掲載日:2018年09月12日 プロが造るカスタム
取材協力/バイクショップ導楽(TEL 099-204-7744)
取材・写真・文/ガスグラフィックス
ヤマハ・マグザムが登場したのは2005年。当時は、高速道路の2人乗り解禁や、AT限定自動二輪免許が取得できるようになったりと、バイク業界でも大きな動きを見せた1年だった。ビッグスクーターブームもまだまだ勢いがある中で、大ヒット中のマジェスティCと共に、このブームを牽引する新たな刺客として送りこまれたのが、このマグザムだった。
コンセプトは、「ベストタンデム・アーバンクルーザー」。ライダーとタンデムライダーのシートの位置を限りなくフラットにすることで2人乗り時の快適性を重視するという、それまでのビッグスクーター各車とは一線を画したデザインで、一躍人気車種の仲間入りを果たしたのだ。
もちろん、カスタムの世界でもノーマルのデザイン性の高さが注目され、他車種は様々な造形を持った社外品エアロが隆盛を極める中、マグザムだけは「純正を活かしたシンプルなデザイン」を採用したエアロが数多く生みだされたのだ。カスタムの世界には様々な価値観がある。その結果、外観にはあまり手を加えず、フレームワークなどの中身で勝負するアイデアが生まれたきっかけを作ったのも、このマグザムに他ならない。
鹿児島県の導楽が製作したこちらのマグザムは、正にその好例となる1台だ。フロントに至っては、スクリーンも含めて完全にノーマル。リアにトップモスト製バンパーを装着したのが唯一のエアロだが、これもノーマルのボディラインを活かしたアイテムのため、言われなければまるでノーマル外装のような仕上がりとなっている。
この外観とは対照的に、内部はご覧の通りの着地仕様で、リアトランクルームまでギリギリまでホイールベースを延長するロンホイ加工を実施。フロントも13インチのワイヤーホイールを装着と、正に中身で勝負した車両なのだ。他にも、メッキパーツは多用しない。外装はシャンパンゴールドのみを採用するなど、ノーマルの佇まいを損なわないバランスが取れたシンプルさが、魅力的なのは言うまでもない。
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