であることも、人気の理由のひとつ。
エアサスを上下動させたり、適正なエア圧を保つためのスイッチ増設は、エアサス装着車両に必須の改造ポイント。そのスイッチの設置場所やスイッチそのものの形状は各ショップのセンスにゆだねられるが、導楽では外装のインナー部分にトグルタイプを大胆に配置し、メカニカル感を演出している。
シート下スペースは、プレートを増設してそこもピンストライプによる装飾を施した。外装だけではなく、このように通常では見えない部分にもドレスアップを施すことができるのも、ビッグスクーターカスタムの楽しみのひとつだ。
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