ドゥカティ | DUCATI モンスター796 | Monster 796

車輌プロフィール

空冷2バルブのLツインエンジンを搭載するようになった、2008年からの新しいモンスターシリーズ。モンスター696に始まり、翌2009年の1100/Sに続き、2011年モデルでは、モンスター796が登場した(発売は2010年)。既存のモンスター696用エンジンのピストンストロークを、57.2mmから66mmに伸ばすかたちで得た803ccの排気量は、(696との比較上)ロングストローク型になったこともあり、低中速回転域での扱いやすさが向上。エンジンはモンスター696からの発展型なのに対し(796はオイルクーラーを装備)、車体はモンスター1100に近く、リアスイングアームは、モンスター1100ゆずりの片持ち式を採用。また、リアタイヤもモンスター1100と同じ180mm幅だった。ミドルモンスターらしい親しみやすいパワーユニットと、ドゥカティスポーツらしい軽快なスタイリングをバランスさせた、いわば、良いとこ取りのモデル、それがモンスター796だということができた。2014年モデルまでラインナップされた。日本市場向けモデルには、ABSが標準装備された。

ドゥカティ Monster 796のユーザーレビュー・写真
 
Monster696→796の乗り換え

満足している点

Monster696(2010)から796(2013)への乗り換えです。空冷Monsterを新車で手に入れられる、おそらく最後のチャンスだったので、思い切って購入しました。ディーラーで聞いたところ696から796に乗り換えた人は初めてとのことで、オーナーとして両方に接している珍しいケースだと思うので、中古で2008~2014のMonster696または796を検討する方の参考になればと思い、両車の比較を中心にレビューします。

796には大満足で、個人的に696で僅かに物足りないと感じていた部分が全て解消されて、自分には796がフィットしました。ただ、客観的には696ならではの美点もあり、どちらを選ぶか非常に悩ましいところです。一言で言うと696は「排気量にゆとりのある力感豊かな中型車」で、796は「軽量コンパクトで排気量ミニマムの大型車」という感じです。要素ごとの差は僅かなのですが、オーナーとして接した全体感としては、その僅かの差の中に中型車と大型車のちょうどスレッシュがある感じがします。

まずハンドリングですが、車高とタイヤサイズの違いで両者の乗り味は少し違います。車高が30mmほど高く車両姿勢がやや前傾していることもあり、前後のバランス、長さと高さの関係も796の方が普通の感じ。796はリアのリバウンドストロークがあるので、前方向へのピッチングがありますが、むしろ自然な感じです。タイヤが太いので、安定感と軽快感のバランスが取れており、挙動の俊敏さは常識的な範囲、696ほどのシャープさはありません。乗り心地も796の方が若干ですが良くて、ラグジュアリー寄りです。

696はリアのイニシャルを1回転くらい締めたくなるので、結果としてリバウンドストロークを殆んど確保できず、前方向へのピッチングを利用しづらいです。代わりに、ひらひらとした軽快さ、カミソリのような切れ味が際立っています。横へのリーンを主体にコーナリングを組み立てる感じで、必要最小の制動でコーナーに進入する小型車的な走りになり、それが696の性格を決める大きな要素になっています。前後両輪で旋回を開始して、早目にアクセルを開いてリアステアに持ち込む感じのコーナリングは、凄く楽しいし上達への糸口にもなると思います。696がリファレンスバイクと言われるのも納得できます。鋭い切れ味を求めるなら696、普通のバランスを求めるなら796だと思います。

不満な点

696でも796でも不満と言うほどの不満は、まずありません。DUCATIならではの官能的な満足感に包まれます。比較論を続けます。移動目的で首都高を走ったり、ソロツーリングなどで何気なく走った場合、ややゆっくりになるのは796の方です。696の方は「つい飛ばしたくなる」性格で、気づくとアクセルを開け気味に元気よく走ってしまっています。796は「のんびり走っても気持ちいい」感じがあり、気づくと幾分まったり走っていたりします。どっちも至高と思えるほどの気持ち良さですが、気持ちいいツボが少し違っています。

この違いは、上述のハンドリングと、もうひとつギア比が大きな要因になっています。696でもマルチシリンダー車から乗り換えるとギア比が高いと感じますが、796はそれよりもさらに15%もファイナルが高いです。排気量アップに伴うトルクアップ(ちょうど15%くらいアップしてる)を全てギア比のアップに充てることで、796は大型車っぽい性格になっています。ギヤ比はエンジンの性格にマッチしていてチグハグには感じませんが、力感という意味ではトルクアップがギヤ比アップと相殺する感じで、法定速度内で普通に走ったときの「速さ感」は両車でほぼ同じくらいの印象です(十分に速いですが)。

またエンジンの低回転域が使えない感じについても、概ね同程度です。どちらもノーマル状態だと3000回転未満はスナッチングが発生して、ほぼ使えないです。内圧コントロールバルブを追加すると、空冷っぽいガシャガシャする情緒が薄れる(かつトルク変動に伴う振動は増える)代わりに、2500回転くらい(低いギアでは2000回転くらい)まで何とか使えるようになります。そして796も幾分か回したくなる性格になります。

796のノーマル状態は概ね90km/hくらいにならないとトップに入れられません。なので、首都高とか、郊外の道路などを走る場合に、頻繁なギアチェンジが必要になるのは、696よりもむしろ796の方です。のんびり走れる感じの割に、スピードがちょっと落ちるともうシフトダウンが必要になるのが、796の独特のマニアックさを感じさせる部分です。その代わり発進時には2速か3速までで十分に巡航スピードに達するので、伸びやかな印象になります。なおゼロ発進で半クラッチにやや気を使う感じについては、両者同程度です。「ちょっと気を使うけど、慣れれば問題ない」という程度かと思います。

これから購入する人へのアドバイス

まず足つき性を気にする場合は、696だと思います。「大差ない」という記事もありますが、所有してみるとこの3cmは大差に感じます。どっちか悩む場合は、両方に跨ってみた方が良いです。それから中級者くらいの方が上達を目指す場合、その道具としては696の方が優れているかもしれません。RIDERS_CLUBの言うリファレンスバイク的な性格です。普通に、楽に乗りたい場合は、796だと思います。696は軽快で俊敏、796は少しゆったりしているので、796の方がパワーがあるからスポーティだろうと決めつけるのは誤解です。

燃費は思ったよりも違いました。車重が大差ないし、ギア比も高いから、燃費も大差ないだろうと想像したのですが、15%以上の差がありました。ガソリン代が気になるほどではないですが、タンク容量が少ないので、航続距離とか頻繁な給油の面倒くささの面で、796はギリギリの感じです。給油口の首元まで満タンにして、警告灯までが200kmくらいです(リザーブがたぶん40kmくらい)。

あと、ブレーキの効きですが、これは年式の違いによるものか車種の違いによるものか不明ですが、696(2010)と796(2013)のノーマルパッドは、まるで別物の印象です。796は普通に効きますが、696の方は中上級者には「効かない」と感じるレベルです。マスターとキャリパーは共通なので、パッドの違いだと思います。スポーティに走るには、フロントのパッド交換がほぼ必須だと思います。796の方はそのままで不安なく走れます。696も高年式のABSの付きは良くなってるかもしれません。

僕自身は、Monster696が初めてのDUCATIで、それまでDUCATIには興味もなかったのですが、696ですっかりMonsterと空冷デスモの虜になり、796の最後の新車(新古)をまた衝動買いしてしまった次第です。DUCATIの水冷に乗ったことがないまま言うのでテキトーな発言ですが「Monsterは空冷でしょ」というのが個人的な直感です。軽量でスリムな車体と、空冷エンジンならではの情緒こそが、Monsterの世界観なんじゃないかなと。水冷マルチばかり乗り継いで来たような方にこそ、空冷Monsterをお奨めします。

(2017追記)慣らしが進んだら燃費が少し良くなり、タイヤをPilot Power3に替えたら、さらに燃費が1割以上良くなりました。今は普段乗りで21~22キロ/リットルくらい走ります。Monseter797が発売されてもなお796は魅力的だと思います。

総合評価: 5
年式:2013年  燃費:一般道:18.0km/L  高速道:20.0km/L
投稿者:オータニ
投稿日:2015-05-31 11:59:50
大好きだったのに

満足している点

全て

不満な点

ないです。

これから購入する人へのアドバイス

1年4ヶ月と10日、16000km over最高に楽しかった。ツーリングよし(長距離でウエスト周りのオートダイエット機能付き)サーキットも楽しい。いい時間を過ごさせて頂きました。渋滞は熱くなって怒り狂うし、メンテナンスにお金もかかりますが、それでもずっと乗り続けたかった。2014年7月25日忽然と姿を消してしまいました。戻ってきてー!

総合評価: 5
年式:2012年  燃費:一般道:15.0km/L  高速道:20.0km/L
投稿者:No.8
投稿日:2014-09-09 12:47:12
初めてのバイク

満足している点

デザイン、これに尽きます。

不満な点

皆さん書かれていますが、エンジンの熱、振動、5速・6速のギア抜け…

これから購入する人へのアドバイス

購入する際には696、1100、さらにストリートトリプルとかなり悩みました。
796の購入に後悔はありませんが、100%の満足もありません。
それはどれを購入していたとしても同じかな。

今なら、MVアグスタブルターレ675を見てから購入しても遅くはないかと。

総合評価: 4
年式:2012年  燃費:一般道:18.0km/L  高速道:24.0km/L
投稿者:ドカモンタス
投稿日:2012-10-12 00:32:55
初めてのイタ車

満足している点

スタイリング&高級そうなパーツ類

120万円+諸経費で乗れるイタリア車。(そんなに高くないのにステータス性があること)

空冷ツインは大分遅いかのと思ってましたが、思ったより結構速い(この前、シグナルダッシュでカッ飛んでったR-1に直ぐ追いつきました。)

やっぱりデスモLツインのエンジンフィールはなかなか面白い。

Lツインはギクシャクして乗りにくいとも言われる事が多いが、そんなじゃじゃ馬を乗りこなす快感は他ではなかなか味わえないと思う。

因みにギクシャク感は回転数を合わせて、アクセルのオンオフを丁寧に操作する事により、スムースに走らす事が可能。

ギクシャク感がどうしても気になるのならば、内圧コントロールバルブを装着する事により大分改善されるらしい。

それらが気に入らないのであれば、他のバイクを買えば良いと思う。

排気量の803ccの割に軽い車体。400ccクラスのような軽快な取り回しが出来るのにリッターバイク級の加速感がたまらない。

街中を走れば、熱い視線を感じられる。

分かってる国産の同クラスのバイク乗りの人と並んだりすると、道を譲って貰えたりする。

逆にあまりよく分かってなさそうな国産の400ccクラスのバイクの人がこちらの車体サイズを見て挑んできたりしても、余裕でカッチギる事が出来る(勝負する必要もありませんが。)

二人乗りがそこそこ快適である。

最初、ダサいと思っていたヘッドライトも見慣れると新しくてカッコ良いライトに見えてきた事。

ノーマルでもそこそこうるさい排気音(そのウチマフラーは変えますが。)

その気にさせるポジション。

ギアの食い付きが良い。

気分によって着せ替え可能なカウル&タンク類。(財布の中身が必要)






不満な点

後ろが全く見えないミラー。(そのウチ交換予定)

ミラーが左右に飛び出し過ぎている為、すり抜けに一苦労。(このままでは、そのウチミラーが原因で何らかの事故を起こす可能性が非常に高いと言える。)

前に乗っていたバイク&現在乗っている車にはHID(キセノン)ヘッドライトが付いている(付いていた)ので、純製のヘッドライトでは、やはり少し暗く感じる。(HIDもそのウチ取り付け予定)

車載工具を入れるだけで、一杯のグローブボックス。(既に一回り大きい社外アンダートレーに交換済み)

パーツ類が比較的高額である。

4000回転前後、100Kmくらいで、嫌な振動を感じる。

国内の一般道で、美味しい回転数を味わいたいと思うとせいぜい4速位にまでしか入れれない。(だからと言ってこれ以上小さい排気量のバイクに乗る気は今のところ無い。)

多くの人が憧れるバイクメーカーのバイクだけあって街中に数時間置きっ放しでのお買い物や、映画鑑賞など、国産車でならばやってのけれそうな行動が心配で出来ない。(まぁそれは仕方ありません。)

タンクカバーが樹脂製の為、マグネット式のタンクパッドが貼りつかない。(だからと言って鉄製が良かったという訳でもない。)

モンスターを購入しておいてなんだが、やっぱりカウル付きのバイクと比べると、最高速度に限界がある。

サーキットでの話としますが、前に乗っていたトライアンフ・デイトナ955i(カウル付き)は150Kmオーバーでも大分余裕を持って走れましたが、M796は、120~130キロも出すと、アクセルを戻したくなります。

エンジン(パワー的)にはもっともっと走れる余裕があるのに、人間が付いていけません。(私の場合)

まぁ、頻繁にロングツーリング行くならパワー的に、この位の余裕があってもいいと思いますが、それならやっぱりフルカウルが欲しいところ。(じゃあ、ネイキッド買うなって!?)

あと、既に、マフラー外れ、ブレーキペダルのゴムが無くなり、6速100Kmからギア抜け等の症状も出ました。





これから購入する人へのアドバイス

不満点もいろいろ書いてみましたが、パーツ類は交換すれば改善できるし、不具合等もその位のことが起こって当たり前だと思って購入しているので実際は大して不満でもありません。(風圧は予想以上で、計算外でしたが。)

でも、まぁよく言われるように、手の掛かる子ほどカワイイ的なバイクだと思います。

満足でも、不満足でも無いが、コーナリングに若干のコツがいると感じました。

キッカケを作ってやらないと曲がらない感じとでも言うのでしょうか!?

加重がポイントかと思われる。

車体が軽くパワーがある分、自分の限界のコーナリング速度よりもスピードが出すぎてしまっている事が何回かあって、軽くオーバーランしそうになったが、それをコントロールできる様になったらたらオン・ザ・レール。

あと、街乗りではサスが若干固い気がするが、高速での安定性を考えればこんなモノなかと思う。(フルアジャスタブルのサスが欲しくなる)

先日、1000Km点検に出し、オイル交換などしたら、エンジンの角がとれて、とてもなめらかなフィーリングになりました。

あと、購入当初は停車後、ニュートラルになかなか入れづらかったのですが、それも点検後、改善されました。

燃費を書かないとレビューが投稿できないのですが、燃費は計って
なかったので適当に書きました。

最後に、なんだかんだで結構速いので、理性が無いと免許か命のどちらかが無くなります。

総合評価: 4
年式:2011年  燃費:一般道:13.0km/L  高速道:15.0km/L
投稿者:Wes君
投稿日:2011-07-27 18:07:55
愛車

満足している点

ドゥカティサウンド。そしてデザイン。ヒラヒラとコーナーを軽快に曲がってくれる。中速からの激しいエンジン

不満な点

低速のギクシャク感。

これから購入する人へのアドバイス

ギクシャク感も内圧コントロールバルブを装着したら気にならなくなりました。ETCをタンク下に装着したら車載工具は入りません。

総合評価: 5
年式:2010年  燃費:一般道:20.0km/L  高速道:24.0km/L
投稿者:にょうわん
投稿日:2010-11-07 22:16:53
ただいま慣らし中

満足している点

スタイリングに一目惚れしました。

なかなか乗りやすいです。

まだ300kmしか乗ってないので、追々書き込みします。

不満な点

低速トルクが皆無です><

かなりハイギア?かと思われます。

低速での取り回しに気を使います。

これから購入する人へのアドバイス

扱いやすさを言えば国産のがいいでしょうが

ドカには他にはない魅力があります。

まぁ、趣味のものですし気に入ったバイクに乗ればいいかとw

総合評価: 4
年式:2010年  燃費:一般道:18.0km/L  高速道:20.0km/L
投稿者:tabutabu
投稿日:2010-10-30 10:51:34
微妙。。。

満足している点

現在2000キロ。慣らし終了までのこり500キロ。
インプレ再投稿です。

<スタイリング>
やっぱりこれが一番。ものすごくセクシーです。

<ブレーキ>
フロントブレーキがものすごく効きます。
→696でクレーム多発した、リアブレーキからの鳴きがはじめ
ありましたが、最近静かになりました。あたりがついたのかな?

<ショック>
個人的にサスペンションが硬い方が好きなので、◎です。
フロントブレーキをがっしり掛けても、ノーズダイブは少ない
です。
→リアはリバウンド調整ダイヤル付き。現在好きなセッティング
をお探し中♪

<片持ちスゥイングアーム>
VFRが出たときの衝撃が未だ忘れられません。

<二本出しアップマフラー>
ぶっといサイレンサーにもやられました。。
→分っていましたが、サイドバックはそのままでは
付けられませんw

<二―グリップしやすい>
ダミータンクが大きいので、跨って自然に二―グリップ
できます。乗っててとても安心できます。

<かわいいビキニカウル>
意外でしたが、高速130~50キロの巡航は問題なさそうです。
風圧はそれなりですが、カウルがまったくないネイキッドよりは
ましかなぁ。


少し試しましたが、素直な挙動だと思います。
もっとも、他のABS付きバイクに乗ったことがないので、
これが普通なのかどうなのかわかりませんwww

不満な点

<熱>
エンジンの熱が半端じゃありません。
ジーンズ等で乗ると、停車時、熱で燃えそう?だったので、
革パンツ新調しましたぁ☆

<2000rpm以下はまったく使えない>
低速トルクがないのか、ファイナルが高速向けなのか、
発進や小さい交差点の右左折時、エンストしないように
1速の半クラで対応しています。
内圧コントロールバルブを入れれば、かなり改善されるようですよ。※696用を使用

<ギア抜け>
5,6速のギア抜けが多発。
特に6→5速と、高速でシフトダウンして加速、
ってときにギアが入らずニュートラルになってしまうのは、
困りもの。近々クレーム対応してもらうかと思います。

<振動>
エンジンのハンドルへの振動が、ちょうど気持ち良くなる5000rpm
あたりから激しくなって、手が痺れます。プログリップのGEL入り
にすれば幾分改善されるかも。

これから購入する人へのアドバイス

ひと目惚れっていうやつです。
現在、多くの人にとってバイクは車と違って、趣味のもの。
だったら、自分のフィーリングに合ったものに乗りたいですね。

総合評価: 4
年式:2011年  燃費:一般道:20.0km/L  高速道:22.0km/L
投稿者:ともこ
投稿日:2010-09-26 21:07:37