【ホンダ GB350C vs ロイヤルエンフィールド CLASSIC350 試乗記】独断と偏見で2車を比較!バイクブロス的ガチンコライバル対決!

掲載日:2025年03月10日 試乗インプレ・レビュー    

写真/川上 礁太 取材・文/小松 男

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ホンダ GB350C vs Royal Enfield CLASSIC350

2台のバイクを実際に触れて、どのような違いがあるのか、そしてまたどんなタイプのライダーに薦めることができるのかということを検証するガチンコ対決企画。
今回はホンダ・GB350Cとロイヤルエンフィールド・クラシック350、そう、つまり普通自動二輪免許で乗ることができるクラシックスタイルのモデルを比較です。源流を辿れば英国出身のロイヤルエンフィールドと世界最大のバイクメーカーであるホンダ、でもこの2台の主戦場はインドだったりするの!?

この比較対決企画はここ半年ほど続いている人気コンテンツとなっているのですが、今回初めてテスター役の私が「やっとまともな比較対象を持ってきたw!」と歓喜しています。

それというのもこれまで編集部が選んできたのが「ぬぬっ、この2台、そもそもユーザーターゲットからして違うのではないか?」とか、「これはリバッジモデル(基本的に名称やエンブレムなどが異なるだけのもの)だから比べるの?」など、思わず”キビシーッ!!”と叫んでしまう組み合わせばかりだったからです。

だから今回ホンダ・GB350Cとロイヤルエンフィールド・クラシック350の比較対決ということを知りちょっとした安堵感すら覚えました。さて前置きはこのくらいにして本題に入っていくことにしましょう。

GB350C登場まで簡単におさらいをしておきましょう

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シンプルなGB350とは異なり重厚感のあるスタリングとなっているGB350C。フロントフォークカバーやタイヤを深く包むロングフェンダー、セパレートシート、水平にセットされたマフラーなど、外装はほぼすべて新設計となっています。

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シート高は800mm(GB350シリーズ共通の数値です)。GB350Cは視覚的にGB350よりも大柄になった印象を受けることもあり、身長177cm、71kgのライダーが乗ってもアンバランスに見えません。

一過性のブームというよりもすっかり一つのセグメントとして定着した感じがするネオクラシックバイクですが、今回取り上げるGB350Cは2021年に登場したGB350の派生モデルとして2024年秋に発売されました。そもそも”GB”というイニシャルが最初に使われたのは1983年に登場したGB250クラブマンで、クラシカルなシングルスポーツモデルでした。往年のブリティッシュスポーツをイメージしたモデルでGB400など派生モデルや進化を続けていましたが、2000年を前に一度はその系統に終焉を遂げていました。

そんなGBが現代に蘇ったわけですが、そもそもGB350はインド市場をメインに開発されたハイネスCB350というモデルであり、それを日本でも販売する際に名称が変更されたものです。

スペックシートを見ると搭載される空冷シングルエンジンは内径70mm×行程90.5mmとロングストローク仕様であり、かつ排気量の割には20馬力とパワーも控え気味。「こんなの売れるのかなあ」と私は考えたものですが、ふたを開けたらあっと驚く売れ行きの大ヒットモデルとなりました。

追うようにしてタイヤサイズやライディングポジションなどが変更されたGB350Sも追加されました。そして2024年に登場したGB350Cはというと、ただでさえクラシックテイストなGB350に輪をかけて”昔風のスタリング”としたモデルとなっています。フロントフォークカバーやロングフェンダーなど見た目からしてクラシックを貫いた感が溢れています。

クラシック350は“It’s real classic!”と言いたくなる出自です!

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英国にルーツを持つインドのバイクメーカー、ロイヤルエンフィールド。世界最古のブランドの一つとも言われており、クラシックスタイルを持ち前とするクラシック350もおのずと本物感があります。ロイヤルエンフィールドのバイクはカラーバリエーションが豊富なのも魅力です。

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車格はGB350Cとほぼ一緒ですがシートは805mmとわずかに高い数値。ただライディングポジションなども似ており、足つき性に関して言えばどちらがどうということもありませんでした。

1901年に英国で創業したロイヤルエンフィールドは現存する世界最古のモーターサイクルブランドだと言われています。1949年に英国からインドにバイクを輸入する会社マドラス・モータースが設立し、インドにロイヤルエンフィールド(エンフィールド・インディア)の生産工場を構えます。一方英国では押し寄せる日本メーカーの勢いに脆弱化し工場を閉鎖、インドがロイヤルエンフィールドの本拠地となります。

これが簡単なロイヤルエンフィールドの歴史なのですが、20年程前に当時の新車のロイヤルエンフィールド(ブリット)に試乗した私の印象はというとエンジンの吹け上がりやブレーキの利き具合などから”現代のバイクとは思えないフィーリングだ”というものでした。大きな変化が訪れたのは生産性を向上させるために2013年のオラガダム工場の稼働が開始された時で、さらに英国のフレームコンストラクターであるハリス・パフォーマンスを買収したことの影響が少なくありません。

その後登場したモデルはというと、私が乗った2000年初頭に作られたものとは見た目こそほぼ同じですが、全く別物と言えるほどに扱いやすくなっていました。クラシック350は1940年代に製造していたロイヤルエンフィールドG2をオマージュした復刻版的モデルで、2008年に初代モデルが登場しました。しかし一度環境対応基準を満たせずにモデル落ちし、2022年に各部をブラッシュアップして再び登場しました。

今回比較するモデルはLEDヘッドライトやUSB電源などを装備しマイナーチェンジを受けた2025年モデルとなっています。最近のロイヤルエンフィールドはどれもクラシックなスタイリングとライドフィール、それでいながらも安心して乗れる装備のバランスが良くて好きなのです!

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どちらのモデルにも言えることですがクラシックスタイリングなのですが、浅草や下町界隈のような古くからの街並みはもちろん、麻布台ヒルズのような新しく整備された都市でも溶け込みます。全体的に優しい感じなのでしょうね。

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2025年モデルからクラシック350のヘッドライトもLEDを採用していますが、それでもフォークカバーからメーターカバーまで兼ねているヘッドライトナセルが歴史を感じさせます。ヘッドライト上のタイガーアイ(パイロットランプ)もアイデンティティです。

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GB350Cのフェイスマスクではボディ同色のフロントフォークカバーとヘッドライトステーがポイント。ターンシグナルがホワイトなのでスッキリした印象を受けますね。クラシック350と比べるとシンプルな顔つきに思えます。

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クラシック350の空冷シングルエンジンは349ccで最高出力20.2馬力を6100回転、最大トルク27Nmを4000回転で発生させます。内径×行程の数値はスペックシートに出されていませんが、間違いなくロングストローク仕様と思えるトルクの出方をします。

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GB350Cの空冷シングルエンジンは348ccで最高出力の20馬力を5500回転、最大トルク29Nmを3000回転で発生させます。クラシック350より大きなトルクで、しかもより低い回転で絞り出すのは、さすがはホンダといったところですね。

乗りやすさではGB350Cに軍配
クラシック350は味わい深さが魅力

ええ、両車乗りましたよ。その上で似ていますよね。同じ方向に向かっているバイクだとしっかりと分かりました。ただこれがハイパフォーマンスモデルだとちょっとの差が意外と分かりにくかったりするものなのですが、心地よいペースでゆったりと走りたい気分にさせられる今回のモデルでは、細かい部分の違いが見えてきました。

まずクラッチレバー操作の重さに関して言えば、GB350Cの方がかなり軽いです。クラシック350も重いわけではないのですが、乗り比べるとその差は歴然でした。そしてどちらのモデルもシーソーペダル(シフトチェンジのアップダウンを前後踏むことで行うタイプ)を採用しているのですが、後ろ側のレバー(シフトアップ側)の角度が異なります。ライディングシューズなどにもよって違ってくるため、どっちが使いやすいかというのは一概に言えませんが、今回の乗り比べではGB350Cの方が踵でシフトアップしやすいと感じました。

そうそう、スタイリングでの大きな違いもあります。クラシック350がワイヤースポークホイールなのに対してGB350Cはキャストホイールなのです! クラシックモデルならワイヤースポークが似合う? いや洗車や日ごろの手入れを考えるとキャスト? これは難しい悩みどころです。

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これがシーソーペダルです。そもそも正装で乗車した際などシフトチェンジにより靴のつま先に傷や汚れが着くのを防ぐために昔使われていたもので、通常のシフトレバーのように前側だけでもシフトアップダウンすることはできます。クラシック350の方が前後レバーの高さがフラットな印象でした。

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GB350Cはキャストホイールでクラシック350はワイヤースポークホイールを採用しています。個人的にはワイヤースポークの清掃が面倒なことを知っているので、キャストホイール派ではありますが、「クラシックスタイルにはやっぱりワイヤースポークだろう」という意見も理解します。

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GB350Cのメーターはシンプルかつインフォメーションが伝わりやすかったです。クラシック350も2025年モデルからシフトインジケーターが備わったのですが、それにしてもレトロ感バツグン! メーターカバーそのものがデザインされていますしヘッドライト、フロントフォークカバーまで一体です。

安心安全間違いないGB350C!
外車感を味わえるクラシック350!

エンジンのフィーリングなどはGB350Cの方が”トルクがあるな!”と感じますが、それも大きな違いではありません。むしろクラッチを繋ぐ際エンストを防ぐアイドルアップ機構などがしっかりとしているのでスキルを問わず気軽に乗れます。

クラシック350も粘りのあるエンジンでトルク感も強く扱いやすいのですが、例えばメーターパネルがフラットに設置されており上から覗き込むようにしないと見えにくかったり、独特なハンドルスイッチを使用していたりと、”外車感”が強いのです。

ハンドリングに関しては両者フロント19インチ、リア18インチのタイヤサイズであり、日常的な使い方でサスペンションも十分な動きをしてくれるようでしたので大きな差は無いのですが、クラシック350とくらべGB350Cのリアタイヤは若干幅が広いこともあり”倒し込みの軽さはクラシック350かな”という印象。車重的にはGB350Cの方が9kgも軽いので相殺している感じです。

最後の砦、価格の違いです。GB350Cは66万8800円で、クラシック350は69万4100円~72万8200円(カラーリングによる差です)。約2万5000円クラシック350の方が高いのですが、これは難しい選択となったと言えます!それというのも2022年にクラシック350が登場した際の値段はもっと低かったことを知っているからです。あの時GB350Cは存在していませんでしたが、「手を出しやすい価格だなー」と感じたものでした。とはいえクラシックの王道的な要素がギュッと凝縮されたクラシック350は特別な存在ですし、旧車そのものの味を楽しめます。

一方GB350Cは電子制御の具合や走りのフィーリングなど、あくまで今の技術を持って作られた現代のクラシックバイクであることや、やはり国産モデルということなどから安心安全でトラブルがなさそうな感触があるのです。となると……。あなたならどっちを選びますか!?

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どちらもシートはライダーとパッセンジャーが分かれたセパレートタイプでグラブバーも備わっています。GB350Cはシートの縁がパイピング処理されています。グラブバーはクラシック350の方が高い位置にセットされています。

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ハンドルバーはクラシック350の方がアップ気味であり、若干ですが上体が立つライディングポジションとなります。メーターパネルが上を向いているのでその点は慣れが必要かもしれません。それと両車のスイッチボックスの違いにも注目。

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燃料タンク容量はクラシック350が13L、GB350Cが15Lとなっています。クラシック350の方が幅広のデザインで”ポテッと”したカワイイ感じ。GB350Cはカラーリングが良く、どこを走ってもオッと気になる存在となってくれます。

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GB350Cとクラシック350で悩む方は結構多いかもしれませんが、どちらも完成度は高く心地よく走らせることができるので、通勤通学やデートなど日常生活に花を添える存在となってくれるに違いありません。

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