掲載日:2024年08月09日 レトロバイク・グラフティ
イラスト・文/藤原かんいち
80年代に巻き起こった空前の2ストレーサーレプリカブーム。83年は250ccクラスではスズキのRG250ガンマ、ホンダのNS250R、ヤマハのRZ250RRと3メーカーのモデルがトップを争い、しのぎを削っていた。そんな戦国期の最後に登場したのがカワサキのKR250だった!
WGPで『グリーンモンスター』と呼ばれ大活躍(78年〜81年まで連覇)していたワークスマシンKR250のレプリカで、同じタンデムツインエンジンを搭載していた。これは2個の気筒を前後に並べたエンジンで、さらにカワサキオリジナルのシステム『R.R.I.S(ロータリー&リードバルブインテークシステム)』という吸気方式を採用、ロケットのような加速力を実現していた。
最高出力は当時クラストップの45PSを発揮。さらにカワサキ初のダブルクレードル型アルミフレームを採用、もちろんフロントタイヤは流行の16インチ、リアショックはユニ式トラックサスペンション、アンチノーズダイブ機構『AVDS』を持つフロントフォークなどなど、最先端のテクノロジーを集結。
それなのになぜか売れ行きは芳しくなかったという、その理由はデザイン。カワサキ初のレーサーレプリカだけに、WGPで大活躍していたワークスマシンのようなスタイリングを期待していたのに、なぜかツアラーぽいスタイル。中身(機能や性能)が素晴らしいだけに、多くのファンはため息をついた。ただ、もしも登場が2年早かったら、結果は違っていたかもしれない、そう思うのは僕だけではないだろう。
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