掲載日:2008年07月08日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
さて、スカラベオ250IEの大きな特徴といえば、前後のタイヤサイズが挙げられる。フロントが16インチ、リアが14インチとなり、国産の一般的なビッグスクーターよりひとまわり大きな設定だ。これは、ヨーロッパでは石畳による舗装が少なからずのこっているため。車輪というものはそもそもその半径を越える段差を乗り越えることができず、径と段差との比が大きいほど容易に乗り越えることができる。そのため、小さな段差が連続するような石畳では、スカラベオのように大きめのタイヤサイズを持つことがアドバンテージになるのだ。
そして忘れてはならないのが、ノスタルジックな雰囲気に満ちたルックス。国内モデルの場合、丸み帯びたデザインのスクーターは原付にしかラインアップが無く、ビッグスクーターといえばスポーツバイクとテイストを同じにするシャープなスタイルのものばかりだ。スカラベオ250IEはデザイン大国であるイタリアの生まれだけに、最近流行の顔つきとは差をつける外観だ。曲線を上手く使いこなしたデザインはソフトな印象で、威圧感の無い雰囲気が好印象。シート下スペースはヘルメット+αの荷物が入るサイズで、通勤や通学などの用途で不便に感じることはない大きさだ。また、フットスペースの前には収納式フックがついており、ちょっとした買い物程度ならばこちらでも事足りるだろう。スカラベオ250IEはクラシカルな外観から趣味的なスクーターと思われるかもしれないが、実用性と走破性も兼ね備えている。アプリリアのベストセラーモデルだけに、スキの無い造り込みだ。