USヨシムラが開発したWR250R/X用RS-2スリップオンサイレンサーが、横浜のバイクショップ・アルファスリーによって輸入販売されることになった。

[ 編集部コメント ]
USヨシムラは、ヨシムラのアメリカ進出に伴い1973年に設立。日本国内とは異なるフィールドで開発することで、ヨシムラジャパン製品とは違った乗り味を実現しているのが特徴だ。このRS-2スリップオンサイレンサーも、アメリカのクローズドコースでの使用を前提として製造されたもので、国産4 メーカー、KTM、BMWのモトクロッサー、エンデューロレーサー用を多数ラインナップしている。
そんな中、現地でもナンバー付きモデルとして発売されているWR250R/Xを、クローズドコースで使用するユーザーが増えてきた。ステンレス製とすることで、ノーマルから重量を半減。排気効率を高めることでレスポンスを改善し、コントロール性を高めているのが特徴だ。軽量なサイレンサーを求めるWR250Rユーザー。その声に応えるためにリリースされた1本なのだ。
[ DETAILS ]

このRS-2スリップオンサイレンサーは、その名のとおり差し込むだけのスリップオンで交換完了できる。ステー位置もピッタリと合い、クリアランスも適正になっている。EXUPを取りはずせば10分程度で作業終了できるだろう。ひと昔前のUSヨシムラ製サイレンサーは、ボルト留めするからボルトオンと呼ぶ、という具合で調整しながら装着する必要もあったが、現在の品質は大幅に向上しているのが分かる。
装着後にまたがると、リヤまわりを明らかに軽く感じる。この軽さは、走行時はもちろん、スタックした際の押し引きでもかなり威力を発揮してくれる。エンジンをかけると、アイドリングから歯切れの良い音に変わっている。アクセルを開け閉めすると「バウンバウン」とレーサーYZに似た排気音で、付きの良さを感じる。実際に走行すると、どの回転域からでもエンジンが付いてきて、しかも欲しいパワーが出てくる。アクセルでリヤを振り出しやすく、ここ一発のパワーも得られる。積極的なマシンコントロールに応えてくれるサイレンサーだと感じられた。

サイレンサーの取り付けステーにはゴムブッシュが圧入され、振動や衝撃を軽減してくれる。

サイレンサーとエキパイのジョイントにはスプリングを使用。激しい動きの多いオフロード走行に対応した作りになっている。サイレンサーにはヒートガードが装着され、ボディアクションした際のパンツとの引っかかりを防ぎ、熱による穴開きも低減する。

消音はパンチングメッシュで行っている。60時間走行後にワイヤーブラシで汚れを落とす。

取り付けは付属のボルト、クランプで、まさにボルトオンできる簡単さだ。

ノーマルよりコンパクトで、横方向への張り出しも少ない。重量を半減しつつ、質感の高さもアピールできる。ただし、排気音は大きい。クローズドコースでの使用を推奨する。なお、このサイレンサーはアルファスリーが輸入販売しているので、問い合わせはアルファスリーまで。
[ SPECIFICATIONS ]
メーカー/US.YOSHIMURA
商品名/RS-2 スリップオンサイレンサー
重量/2,400g(サイレンサー)、666g(エキゾーストパイプ) ※編集部実測値
材質/ステンレス
適合車種/WR250R/X
価格/52,000円
[ お問い合わせ ]
アルファスリー
電話/045-861-3161
[ リリース元 ] アルファスリー
[ 記事提供 ] ガルル編集部

CB-Fシリーズを長く乗り続けるため、生命線となるパーツの復刻に力を注いでいる、広島・福山市のジェイズ。宮繁代表の熱意がトップメーカーのサンスターに伝わり、ついに純正ボルトオンのブレーキディスクが誕生した。
純正のブレーキディスクはメーカー欠品となって久しく、交換しようにもできないという状況が続いていた。そこで、ただ当時の製品を復刻させるのではなく、現代の交通事情にマッチしたものをサンスターに依頼。アウターローターに最新のストリート用ディスクと同じサンスター独自の特殊ステンレス材を用いることで、扱いやすさ、絶対制動力、耐フェード性などにおいて、純正品を大きく上回る性能を得ることとなった。
なお、今回はテストケースでの販売を目指しており、継続生産されるかは今のところ未定だが、反響次第では期待していいだろう。
そのほか、CB-F/R用のスパークユニットと、CBX(1000)用のプライマリー/カムチェーンA・Bも登場。どれもメーカー欠品であり、必要なパーツをできるだけ手頃な価格で提供するというジェイズのポリシーが貫かれる。こういうショップはユーザーにとってありがたい存在だ。
[ SPECIFICATIONS ]
[ DETAILS ]

アウターローターはスリットタイプ。純正品からレース用まで手掛けるサンスターの技術を惜しみなく投入。

右側はリヤ用。どちらもインナーローターはCB-Fに似合うデザイン。

CBX(1000)用プライマリーチェーンは2 万3000 円で、カムチェーンはAが5,880円、Bが3,885円。国内で製造され、純正と同じ強度と品質を確保。

CB-F/R 用のスパークユニットは1個14,800 円で、1台につき2個必要となる。トランジスタの代わりにFETという部品を使い、熱的に弱いという純正パーツの欠点を克服している。

2010年3月の発売以来、メーカーの予想を大きく超えるペースで売れ続けているCB1100。往年の名車を彷彿させる威風堂々としたスタイリングや、リッターオーバーとは思えないほどの扱いやすさ、価格設定の安さなど、人気の理由は多々あるが、やはり本誌読者にとっては「久しぶりにイジリがいのあるバイクが出た」という印象が強いのではないだろうか。
…そんなCB1100用のカスタマイズパーツに、Kスタイルという名のシートが加わった。これは2010年春の東京&大阪モーターサイクルショーに参考出品されていたカスタムシートの改良版で、ネーミングはCB750フォアの形式名に由来する。厚みのある形状や表皮の模様など、CB750フォアの特徴をよく捉えており、懐かしさを覚える人も多いはずだ。
ボリューム感を出すため、シート高はSTD比で40mmアップの805mmとなり、足着き性は多少悪化するが、内部のウレタンの硬度を部分ごとに変えるなどして、座り心地を徹底的に追求。表皮は本革と合皮の2種類で、前者には専用のレインカバーが付属する。
ハンドリングへも好影響を及ぼすKスタイルシート。合皮なら4万円弱で買えるのもうれしい。
[ SPECIFICATIONS ]
[ DETAILS ]

写真は本革タイプのアップだ。きちんとステッチで仕上げられており、高級感が漂う。思わず触れたくなる質感。

シートベースは純正品と同形状。交換作業は非常に簡単だ。今日は街乗りがメインだから足着き性がいいノーマルシートで…、と簡単に戻せる。

本革タイプには駐車時の保護用にレインカバーが付属。小さく折り畳めるのでシート下のスペースに収納できる。

買い求めやすい合皮タイプ。ウェルダー加工で当時のパターンを再現した。なお、本革タイプは納期に時間を要する場合がある。早めの発注が吉だ。

福岡・久留米市のカスタムショップ、ケーアイディでは、RZ系のパーツに力を入れている。その中から注目商品を紹介しよう。
まずはRZ250(4L3)のリヤブレーキをドラムからディスクに変更するキットだ。STDは前後同サイズ(1.85×18)という点に着眼、純正Fホイールをリヤに装着してディスク化するというものだ。キットのスプロケットハブはダンパー付きであり、駆動系の負担を軽減。またバネ下重量を約1kg減らせるという点も見逃せない。キット以外に必要なパーツを入手できない場合は、気軽に相談してほしいとのこと。
アルミポンプカバーは、4L3エンジンの定番ドレスアップパーツになりそう。また、グラブバーはノーマルのように見えて実は7N01で作られている、という点がニクい。同店は九州RZミーティングも主催しているだけあり、こうしたオリジナルパーツを多数展開。オーナーは要注目だろう。
[ SPECIFICATIONS ]
[ DETAILS ]

キット内容は、ダンパー付きスプロケット&ディスクハブ、キャリパーサポート、ホイールベアリング、ディスタンスカラー、取り付けボルト。これ以外に用意すべきパーツは、ブレーキディスク、リヤキャリパー、スプロケット、4L3フロントホイール、タイヤなど。別注でカラーアルマイトも可。

エンジン右側にあるウォーターポンプカバー。RZの鋳出し文字が美しい。

純正パーツの形状のまま7N01 材で作られたグラブバー。写真は丸パイプだが、ほかに角パイプ仕様、キャリヤタイプ、29L/K 用なども製作可能。

現在4ブランド、約200種類ものマフラーをラインナップしているSP忠男は、代表の鈴木忠男さん自らがテスターとして開発に携わっており、性能に妥協しないというコンセプトが多くの支持を集めている。このたび発売されたCB1100用スリップオンマフラー“パワーボックス”にも、その考え方が貫かれているのだ。
CB1100用のマフラーを作るにあたり、ユーザーがどんなものを求めているのかをリサーチしたところ、手頃な価格のショート管がいいという声が多かったとのこと。そこで、コストを抑えられるスリップオンにすることまでは決まったが、問題はショート管というスタイルだ。排気系には必要な長さがあり、これが短すぎると性能に悪影響を及ぼす。実際に数種類の試作品を試して、そのことをあらためて確認したという。
紆余曲折があったのち、生まれたのがパワーボックスである。加えて、サイレンサー内部も構造をゼロから見直し、システム全体で管長を稼ぐという方法を編み出した。その結果、低中回転域のトルク感が増し、神経質な面も軽減できたというからさすがである。
見た目も性能も妥協したくないCB1100乗りにお勧めだ。
[ SPECIFICATIONS ]
[ DETAILS ]

真横から見たとき、エンドがタイヤのほうまで伸びる純正サイレンサーに対し、この製品はリヤショックまでと非常に短い。よって見た目にも軽快。

これが“パワーボックス”というネーミングの由来となった大型チャンバーだ。スイングアームの下にある空間に収まるもので、マスの集中化に貢献。センスタもそのまま使用可能だ。


シンプルに見えるサイレンサーだが、内部構造に秘密があり、中身で管長を稼ぐ方法を採用。材質はオールステンレスで、末永く美しい状態をキープ。もちろん、政府認証取得済みだ。

ライダーに必須のヘルメットこそ、お気に入りのアイテムを選びたいところ。ところがバイクと違ってパーツや構造をカスタムすることは出来ないので、個性を表現しにくいのが実情だ。特にフルフェイスヘルメットとなると、どのブランドも形は酷似するため、ペイントで差をつけるのが関の山と言ったところだろうか。そんな中、個性的な形状により支持を得ているブランドの代表格といえばSIMPSONだろう。
バイクだけでなく4輪用ヘルメットも製作しているだけあって、帽体自体が様々な形状のタイプをリリースしているのが特徴的だ。今回ご紹介するダイアモンドバックもその例に違わず、特にシールドや口元の形状が独特なのだが、そもそもこのブランドのヘルメットは、万人受けするデザインではない。あご下の形状が特殊なため、置いてある状態のヘルメットの目線は上向きとなり、正直なところ少し不自然に感じてしまうのだ。しかしヘルメットとはインテリアではなく、ライダーが装着して初めて機能するもの。実際に装着すればその違和感は解消され、ライディングポジションをとるとさらに自然なものとなるのだ。その印象はより人間の顔に近く、帽子を被るというより、マスクを付けている感覚に近いと思わせるものがある。驚いたのは、実際に装着してみるとその印象が、なおさら強いものとなることだ。
その要因は驚くべきフィット感にある。国内メーカーの多くは57-58、59-60と2cm刻みでサイズ設定をしているが、この商品は57から62まで1cm刻みでラインナップしている。また形状記憶マットを採用した低反発素材のチークパッドは、ライダーの顔に合わせて変形してくれるのだが、これまでにない被り心地を実現していた。当然の話だが顔の凹凸は人によって異なる。そのため、少しでも形状が合わずに頬骨などがパッドに強く当たっていると、実際のライディングでは時間の経過と共にその部分だけに圧迫が蓄積され大きな疲労となってしまう。その点、低反発チークパッドは、被った直後はわずかな圧迫感を感じるもののすぐに自分の顔にフィットする。圧力が分散されて顔面全体でホールドしている感覚となり、大きな安心感を生みだすのだ。高速走行や長距離の連続走行後は、いつもより顔や首のツッパリが少なく感じるほどだった。
さらにベンチレーションによる通気性の確保や、内装の吸汗速乾素材クールマックスによりムレやベタつきなどの不快感を軽減しているなど、装着感へのこだわりに死角はない。ライダーの身体の一部となるようなコンセプトは、近年注目を集めているフィット性の高いスポーツ用インナーウェアを思わせる。シンプソンの中でも特にアクの強いデザインではあるが、驚くべき高機能は体験してみる価値が大きいだろう。

シールドの開閉は、カチカチと動く一般的なラチェット式ではなく、回転軸で締め付けるフリーストップ式。開閉の途中でも角度の制限なく開度をホールドでき、動作もスムーズ。

口元のベンチレーションに加え、額には開閉タイプの吸気口が設けられている。密閉度が高いが、これらのホールから外気が取り入れられ、走行中は圧迫感を感じない。

ヘルメット後方部には左右2ヶ所ずつの排気口が備えられている。口元と額部から取り入れた外気は、ヘルメットの内側を緩やかに流れ、このホールから排出される。

あご紐には一般的なDリングタイプを採用。下あごのベルトが当たる部分には、擦れないように柔らかいベルトカバーが備えられているため、長時間のライディングでも快適。

内装は吸汗速乾素材のクールマックスを採用。綿素材の5倍の速さで、ライダーの汗を吸収して蒸散させるため、ムレやベタつきを抑えると同時に、汗冷えを防いでいる。

チークパッドには形状記憶クッションの低反発マットを採用。顔の形に添って変形し、頬に当たる圧力を均等に分散することで、首や顔への疲労を軽減させる。

シャープな走りこそが最大の特徴 PGO最大排気量モデルG-MAX220
photo/Hideo WATANABE

以前にご紹介したRSタイチの「インテンション オールシーズンELジャケット」は、発光パネルを背中に搭載して夜間の被視認性を飛躍的に向上させることができる画期的な製品だった。今回テストしたのは、それと同等の安全性を手軽に実現することができるアイテム「ELブレードショルダーホルスター2」だ。ジャケット同様、電池によって発光するEL(=エレクトロルミネッセンス)パネルをコンパクトなワンショルダーバッグに搭載、どんなウェアでも夜間走行の被視認性を高めることができるのが最大の特徴だ。
「ショルダーホルスター」という名前が示す通り、発光パネルを手軽に着用することを最優先したようで、収納部の形状、容量ともにバッグとしての使い勝手は意見が分かれるところだろう。防水性に優れるターポリン生地や止水ファスナーを採用したバイク用品らしい作りとなっているが、単三電池2本を格納した電池ボックスを内蔵する収納部は、財布、携帯電話、手帳、名刺入れなど最小限の携行品を入れればほぼ一杯。ツーリングはもちろん通勤・通学などもこの収納力だけで賄うのは困難だ。また、EL発光パネルを搭載した収納部を背中に回して使用するため、開閉もやり易いとは言い難い。バッグとしての機能はあくまでも副次的なものとして考えるべきだろう。
一方、安全性を高めるためのアイテムとして考えれば実に良くできている。今回のテストでは約90kmを走行したが、場合によってはインテンション オールシーズンELジャケットよりも使いやすいと感じるシーンも多かった。タスキ掛けで使用するため、一度ベルトのサイズを合わせてしまえばヘルメットをしたままでも着脱は簡単。手軽に装着できるというのは日々使用する安全装備品として重要な性能だと言えるだろう。また、肩に掛けたまま前に回してくれば、信号待ちなどのちょっとしたタイミングでも点灯状態を目視可能。手軽に作動を確認できて電池切れなどの不安も解消されるうえ、スイッチを操作しやすいというメリットもある。収納部の裏側は夏場の使用なども想定してムレ防止のメッシュパッドを装備しているので、1年を通して快適に使用できるはず。バッグとしてではなく、安全装備品として考えれば実によくできていると感じる点が多い。
もちろん、走行中の安全性は「インテンション オールシーズンELジャケット」と同等だ。EL発光パネルを点灯した状態では周囲のドライバーが自車に注目していることが明確に分かるし、適切な車間距離が確保されていることも実感できる。スイッチ操作で点滅モードを選択すれば、光に動的な要素が加わるので注目度はさらにアップ、ドライバーから注視されることで安全性はより高まることだろう。バッグとしての容量は少ないが、その分コンパクトで軽量。手に持って振ることもできるので、緊急時は後続車に危険を知らせることにも役立ちそうだ。そのほか、夜間のジョギングやサイクリングなど、アイデア次第でさまざまな使い方が可能。安全装備品として非常に優れているし、価格も手ごろ。2010年のグッドデザイン賞を受賞したアイテムというのも頷ける。夜間走行の多いライダーにオススメの一品である。

事故が多い薄暮の時間帯でも、EL発光パネルを点灯すれば被視認性は抜群。ドライバーが注視してくれるので自然と適切な車間距離が確保される。

エレクトロルミネッセンスの光には指向性がないという特徴がある。そのため、LEDの光などとは違い、併走車などからも良く見えるのだ。

EL発光パネルの電源として単三乾電池2本を格納した電池ボックスを内蔵。スイッチ操作で連続点灯と点滅を選ぶことができるが点滅がオススメ。

タフで防水性に優れるターポリン生地や止水ファスナーを採用。完全防水ではないが、少々の雨なら問題なく使用することができる。

幅広のベルトをタスキ掛けにして装着。ヘルメットを被ったままでも着脱が可能だ。バックルは信頼性の高いニフコ製を採用している。

収納部の容量は最小限。財布、携帯電話、手帳などをいれればほぼ一杯という感じだが、安全装備品として考えれば納得できる。
創立40周年を迎えたMSR。そのプロダクトには一貫してレジェンドライダー、マルコム・スミスのノウハウが注ぎ込まれているのが特徴で、それがオフロードライダーからの支持を集める要因となっている。いち早くゴアテックスを素材として採用したエンデューロジャケットは、アメリカやヨーロッパだけでなく、日本でも大人気となり多くのオフロードライダーの憧れの一着となった。

[ 編集部コメント ]
…そして、そんな快適なオフロードライディングを実現させるための、MSRらしいノウハウが詰め込まれた冬用グローブ「コールドプログローブ」が、風魔プラス1世田谷店で販売されることになった。
厳冬期のライディングでも指がかじかまないように、中綿に保温性のあるシンサレートサーマルを採用。手の甲には防水・防風性の高いネオプレーンを配置することで寒気の浸入をさえぎっている。あらかじめ指が曲がった状態に合わせて裁断し、手のひらはハンドルグリップに吸い付きやすい起毛素材を使用。ブレーキ・クラッチレバーの操作性を考慮しているのも特徴となっている。
[ レビュー ]

レビュワーは、ウインターグローブの温かさは分かっているが、着用を敬遠する傾向がある。それはレバー操作のしにくさが気になるからだ。とくにインナーグローブを採用しているレイヤードタイプは、インナーグローブをグローブ本体にきちんと挿入しにくく、それが原因で指がインナーグローブに引っかかり、不快な思いをすることが多かったからだ。
しかし、このコールドプログローブはアウターシェルと中綿が一体型となっていて、手を入れてもグローブ内面がシワにならず、快適な装着感が得られた。テスト当日は最高気温12度と寒い一日だったが、保温効果が高いおかげで、手を入れただけで温かさが感じられた。あらかじめ曲がって裁断されているおかげで、ブレーキ・クラッチレバーに指をかけやすく、ウインターグローブとしては薄手にまとめられていることもあって操作性が良好なのも好印象だった。河川敷ダートと市街地を合わせて約1時間ほど走行したが、指先ではなくジーンズの寒さを辛く感じる結果となった。
[ DETAILS ]

格子柄の部分はナイロンサパレックス、黒い部分はネオプレーンを使用。ネオプレーンはクッション性が高く、木の枝のヒットなどから受ける衝撃を和らげてくれる。またストラップでフィット感を調整できる。

スウェード調の素材はすべり止め効果もあり、確実にグリップをホールドできる。

中綿のシンサレートサーマルは肌触りのいい生地の内側に収納されている。グローブ内で指がズレず、操作性を高める一因となっている。

カーブした状態に立体裁断されている。

そのおかげで、レバーに指がスッとかかる。操作性と防寒性が両立しているので、林道でも着用できる。このコールドプログローブは風魔プラス1世田谷店の直輸入品なので、問い合わせは風魔プラス1世田谷店まで。なお、この本が発売される頃には、ニューカラーも入荷している予定だ。
[ SPECIFICATIONS ]
メーカー/MSR
販売/風魔プラス1世田谷店
商品名/COLD PRO GLOVE
素材/ナイロン、シンサレート、ネオプレーン、ポリエステル
サイズ/S、M、L、XL、2XL
カラー/ブラック
価格/8,400円
[ お問い合わせ ]
風魔プラス1世田谷店
電話/03-3487-5455
[リリース元] 風魔プラス1世田谷店
[記事提供] ガルル編集部
千葉県警交通機動隊全面協力!
白バイの安全運転テクニックを学んで、あなたも公道走行のスペシャリストを目指そう!
■掲載日/2011年1月14日
■投稿者/バイクブロス×マガジンズ編集部
■動画掲載記事/“白バイ流” 安全運転テクニック Lesson10/段差越え
入庫時はヤマハFZR1000流用の足まわりが組まれていた程度で、それ以外はほぼノーマルに近かったというZ1。それをBe☆Oneが手直しして仕上げたのが、この姿だ。
「トータルのイメージは落ち着いた感じにしたい、ということだったので、パーツは意識的に黒を多めにチョイスしました。フロントフォークはオーリンズにしようかという話もありましたが(→実際に装着したのはヤマハXJR1200改)、使用用途がツーリングメインということだったので、その分の予算をホイールなどバネ下の軽量化に回しました。お客さんの要望を取り入れつつ、バランス良く組むのも、ショップの大事な仕事ですからね」
そう語るビーワン代表・飛田さん。各部に装着されたパーツもしっかりと吟味されており(ワンオフによるステアリングステム、テクニカルワークス製のスイングアームなどはその一例)、前後17インチ仕様としてバランスの取れた内容となっている。
一方、外観で目を引くのはケイファクトリー製マフラーにセットされたオーバルタイプのチタン製サイレンサー(鈴鹿の原田消音器製)。これは『Zの定番品とはちょっと変わったものを装着したい』というオーナーからの要望を受けてフィッティングされたものだが、飛田さんによれば『外観だけでなく、性能的にも見るべきところあり』とのこと。
「付けただけで中低速トルクが太るし音質もいいので、この原田製サイレンサーは結構オススメですね。この車両に付いているのは現行品よりも少し小さめの初期タイプですけど、初期型、現行タイプとも作りもかなりイイですよ」(飛田さん)
こうしたトライが楽しめるのも、頼りになるショップがいればこそだ。
常に沈着冷静で威風堂々とした走り。そしてひとたび事件が発生すれば疾風のように現場に駆けつける…。「白バイ」は誰もが認める公道走行のスペシャリスト集団である。その極意とはいかなるものか。2009年度全国白バイ大会のチャンピオン、千葉県警の笹野巡査長を講師に迎え、ストリートを安全確実に走り続けるための考え方やノウハウをお伝えしよう。



勢いではなく
トラクションで登る
白バイ大会の種目の中にはトライアル競技もある。従来はトライアル専用モデルを使用していたが、今年からは一般的なトレールモデルのXR230に変更されたため、セクション攻略の難易度は逆に高くなったと言える。トライアルでは操作系のタイミングに加え、いかに柔軟かつダイナミックに体を動かしてバランスをとっていくかがポイントになる。
白バイ隊員はスラロームや回避制動などのオンロード系の種目とともに、モトクロスやトライアルなどのオフロード系種目についても同じぐらい熱心にトレーニングに励んでいる。白バイは普段の取締り業務の中では、オフロードを走ることはほとんどない。それなのにオフロード種目を行うのは、より高い次元でのバランス感覚を磨くためだ。
「バイクはライダーが自分で安定を作り出しながら走る乗り物です。低速になるほど安定を失いやすく、その分ライダーがバランスを補正していく必要があります。トライアルや一本橋のように、ほぼ止まっているような場面では、ライダーの技量と感覚がとても重要になってきます。ライディングテクニックというと、ややもするとバイクの性能を引き出すことや高い速度でコーナリングすることばかりに目を奪われがちですが、実は自分自身のバランス感覚を鍛えることが最も大事だと思います」と笹野巡査長は語る。
バランス感覚を磨くことでバイクの特性もより深く理解することができ、いざというときの危険回避能力も高められ、結果として安全運転に結び付くという考え方だ。
今回のテーマは段差越え、トライアルで言うステアケースだが、ここでも高度なバランス能力が求められる。急な斜面を登り切る直前の写真を見れば、バイクとライダーがちょうどV字のように開いていることかが分かるはず。もし、ここでライダーがバイクにしがみ付くと後輪のトラクションが抜けてしまい登っていけないし、逆にライダーが後ろに反りすぎてもまくれてしまうだろう。スロットルワークと体のアクションを使って、いかにタイミングよくきれいに後輪にトラクションを与えていくかがカギ。滑りやすい路面ではなおさらだが、ヘタにパワー全開で登ろうとしても勢いだけでは滑ってしまうだけだ。オフロードで身につけたバランス感覚やトラクション感覚は、ロードでの走りにも必ず役に立つ。まずは小さな段差を見つけて、無理のない範囲で何回もトライしながら操作や動作の感覚を身につけていただきたい。




スクリュー調整だけではダメ
単気筒エンジンならば、キャブを取り外して分解し、パーツを洗浄液にしばらく浸した後に各部の洗浄&エアブローを実践。パーツ各部を点検した後に組み立ててエンジン始動。あとはアイドリング回転をキープしながらスロー系(パイロット系)のスクリュー調整を行なえば、キャブレターのオーバーホールは完了になる。これがマルチエンジンになると、ひとつひとつの分解洗浄作業が大変になり、最終的には「気筒間のバランス調整」が極めて重要になる。
同じ強制開閉式でも、スロットルバルブタイプは、バルブ本体の高さ=開き具合を同じにするのが基本で、バタフライバルブの場合は、バタフライの開き具合を同じにしなくてはいけない。キャブレターを分解洗浄、その後に組み立てる際には、まずは目視確認でこれらのバランス取りを行なうのが基本だ。具体的には、各ボディーのスロットルバルブやバタフライバルブに同じ太さのワイヤーや針金を挟むことで、物理的にスロットル開度を同調させる。まずはこの作業をきっちりやるのが基本で、この目視調整を終えてからエンジン始動を試みる。
キャブレターの洗浄や組み立て作業が正しく行なわれていれば、この段階でエンジンはスムーズに吹け(スクリュー位置は規定のデータ通りにセットする)、アイドリングもそこそこ安定しているはずだ。それで納得できるのなら良いが、ここから先の「バランス調整」を徹底的に行なうことで、スロットルレスポンスがさらに良くなる例もある。そんな作業時に必要なのがバキュームゲージなのだ。目視で各部をセットアップしても、それはあくまで目視であって、必ずしも正解とは言えない。エンジンがスムーズに吹け上がり、なおかつアイドリングが安定しているのなら、おおよその許容範囲内に収まっていると考えられる。逆に、目視セットがしっかり行なわれていても、エンジン本体の気筒間バランスが崩れた状態(エンジン本体の不調)では、アイドリングは安定しないことも覚えておこう。
キャブバランスの微妙なズレを確認&補正するための機器がバキュームゲージである。アイドリング時に4ゲージの針が同じ数値を指すのは当然だが、スロットルバルブ仕様の場合は、スロットルを開け始めた瞬間のバランス取りをきっちり行なうことで、スロットルレスポンスのシャープさがより顕著になる。スロットルリンクなどの支点ブッシュがガタガタに磨耗していては、このような調整も難しい。しかし、4ボディーのパーツコンディションがほぼ同等ならば、調整し甲斐はある。バタフライバルブでアイドリング時は同調しているのに、スロットルを開け始めるとバランスが崩れるような場合は、バキュームピストン周りに不具合がある可能性もある。例えば、ダイヤフラムラバーのコンデイションにバラつきがあるなど、様々な要因が考えられる。いずれにしても、マルチエンジンのキャブメンテナンス時には4連バキュームゲージの存在が偉大である。



南側は林道ヤヲトシ線で、東側が明川保安林管理道。おそらく整備はされていないと思う。尾根は草木で道幅が狭いが周囲の山並みを見渡せる
豊田勘八インターを降りると国道153号を東へ。勘八峡はボートを漕ぐクルーで賑わっていた。足助町に入り、東海随一といわれる紅葉の名所、香嵐渓に寄る。その後、足助の宿場町へ行き、明川町にある林道に向かった。
春には梅の花が咲き誇る円通院との分岐②を、林道ヤヲトシ線へ進む。砂利のワインディングロードから尾根道へ、途中に北上する分岐があり、地図を見ると滑入に抜けているようだ。やがて溝やガレもある坂道を下るとT字路にでて終了。出口には「明川保安林管理道」の標識が立つ。
右折し再び国道153号へ。東へ走り2kmほどで分岐④に着く。昔と林道名が変わり、林道小田木本洞線となり舗装されていたが入って行く。400mでダートの分岐があったので、走ってみた。直ぐに道幅の広い溝やガレのある、長い上り坂が目の前に現れた。路面はフカフカなので、ラインを決めて一気に上る。ナビによると標高約200mの高低差、勾配14%くらいだった。
出口を左折し下ると、直ぐにT字路に出る。ここは、右のダート林道本洞線へ進んだ。分岐⑥に着くと、フラットな林道藤平線を往復し本線に戻る。途中作業道池ノ平線の分岐があるが、道が悪くなり本線に戻ると約800mでダートは終了。「林道池ノ平線」の標識が立つ分岐⑧に出る。
県道33号を南へ走ると、きららの森に辿り着く。段戸湖に流れ込む小川には、きららといわれる輝く「雲母片石」がある。涼風の中、きららを見にバイクを走らせた。

県内最大の規模を誇る段戸裏谷原生林、きららの森。ブナ、モミ、ツガを主体とする天然林の森で、多彩な野鳥や湿原植物が生息。段戸湖は静かで美しく、湖面に照り輝く緑や紅葉の木々は壮観

香嵐渓にある栗の木茶屋。我が家のカレーに似た、「野菜ごろごろカレー」に頬が緩んだ。渓谷沿いには、他に数軒の趣ある食事処あり
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中馬街道の宿場町として栄えた足助の宿場町は、その面影を今に残す町だ。白壁の土蔵や格子戸の建物、古い建物を利用した資料館などが建ち並ぶ。なかでも、黒い板壁と漆喰の小道のマンリン小路は、江戸後期の町並みで情緒に溢れている。ぜひバイクから下りてゆっくりと散策してほしい、道端には1800年代の道しるべも残されている
住所/愛知県豊田市足助町
問い合わせは 足助観光協会 0565-62-1272
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モンキー、ゴリラに次いで2001年にリリースされた、“エイプ”は、車名通りホンダの類人猿レジャーバイクにおける進化系として登場した。ファットなタイヤと空冷の直立エンジンがもたらす堂々としたスタイリング、ライディングポジションも窮屈ではなく、そのくせマシン全体はコンパクトで扱いやすい。街乗りからショートツーリングまでこなすメインマシンとしての素質はもちろん、軒先やワゴン車にもスッポリと納まる車格からセカンドバイクとしても大きな支持を得ている。2002年より50ccと100ccの2モデル展開となったエイプは、まさにレジャーバイクの王道を突き進み、現在でも使用環境やライダーの要望に合わせて少しずつ進化を続けているのだ。

エイプは前後ドラムブレーキを採用しているが、現在はディスクブレーキを採用したTypeDが追加されている。この背景にはミニバイクレースのベース車両として人気を得たことも大きい。走りを追求できるポテンシャルを秘めたエンジン×フレームの組み合わせには、より制動力のあるディスクブレーキが必須となったのだ。スポーティな走りを求める人たちに向けて、ディスク仕様が発売されたのは当然の流れともいえる。

また50ccモデルは2007年よりインジェクション化されているが、エイプ100はふたつのキャタライザーを搭載し、また燃焼効率の最適化を計ることでキャブレターを継続採用している。乗り味やメンテナンス性、カスタムしやすさなどからキャブレターを好む人も多いということを考えると、今回試乗したエイプ100 TypeDはまさに最終形態と言えるのではないだろうか。

東北自動車道「西根I.C.」を降り、それと並行する国道282号線を盛岡方面へ少し戻ると、左手に道の駅の標識が見えてきます。この方向から進入すると入り口専用になるなので、歩行者に注意しながらスムーズに駐車場へ入ります。ここは道の駅と言うより “駐車場のある生産物直売所” といった雰囲気で、採れたての新鮮な野菜や山菜を買い求める来場者で賑わっています。天気が良ければ本館を背に岩手山を望むことが出来ますが、景色を楽しみながらノンビリと休憩出来るような場所ではありません。もう少し足を伸ばし、快走路を走って岩手山に登ることをオススメします。その先には食堂もトイレも温泉もある “焼き走りの湯” に辿り着くので、長距離走ってゆっくり休憩をとりたいのであればソチラへ。道の駅にある「和風レストラン」で特産のほうれん草を使ったオリジナルメニューを味わいたいなら、ランチタイムをずらした方が良いでしょう。
所在地 /〒028-7111
岩手県八幡平市大更2-154-36
路線名 /国道282号
電話番号/0195-75-0070
定休日 /12月31日、1月1日
営業時間/9:00~18:30 (11月~3月は17:00まで)

「今はZに取っては一番いい時代かもしれない」と多くのカスタム/Z系ショップからの声を聞く。それはなぜか。いくら名車と言えども、後の時代に乗るためには、まず元になる車両がないことには話が始まらないし、それを乗り続ける、あるいはカスタムしてアップデートを図るといった場合には、前者ならレストアに使えるパーツがほしいし、後者にしても同様にまずはレストア、それからベース車に合うカスタムパーツがほしい。それが潤沢にあるのが今の時代で、Zの現役当時のスタイルから、今のバイクのエッセンスを注ぎ込んだものまでいろいろな車両を作ることができるから、というのがその理由だ。
そのパーツにしても、はなから今のようにあったわけではない。1970年代はメーカー純正でさえ国内仕様ではカウル装着やオイルクーラーの装着は許されなかった。1980年代はZの時代が終わり、次々と出てくる新車群への注目は著しかったが、あえて前の年代の車両を振り返ってパーツを作ることはほとんどなかった。1980年代終盤にはまだある程度の純正パーツ供給があり、カスタムブームも起こってきたが、実はこの頃がパーツ的には一番苦しかったとも言える。
そんな状況が変わってきたのは、1990年代も中盤にさしかかる頃だった。規制緩和によって、安全性に留意した上でならアフターパーツの換装が行いやすくなったことも追い風になり、パーツ製作/装着がしやすくなった。また前述のブームの主力だった純正流用もいろいろな加工は必要だし、元になるZそのもののテイストを生かそうとすればノーマルライクなパーツが必要だが、それが少なかった。このことを解決しないことには、Zを後世に残せない。そう考えた複数の有力ショップが、リプロパーツの製作・販売に乗り出したタイミングにもなったのだ。
上の車両を製作したPMC('90年代前半は“プロダクトMカンパニー”として知られた)も、そうした有力ショップのひとつだ。代表・正本さんは'80年代からZをいじり、'90年代にはアメリカから多くのZを車両として国内に導入。その一方でワイセコやウエブカムを筆頭にした国内外のブランドを取り扱い、さらにカワサキZ系を中心としたオリジナルパーツも数多く開発・販売してきた。この車両は、その'90年代中盤の同社デモ車だ。
見て分かるようにフレームはいったん塗装を剥離してサンドブラストを行った後に、補強加工やステムベアリングのボール→テーパーローラー化を行い、硬質ウレタン焼付け塗装を実施。足まわりは、前後ホイールをスチール→アルミリム&ワイド化を行いつつ、ブレーキ系を一新。サスはリヤにはZ1000S1タイプ・スイングアームとオーリンズリヤショックをセット。フロントはフォークスプリングをプログレッシブ・サスペンション製に変更している。一方のエンジンは入念なオーバーホールを行うと同時にワイセコピストンで排気量を903→1197ccに拡大し、吸排気をFCRキャブ+モナカタイプマフラーにと変更。当然、ドライブチェーンの630→530へのサイズダウンも行われている。
こうして再生新車と言うべき状態となったZ1だが、単に自社の取り扱いパーツを装着しただけではなく、車両1台を通してさまざまなレストア/カスタムの手法も提示しているのが特徴。実際にPMCのカタログを見れば、例えばピストンなら前述の1197cc以外に1015ccや1105ccなどの選択肢があるし、スイングアームやブレーキにも異なる形や仕様があり、それが選べる。つまり、ひとつに限定するのではなく、多彩な遊び方を提示する。それが昔も今も変わらないPMCの姿勢であり、正本さんのZに対する愛情の表れと言えるだろう。そんな多彩な楽しみ方が提示された上でパーツが豊富に用意される。だからこそ、多くのショップが“今が一番……”と言うわけだ。

パワフルで扱いやすい、空冷4ストロークOHC単気筒直立エンジンはXR100モタードと共通。始動はキックのみだが、小排気量ゆえ初心者でもそれほど苦労しないだろう。
モンキー、ゴリラに次いで2001年にリリースされた“エイプ”は、車名通りホンダの類人猿レジャーバイクにおける最終形態として登場した。ファットなタイヤと空冷の直立エンジンがもたらす堂々としたスタイリング、ライディングポジションも窮屈ではなく、そのくせマシン全体はコンパクトで扱いやすい。レジャーバイクの王道を突き進み、エイプがたどり着いた境地とは、どのような世界なのか。
今週公開の試乗インプレッションに先立ち、今回はエイプ100 TypeDをフォトトピックスでお届けしよう。

01エキゾーストパイプ内に触媒を内蔵し、平成19年排出ガス規制に適合。着火性能に優れたイリジウム・スパークプラグを採用し、アイドリングの安定に貢献している。

02静かで小気味良いサウンドは、時間や場所に囚われず気兼ねなく乗れるエイプにマッチしている。安全性を確保し、転倒時の被害も最小限に食い止めるマフラーガードを装備。

03フロントブレーキは油圧式のディスクタイプ。6本ホイールのアルミキャストホイールと相まって、足回りをスポーティに演出している。ゴールドのカラーリングがポイント。

04リアブレーキも油圧式ディスクを採用。リアサスペンションは、ソフトな乗り心地と優れた路面追従性によって軽快なフットワークを実現するプロリンク式のモノサス。

05正立タイプのフロントフォークは31ΦでNS-1などと共通サイズ。ワイドなタイヤに合わせた幅広なフロントフェンダーには原付二種に必要なフロントマークが配置されている。

06ヘッドライトケースに埋め込まれたスピードメーターは90km/hまで刻まれている。インジケーターは緑のニュートラルランプと青のハイビーム。タコメーターは装備されていない。

07リアフェンダーに装着された小ぶりなテールランプの下には、100ccの証であるピンクナンバー。ウィンカーはフェンダー裏から伸びるウィンカーステーに装着されている。

08スピード感あふれるグラフィックが施されたガソリンタンクは、予備タンクのコック付きで全容量5.5L。100ccの低燃費なエンジンにより、余裕で200km/h以上を走破する。

09マシンは小柄だが、ステップやハンドルなどのインターフェイスのつくりはしっかりしている。また、原付二種登録となるエイプ100はタンデムステップが装備される。

10座り心地の良いシートには二人乗り用のグリップが装備されている。また、ヘルメットロックが採用されるなど、コンパクトなボディでも必須機能は欠かさない。

11エイプの特徴でもあるファットなタイヤは、ゴツめのブロックパターンにより一層強調されている。フロント/リヤ共に120/80の12インチサイズが採用される。

フロントフォークと同様に、動くから好調ではないのがリアショックユニットである。実は、このリアショックはモノショックでもツインショックでも、注油によって驚くほど動きが良くなるのだ。
妙に「固かったり渋かったり」そんなときこそひと吹き!!
読者の皆さんに質問です。フロントフォークやリアショックユニット本体のメンテナンス&日常点検、したことありますか? 実は、想像以上に少ないのが現実のようです。例えば、ブレーキレバーを握りフロントフォークを上下に作動させたことはあると思いますが、たったそれだけの作業でも、不具合に気が付くこと、ありますよね。例えば、ステアリングの動きを司るステムベアリングの締め付けが甘いと(転倒時に甘くなってしまうことは多い)、作動時にカクカクッ、コトコトッといった異音が発生する。では、リアショックユニットの場合はどうだろう? ショックアブソーバーが効いていれば、ジューコ、ジューコといったダンパー内部を移動するオイル音が聞こえてくるものだ。対してショックアブソーバーが抜けてしまったリアショックの場合は、スコッ、スコッと、バネの力でピョンピョンと跳ねてしまうことが多い。また、それとは逆に、グイッとリア周りを押し込むと、なかなか戻ってこないほど、動きが悪いこともある。いずれにしても、リアショックの動きが悪いとフロントフォークと同じように「乗りにくいバイク」になってしまうため、本来、動くべき部分はスムーズに動くように、日頃から状況を把握しつつメンテナンスを実践するように心掛けよう。
ケミカルひと吹きで改善できることも
ここではリアショックユニット本体に関するメンテナンス実践をリポートするが、「リンクユニット」を装備するモノショックモデルに関しては、リンク周りの動きの良し悪しがリアサスペンション機構全体の動きに大きな影響を与えることも覚えておかなくてはいけない。ツインショックに関しては、ツインショックそのものの動きとスイングアームピボット部分の動き、そして、ショック本体の取りつけ部分の動きに注意しつつ、メンテナンスを実践しよう。ショックユニット本体に関しては、フロントフォークのときと同様に、ロッドの汚れをウエスで吹き上げ、その後にロッドシール付近に向けてケミカルをひと吹きする。その作業後も動きが渋い場合は、ツインショックを取り外し、スイングアームピボット部分がカジっていないか点検しよう。もしもピボットの動きが悪い場合は、分解点検&グリスアップが必要だ。ちなみに、ドライブチェーンが張り過ぎている場合も同様な症状が発生するので要注意だ。リアショック本体を復元する際には、ショック本体を締め付けるボルトやスタッドの受け面にグリスアップを施そう。リアショックが作動する時に、僅かながら摺動するこんな部分の動きのシブサが、リアサスペンション全体の動きの悪さに影響するケースも少なくないからだ。
作業手順を見てみよう!

専用工具の重要性
バイクいじりが3度のメシよりも好きなサンデーメカニックならば、過去に何度かはキャブレターの分解メンテナンスを実践したことがあるはずだ。メンテナンス時には各種工具を利用するが、キャブレターのような「精密機器」をいじる際には、それなりに吟味したハンドツールを利用したいものである。一般的に「締め付けトルク」は決まっており、標準データとしてはM5のボルトで8Nm前後。M6なら10Nm前後。M8なら20Nm前後となるが(もっと細いボルトもありますね)、キャブレターの場合は、細かで精密な各種通路や生産性向上のために混ぜ物(亜鉛など)が入ったアルミダイキャスト製のため、一般的なアルミ製エンジン部品の締め付けとは違い、標準締め付けトルクよりも若干弱めに締め付ける傾向がある。そんな繊細なキャブレターだからこそ、各種パーツの締め付け時には、十分な注意が必要だ。例えば、メインジェットホルダを緩めようとしたところ、あろうことか締め付け座の根元部分から「ボキッと折れてしまった……」といった例もある。また、締め付け部品ではないが、なかなか抜けないフロートピンを抜こうとして平ポンチで叩いたところ「支柱が根元から折れてしまった……」といった例も少なくない。それらトラブルの原因は、おそらく以前に分解されたときに、勢い余ってチカラ強く締め付けられていた=完全なるオーバートルクが原因だと考えられる。メインジェットの締め付けなども同様である。レース用バイクのオーナーやエンジンチューニングファンは、キャブセッティング時にメインジェットを交換する機会が多いと思うが、このメインジェットの締め付け時にゴツイ工具を使っていないだろうか? 写真のツールは、メインジェット交換専用の商品である(ポッシュフェイス取り扱い)。仮に、このジェット交換時に6mmのメガネレンチを使い、グイッと締め付けると、それはもう間違い無くオーバートルクになってしまう。しかし、この専用工具を使い「指先の力」でクイッと締め付ければ、オーバートルクになる心配も少ない。メインジェットを交換しようと思ったときに「ジェットホルダーやニードルジェットごと外れてきた!?」といったときには、間違いなく締め付けトルクが強過ぎると考えられる。そんなことが続くと、後々大きなトラブルになり兼ねないので注意が必要である。ちなみに、マイナスドライバーを利用するタイプのジェット類の場合は、専用のキャブドライバーやグリップ部分が細身のドライバーを利用すれば、オーバートルクの心配を減らすことができる。



迫る山並みが雄大な林道西名栗線。有名な林道大名栗線より見晴らしを楽しめる。路面も走りやすく、小型の4輪も走っていた。ところで、林道で見かけたハンター達が狙っていたのは、いったい何だったんだろう?
奥武蔵の玄関口飯能市。美しい西川材の郷と言われ、県道70号を西へ走っていると製材所や材木屋が目を引く。都心から約50kmと近いながら、その場所は東京とはかけ離れた静けさだった。東京都青梅市と埼玉県秩父市を結ぶ県道53号にぶつかると右折。「名栗温泉 大松閣」の看板が立つ分岐①を、大松閣を目印に進んでいく。湯基入の沢沿いに、林道大名栗線の入口までは1本道だ。
少し走ると眼下に名栗湖を見渡し、やがて東京と埼玉の県境山嶺近くを走る。奥武蔵の山々を遠望し、広々とした風景の中を走る。途中、小さな崖崩れが数箇所あるけれど、約23kmのダートは爽快そのものだ。林道の出口はブラインドコーナーのT字路。ここを右に下り、いくつかコーナを抜けると、標柱が立つ林道西名栗線に入る。目前の山並みが雄大で、エンジンを止めて崖から眺めていると、4駆が2台走っていった。林道西名栗線は依然開設工事中だ。開通を楽しみにして、炭谷入林道を経由し名栗集落に抜けた。
次は青梅市に進路を取り、国道411号で奥多摩町に入る。奥多摩町役場を過ぎ、弁天橋手前を左折し上がっていく。この道は鋸山林道だ。ハードなダートとして知られていた鋸山林道も今は舗装路だ。やがて林道標識もない林道井戸入線との分岐点⑦に着く。走り始めると、眼下に多摩川と奥多摩の町並みが見えてきた。都会から約50kmで自然へトリップ。日帰りでリフレッシュできるツーリングコースです。

東京都の癒しスポット奥多摩にある林道井戸入線。ピストンが多い東京の林道において、通り抜けられるのはうれしい。斜面に延びる林道で、見晴らしの良い尾根を走る所もある。奥多摩湖の西側で展開する林道をルートに追加するという手もある

登山でも人気の林道大名栗線。林道の途中、左斜面で登山者が手を振っていた、私も走りながら手を振って挨拶をする。ともに自然の中で、遊ばせてもらっている。名栗の山が、そして自然が好きという気持ちはいっしょだ
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名栗渓谷に建つ日帰り温泉施設「さわらびの湯」。スチームサウナ、打たせ湯、デッキ露天風呂。目前に迫る山を眺めながら湯につかれる。休憩室もあり、お弁当の持ち込みもできるのがうれしい。石けん類・ドライヤー有り。
営業/10時~18時(GW、夏休み、紅葉期間は19時まで)
入浴料/大人800円(3時間)
定休日/第1水曜日(祝日は営業)
住所/埼玉県飯能市下名栗685
電話/042-979-1212
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国道442号線沿いにある鯛生金山(たいおきんざん)。2002年のサッカーワールドカップで、カメルーンのキャンプ地として注目を集めた中津江村にあります。所在地は大分県ですが、熊本からのアクセスも良好な道の駅です。南阿蘇から約90分、久留米ICからも約90分、菊池から約60分で到着します。
自然に囲まれたのどかな風景は、東洋のスイスと呼ばれているらしいです。道の駅の物産コーナーは、きのこやみかんなどの農産物が中心です。また、ケビン(一戸建ての宿泊棟)やオートキャンプ場を備えた「鯛生家族旅行村」というエリアもあるので、家族連れのキャンパーも訪れているようです。
一番の見所といえば、道の駅に隣接されている地底博物館でしょう。昔の金の鉱山跡の中に当時の作業風景(人形を使い)などを展示しています。今回は入りませんでしたが、坑内は一年中14℃に保たれているため、夏に行った時は最高に涼しかったですよ。
また、金づくしのお土産は見ているだけでも楽しくなります。あらゆるものに金箔がまぶされ、パッケージもゴールドばかり。店内が光り輝いていました。
所在地 /〒877-0302
大分県日田市中津江村合瀬3750
路線名 /国道442号線
電話番号/0973-56-5316
定休日 /1月1日
(2月5日~2月9日
施設内安全確認作業のため休館)
営業案内/[鯛生金山本館休憩所]9:00~17:00(3~11月)
10:00~16:30(12~2月)
[宿泊施設]
チェックイン 15:30 ~ チェックアウト 10:00
スーパーバイク直系の血脈を持つ
生粋の過激なストリート仕様
09年にデビューを果たしたストリートファイターは、水冷Lツインを搭載するネイキッドバイクだ。
もちろんベースとなっているのはドゥカティ・スーパーバイクの1098だ。しかしただカウルを取り去っただけではなく、キャスター角を24.5°から25.8°へ、スイングアームを35mm延長し、その結果としてホイールベースは1430mmから1475mmと45mmも長くなっている。
さて、その乗り味はいったいどんなものに仕上がっているのか。
ここではあくまで一般的なライダーの視点からのストリートファイターのファーストインプレッションを…という趣旨で、DUCATI BIKES編集スタッフたちがストリートファイターだけではなく1198とMONSTER 1100 Sという3車種を同時に試乗。
その上でストリートファイターの素性に迫るべく、本音で語り合ったのだ。
山下剛(以下山下)●我々3人は御殿場のワインディングとその往復でそれぞれストリートファイター(以下SF)とM1100S、1198の3車種に乗ってみた。それぞれの印象を語ってみますか。じゃあ、まずはSFに乗った初印象から話してみましょうか。
小松男(以下小松)●思っていたのと曲がる感じが違ってた。もっとバコンバコンと曲がってオーバーステア気味になると思ってたけど、思ったよりもフロントが外へ逃げていっちゃう。
山下●俺の印象もそんな感じだった。端的に言うと「曲がんね~」。
小松●曲がらないわけではないんだけど、曲がり方がわかんないって感じ。
山下●そうそう。思ったよりもヒラヒラと走るバイクじゃないんだね。高速道路のレーンチェンジでも、ハンドルとステップに荷重かければクイッといけるかと思っていたら、そうでもなくて、意外とドッシリしているというか。
TOMO(以下T)●元気なんだけど、スパスパって走る感じでもなくて、ドカンと行くバイクかな。
小松●速く走ろうとかガンバって走ろうとすると曲がり方がわからない場面が多くなってくるんだけど、タラ~ンと流して走るようなペースだとすごく気持ちよく走れますよ。とくに緩やかなコーナーが連続するワインディングの上りがそうでしたね。エンジンはスパルタンで、いい印象でした。
山下●というと?
小松●1198と比べると、SFのエンジンはトルク感があるというか、アクセルを開けたときのツキの良さがありましたよ。どちらかといえば、1198がモーターみたいにビューンと回るのに対して、SFはダカダカダカッていう感じ。
山下●ツインらしさが強調されたエンジンってこと?
小松●だいたいそんな感じ。
T●私もそう感じたんだけど、そのせいで却ってギクシャクしちゃう場面もあったなあ。うまくスピードと合わせられるポイントがなかなか見つからない。そのへんは1198が一番わかりやすかったな。M1100Sはそれほど神経質にならなくても乗れちゃう。
山下●あー、それはわかる。1198はコーナリングが愉しかった。
T●でも1198は勘違いをしてしまいそうな気もした。
小松●「私、乗れてる!」みたいな勘違いってこと?
T●そう。乗りやすいし、速くカッコよく走るための乗り方もわかったような気になるんだけど、そう思っちゃうと「オマエなんかまだまだだよ」って言われて痛い目を見そう。
小松●M1100Sにもそういう面はあるけどね。
T●うん。M1100Sだともうちょっと低いところで扱えてる感じにさせてくれるけど、1198はもうちょっと上のところで乗れてるって思わせてくれちゃう。
小松●なるほどね。じゃあSFは?
T●そういう気にもさせてくれない。会話が成り立たないというか、言語が違うというか(笑)。
小松●ダメなものはダメと言ってくれる。それはある意味、SFのやさしさなんですよ。
山下●めんどくさいヤツだな(笑)。俺はもっとわかりやすいやさしさが欲しいよ。
T●甘えてばかりじゃ大人になれませんよ(笑)。
小松●そこがSFのおもしろいところなんじゃないですか。そうして走り方を少しずつ探っていって、自分のものにしていく。
T●その先にはすばらしい世界が待っているのかな。
小松●それはもう至高の世界ですよ、きっと。
山下●要はツンデレってこと?
小松●うーん、違うと思うけど、その言い方がわかりやすいならそれでもいいです(笑)。
山下●ふーむ、SFのツンデレ的印象はハイパーモタード(以下HM)でも感じられたんだよね。HMは鍵のかかったドアをどう開けようかって感じだったけど、SFはドアノブのないドアに出会った気分だった。
小松●それは言い過ぎでしょ(笑)。うちのウェブチームのメンバーは、SFは乗りやすいバイクだって言ってたし、ドゥカティのディーラーマンにもそういう意見は多いですからね。
山下●同じバイクに乗っているのに、「乗りにくい」という意見と「乗りにくい」という意見に分かれるのはどうしてだろう。
T●賛否両論、まっぷたつ。そういう意見が出るってことは「いいバイク」である証拠でもあるとは思うんだけど。
楽してカッコよくなんてなれない
小松●推測ですけどね、たぶん「乗りやすい」と感じた人たちは、SFに対してとても素直に接した人だと思うんですよ。ドゥカティってやっぱり敷居が高いじゃないですか。外車だし、すごく速いバイクを造るメーカーだし、ビギナーや腕に自信がない人にはとても扱えるシロモノじゃないというイメージがありますよね。
山下●たしかにそういう一面はあるね。
小松●そういうイメージを持ちながらSFに乗ってみたら、そんなことはなくて、一般ライダーでもそのスゴさ、おもしろさを感じられる。こんなカッコいいバイクを走らせることができる、という喜びを素直に感じた、と。
山下●反対に、俺たちのように「乗りにくい」と感じたのは、そういうドゥカティを「乗りこなしてやろう」とか「乗りこなしてみたい」というスケベ心があったから?
T●私はスケベじゃない!
小松●言葉が悪いですよ。スケベ心というよりも欲望、積極的で前向きな気持ち、といったところじゃないですか。
山下●なるほど。でも乗りこなすほどのテクニックがないから打ちのめされる。で、「乗りにくい」と短絡的な結論を出してしまう、と。
小松●でも僕たちだって打ちのめされっぱなしじゃないじゃないですか。TOMOちゃんはさっき「会話が成り立たない」と言ってたけど、たとえば母国語以外の言葉を知らない外国人同士だって、ニュアンスを伝えることはできるわけですよ。ひとつひとつ探りながらモノにしていく、その過程は充実したものになるし、手応えがあったときの喜びは素晴らしいんですよ。
T●エンジンの話をしたときに、トルク感があるからギクシャクして難しいと言ったけど、とっかかりはそのへんにありそうな気がする。
小松●ダカダカダカッて回るし、それがツインらしさでもあるから、その鼓動を愉しむだけでもいいのかもしれないけどね。
T●でも、そこを上手にコントロールすれば、SFの走り方が変わってくる。
小松●ちょっと雑に扱うとギクシャクするということは、繊細なアクセルワークをすればSFはカッコよく走ってくれる。そこがおもしろいんですよ。バイクの愉しさの原点じゃないですか。できないことをひとつずつ達成していくのは快感です。
山下●マゾだねぇ。
小松●この人はまたそういうこと言う(笑)。楽なことばっかりしてたら、見つからないものもあるんですよ。だいたい、苦労しながら目標を達成することとマゾとは意味が違います。
山下●確かにそうだ。カッコいい人はカッコいいからカッコいいのではなくて、カッコよくいようと常に心がけていて、人知れず苦労しているからカッコいいんだしね。
T●楽なものがいいんだったら、わざわざタイトなスカートを着ようとも思わないし、ハイヒールを履こうとも思わない。男の人はわからないだろうけど、ハイヒールを一日中ずっと履いていると足が痛くなってくるし、とても疲れるものなのよね。
小松●でもカッコいい女の人はそんな愚痴も文句も言わないし、素振りも見せない。
山下●なるほど。SFを乗りこなそうと思ったら、ライテク云々もそうだろうけど、それよりも前にそうした「カッコよくバイクに乗りたい」という乗り手の姿勢というか、そうした心構えが重要ってわけね。ファッションとかスタイルと言い換えてもいい。
T●バイクって基本的にはそういう乗り物よね。そう考えると、SFにはシンプルな愉しさを最新ファッションで包んだバイクといえるのかな。
小松●楽してカッコよくはなれないわけですよ。それが通用するなら、誰もハイヒールも履かずミニスカートも着ず、みんながジャージで街に出かけるようになる。
山下●体育祭かっつーの(笑)。そんな色気のない街には誰も行かない。
T●繊細なアクセルワークとかブレーキングとか、SFが気持ちよく走るためのライディングテクニックを覚えていけば、カッコいい走りが自然とできるようになってくる?
山下●苦労するなあ。
小松●楽したいんならスクーターに乗ってればいいの!
山下●ま、そりゃそうだ。そうやって考えると、ストイックなバイクを創るドゥカティのラインナップの中でも、もっともストイックなモデルがSFということもできるね。
T●ストイックな分だけ、カッコよさもより際立っている。
小松●甘くないし、ヌルくもなければユルくもない。でもスキルフルなライダーのためだけのバイクでもない。
山下●その世界に誰でも入れるほど間口は広いけど、奥は狭まっていてそこに行くには相応の苦労がある。その世界の中心には最高の愉悦がある、と。
小松●SFはいかにもドゥカティらしいネイキッドといえるでしょうね。
ライダーを異世界へと導く
ライフスタイルツール
多くのライダーをひとめ惚れさせるスタイリングは、ドゥカティのデザイナーとエンジニアのパッションを形にしたものだ。そのルーツは車名が表すとおり、1970年代終盤から80年代にかけて北ヨーロッパの裏道で起こった“ストリートファイター”スタイルである。普通のバイクに先鋭化カスタムを施してスポーツバイクを創り上げるのではなく、スーパーバイクのフェアリングを取り去って、ハイパフォーマンスなネイキッドスタイルにする文化が発端だ。
マテリアルとなったのは、ドゥカティのプライドでありアイデンティティであるスーパーバイク、1098である。だからといってもちろん、カウルを剥ぎ取っただけの単純な仕事ではない。カウル内に収納されていた各補機類を、ルックスを妨げることなくデザインするのは当たり前のことだが、キャスター角を24.5度から25.8度と11.1度、スイングアームを35mm延長、その結果ホイールベースは1430mmから1475mmへと45mmも延長して、走りの特性をスーパーバイクから“スーパーストリートバイク”へと変貌させるとともに、クールなスタイリングも実現している。
ドゥカティはストリートファイターのプレスリリースに、こんな一文を記している。
『ドゥカティのモーターサイクルは単なる移動手段ではない、ライダーを異世界へと導くライフスタイルツールである。さらには自身のキャラクターの延長であり、究極の自己表現でもある』
ストリートファイターのルックスを見てパッションを感じるとすれば、それはストリートファイターを見つめているライダー自身であり、その投影である。ドゥカティはそう言っている。つまり、ストリートファイターは、ライダーの感性に情熱があるかどうかを試すリトマス試験紙の役割も果たすのである。
Sバージョンの前後サスにはオーリンズ、前後ホイールにはマルケジーニ製鍛造アルミホイール、カムベルトカバーとFフェンダーのカーボン化、DTC(トラクションコントロール)とDDA(走行データ解析)を備え、価格は219万円。これらの装備が簡素化されるノーマルは179万円となっている。

価格(消費税込み) = 245万円
水冷Lツインエンジン「テスタストレッタ・エボルツィオーネ」を搭載するネイキッドバイク。スーパーバイク直系の性能を受け継ぐ、公道最強といっても過言ではないバイクだ。
■エンジン型式 = 空冷L型2気筒 2バルブデスモドロミック
■総排気量 = 1,098cc
■ボア×ストローク = 104mm×64.7mm
■最高出力 = 78kW-106HP/7,000rpm
■最大トルク = 106.4Nm-10.9Kgm/7,000rpm
■トランスミッション = 常時噛合式6速リターン
■サイズ = 全長2,120×全高1,114mm
■シート高 = 840mm
■ホイールベース = 1,475mm
■乾燥重量 = 167kg
■タンク容量 = 16.5L
■Fタイヤサイズ = 120/70ZR17
■Rタイヤサイズ = 190/55ZR17
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!