ロイヤルエンフィールド | Royal Enfield コンチネンタルGT650 | CONTINENTAL GT 650
ロイヤルエンフィールドのコンチネンタルGT650は、並列2気筒エンジンを搭載したクラシック「スタイル」のスポーツモデルだった。わざわざカッコ付きで「スタイル」としたのは、ロイヤルエンフィールドは、ブリットに代表されるような、本当にクラシックなモデルを生産し続けてきたメーカーだから。クラシックなモデルたちも、環境への対応が必要とされるなかで、モダンな機構を取り入れてはきたが、コンチネンタルGT650とINT(インターセプター)650は、新開発のエンジンを搭載した正真正銘のニューモデルだった。排気量648ccの空冷並列2気筒270°クランクエンジンは、わずかに前傾して(バーチカル=直立ではない)、スチールパイプのダブルクレードルフレームに搭載され、カフェレーサースタイルのシートを装備していた。前後ホイールは18インチ、ブレーキはシングルディスク式。欧州排ガス規制のユーロ4に適合し、ABSも備えていた。2021年には、ユーロ5規制もクリア。2023年10月から日本市場で発売されたモデルでは、LEDヘッドライトの採用、ハンドル左側スイッチへのUSB電源ポート追加などの小変更を受け、キャストホイールを採用した「ダーク」も設定された。
07月19日
99グー!
おっさんの休日探訪記 40
涼を求めたら肌寒い初夏の高野龍神スカイライン
~じゅにあの復活を待ち望みながら~
早いもので5月の女神のいたずらの大惨事から約3か月が経った。梅雨時期と仕事で忙しい毎日を過ごし、ようやく休みが合ったので久しぶりに「0332R+」と新加入のタカヲ氏を招集。
猛暑を耐えるか。二度寝の誘惑に勝つか。その選択に迫られた夜間活動型で寝坊助の我々。珍しく7時30分という早朝集合という暴挙に出てみた。
眠気まなこを擦りながらバイクに跨る。おそらくメンバーみんなも同じだろう。
走り出すと、朝の爽やかな風が吹き抜ける。当然、気持ちいい。早起きは三文の徳というが、三文分は十分に元が取れる。
海南市から美里を抜けて高野山へ、先頭はイガラー隊長、続いて初心者タカヲ氏、サポート役の副隊長さっちぃ、ケツ持ち役はワタシという隊列でご機嫌に初夏の山中を駆け抜ける。
途中にある掛商店の「やきもち」はマスト。話好きの大将に捕まると1時間は帰してくれないので、そそくさと「やきもち」を頬張り、高野山に上がりそのまま高野龍神スカイラインへ。
途中、霧が濃くなり5メートル先は灰色でまるで異界に迷い込んだかのような幻想的な世界だ。少し霧雨に打たれながら、護摩山スカイタワーに到着。
さっちぃが「雨なんて聞いてへんで」「涼しい通り越して寒いやん」とメッシュのライダースジャケットの下に長袖を仕込む。この時期に「寒い」を体験できるとは思わなかった。
時計の針は10時過ぎを指している。いつもならば集合の時間だ。なんだかとても得をした気がする。三文どころか三十文以上の価値はある。よくよく調べると三十文を現代の貨幣価値で換算すると1200円。ちょうどそれぐらい得をした感じだ。
龍神を抜け、そろそろお腹が空いてきたので「そばと農園 和わく」という、いかにも蕎麦が美味しそうな店を発見。
ワタシは、「初めて行く蕎麦屋で絶対にもりそば注文してしまう病」に罹患しているので、迷わずもりそば2枚とミニ天丼を注文。美味すぎてあっという間に爆食。イガラー隊長とさっちぃ副隊長は、よっぽど寒かったのか温かい蕎麦を注文。
出汁のよい香りが正面から漂う。「出汁、うめぇ〜」と隊長。もりそば病を恨む。次は絶対に温かい蕎麦を頼もう。
蕎麦2枚の誘惑に駆られて、店の軒先で100%美味い手作りプリンが販売されていることをすっかり忘れていた。ワタシの腹にはプリンの入る余力はない。
さっちぃが美味しそうに食後のプリンを店の庭で食べているのを横目に、再び、もりそば病を恨む。
昼飯も食べたし、後は帰るだけ、海南に戻り最後の締めは「日方焙煎所」コーヒー。こだわりが非常に強い店なので外で結構待たされた、イガラー隊長は下界の暑さにやられてぐったり溶けそうになっていた。待ちに待ったコーヒーを一気に飲み干し、それぞれの家路に向かった。
「0332R+」のグループLINEでそれぞれに撮った写真などを共有するが、無事に7月初旬に脱獄(退院)した「じゅにあ」からは音沙汰がない。拗ねているのか、まだ、完治には遠いのか。
近いうちに快気祝いとして焼肉食べ放題に行こうと隊長と計画を練った。
そして、その時に次なる旅の計画を立てよう。猛暑が過ぎ、金木犀が香る頃。そのころにはきっと、じゅにあも隊列に戻ってきているはずだ。
「0332R+」の旅は、まだまだ終われない。
(おわり)
06月21日
108グー!
おっさんの休日探訪記 39
〜いざ天河へ。呼ばれていないかも〜
職場の後輩タカヲ氏。釣りやキャンプにもよく付き合ってくれる遊び相手だが、会うたびに「バイクええでぇ」と布教していたところ、ついに「卒検、無事終わりました」と連絡が来た。
そう、ワタシたちの洗脳が身を結んだ。
しかも免許を取る前から、カワサキESTRELLA 250を契約済みだったらしい。これはヤル気だ。
バイク仲間が増えるのは嬉しいが、問題もある。「0332R+」(幼馴染に近いおっさん3人+女子1名のツーリングチーム)の名義を0342R+にするかどうか、隊長への相談が必要だ。そして何より、厳正なる入団審査が待っている。
そして無事に納車を終えた今日、記念すべき初ツーリングと洗礼を兼ねて、入団審査の第一関門「交通安全御守り」を買うため、いつものお参り先である天河大辨財天社へ向かった。
初心者をいきなり高速に乗せて、横風と速度の恐怖でバイクが嫌いになっては困る。そう考え、きのかわフルーツラインをのんびり流す。
幾度となく行った天川村。ナビなんかなくても楽勝だ。しかし道を間違えてバイク先輩の面子を潰すわけにはいかない。念のためGoogle mapをセットした。
軽快に走りながら、少しの違和感を覚える。
「こんな道、走った事が無い」
車一台分の道幅しかない農道、ヘアピンカーブの連続。
いったい私たちはどこへ向かっているのか…。
空には明らかな雨雲。
呼ばれないと辿りつけない神社が日本には数ヶ所あるらしいと昔何かで読んだ。天河大辨財天社もそのひとつなのか。
「呼ばれていない」のか、ワタシたちは。
そんなはずはない。むしろこっちが呼んでやる。道に迷おうと大雨が降ろうと、絶対に辿り着いてやる。自然とアクセルが開き、前傾姿勢になっていく。
そして、見覚えのある道にようやく出た。安堵する間もなく時計を見ると、予定をかなりオーバーしている。それでも無事に御守りは購入できた。タカヲ氏の入団審査、第一関門クリアである。
「洞川温泉、諦めるか…」
ツーリング中の温泉は格別だが、今日は素直に諦めた。また来ればいい。これからも定期的に呼ばれる、はずだ。
帰りの高速、空を染める清々しい夕焼けに二台のバイクが照らされる。旅の終わりを告げるあかね色の空。少し寂しくなるこの瞬間がワタシは好きだ。
さあ、次は、どこに向かおうか。
(おわり)
05月08日
131グー!
おっさんの休日探訪記 38
〜女神に会えた日に、仲間が折れた話〜
これはすべて真実に基づく話である。
「憧れの聖地のひとつ長野ビーナスラインを走れないか。具体的行程を考えてみた。2泊3日 5月3日(日)から5日(水)早くホテルを押さえなくては…とりあえずホテルをおさえて、行けなくなったらキャンセルするか…」
正月明けの1月15日。「0332R+(幼馴染のおっさん3人とプラス女子1名で結成されたツーリング仲間のチーム名)」へLINEを送り、間髪入れずに、完成された行程表(案)も送りつけてみる。
メンバーの「じゅにあ」からは、「独り言のようなお誘い…オモロイ」と一言。
その日のうちにホテルを予約した。その日からそれぞれドキドキ、ワクワクの日々。
とうとう、その日がやってきた。
5月3日(日)からの予定だったが、あいにくの空模様。事前作戦会議で、宿が取れれば1日ずらす提案がなされた。「ゴールデンウィーク、流石に無理だろうなぁ」と思いながら宿に確認。
電話口から流れる少しご年配と思われる女将さんから「大丈夫ですよ」「8名さま8部屋ですよね」との声。
ワタシ「いやいや3名3部屋ですよ」
そして、年配女将と噛み合わない会話が続く。よくわからなくなってきたので改めて伝える。
「4日から二泊、シングル3部屋3名です!」と老女将に簡潔でわかりやすく伝えて予約を変更してもらい、一抹の不安を残しながら電話を切った。
日程を変更した甲斐あって天候は最高。事前のインカムのセッティング。遅刻者なし、渋滞はほとんどないし、スケジュールはこれ以上ないと言うぐらい順調に運び、残雪が残る日本アルプスが広がる長野県に入った。
「最高だ」とインカム越しにそれぞれが感想を述べ合う。
「こんなに順調で最高だと、モトクルに書くネタ無くなるね」とワタシ。
「それフラグ立ったんちゃう」とイガラー隊長。
「宿、取れてなくて野宿ってオチちゃうか〜」とじゅにあ。
そう、今から考えると、このやりとりが始まりであった。
宿につき、広くないフロントでひとりずつ受付を行い鍵を受け取り、邪魔になってはいけないので、15分後にロビー集合で飯食べに行こうとだけ伝えて足早に自室へ向かう。
夕食は「信州伊那市アルプス食堂」
馬肉に信州おでん、信州味噌のもろきゅう、信州サーモン、おだくり、米も美味い。それと信州の地酒などをたらふく堪能して信州の食文化を楽しんだ。明日からの走り想いを馳せワクワクがとまらない。改めて行程をおさらいし今までの0332R+にはない綿密な計画、完璧だ。
もっと地酒を楽しみたいところだが、次の日に備え早い目に宿に戻った。
宿に戻り大浴場の様子を見に行ったとき、隣の30畳の宴会場で「じゅにあ」がひとり何やら荷物を広げているのが見える。
「こんな所で何をしているのだろう」「ひとりで宴会でもするのか」とおもい、近づくと布団が敷かれてある。
どうやら、このテレビも何もない広い30畳の部屋にポツリと布団ひとつの宴会場が「じゅにあ」の部屋らしい。
話を聞くと部屋が2部屋しか取れていなく、満室なのでこの部屋を案内されたとのこと。
「二泊シングル三部屋、三人だって、電話であれだけ言ったじゃあないか!」と早速フロントのお姉さんに抗議。
フロントのお姉さん「私どものどちらが対応しましたか?」
ワタシ「少し年配気味の女性の方でした」
フロントのお姉さん「あぁ〜そうだっのですね…すみません」と苦笑い。どうもよくあることらしい。
割引もしてくれ二泊目は普通の部屋にしてくれる。野宿は回避でき、寝るだけなので良いとじゅにあが言うので、シングルには変わりが無いのでよしとしよう。
そう「野宿ちゃうんか」と言った「じゅにあ」に見事にフラグが立ってしまったのであった。しかし、それは序章に過ぎなかったことをこの時は誰も知らない。
二日目、予定通り朝5時半から走り出す。しかし、温暖育ちの私たちは、信州の朝を完全にナメていた。ワタシは出番が無いだろうと思っていたが一応持ってきてあった電熱グローブを直ちに着用。じゅにあは、薄手のグローブのみ、このまま走ると指がちぎれそうだとのことで、予備グローブを集めなんとか凌いだ。そう気温は3度だった。
空は雲ひとつない晴天、キリッと冷えた空気に、日本アルプスの絶景が広がる。寒さよりも絶景に圧倒されっぱなしだ。
「→ビーナスライン」という看板。やっと来た来たと一同期待に胸を膨らます。
イガラー隊長は、「ここ日本かぁって言うほどの絶景がまっていると思うんだ」との期待の声。じゅにあは、「ビーナスラインのYouTube動画を観ようと思ったけど、感動が薄れるといけないので観なかった」と
しかし、走り進めるとお世辞にも景色が良いとは言えない普通の山道。
「ここ本当にビーナスラインか?」「事前調べでは、「天空の道」って書いてあったでぇ」とじゅにあの無慈悲な一言。
いつになったら女神が現れるのかは、誰も来たことないのでわからない。
昨日の「アルプス食堂」で膨らませた期待はどこに行ったのか。オロオロし始める3人のおっさん達。
バイクを路肩に停め地図ソフトで確認。
確かに道は間違っていない。
とりあえず走るかと進めると…
目の前に広がる360度大パノラマと青空、雪が残る日本アルプス。そして、遠くにそびえる富士山の山頂。この絶景は忘れることのない光景だ。おっさん3人は、やっと女神に出会えたのだ。美ヶ原高原の絶景と相棒(バイク)。これほど自己満足ができる瞬間はない。
時刻は9時半。次は、安曇野に降りて蕎麦と塩尻のワイナリー、早い目に伊那市の宿に戻り温泉からの早い目の夕食。3日目は5時に出発して駒ヶ根ロープウェイを登り雲海をみる。存分に信州を堪能して、和歌山へ帰宅。と言う完璧な計画。
安曇野に向かう途中。
インカム越しに最後尾を走るじゅにあから
「あっ、ヤバい」「ガガガ、ギギギ、ガキガキ」
プツンーーーーと声が途切れる。
何があったと、すぐにUターンして戻ると、カーブに愛車とともに倒れ込む「じゅにあ」
通りかかった2人のバイク乗りの方が、大声で「大丈夫ですか」「話せますか」「動けますか」と声を張り上げながら、通行する車の誘導を行ってくれている。見ず知らずのライダー達が、すでに交通整理までしてくれていた。その姿が本当にありがたかった。
私たちも直ちに近寄り「大丈夫かぁ」と声をかけるが、「最悪ゃ、足が動かなぃ」とあの大柄なじゅにあには似合わない小さな声で呟く。
只事では無いことを察知し、すぐに救急の手配をして程なくして警察と救急が駆けつけてくれる。
結局、脛骨と腓骨の両方がバギバキに折れて全治3ヶ月の手術が必要な重症。幸い足以外は元気なので不幸中の幸い。
バイクに乗る以上、もしもの時の準備も必要だ。それぞれの書類も共有しておかなきゃなぁと改めて思う。
二日目の昼以降の日程はまだ残したまま、帰り道、ひとつ欠けた排気音が少し寂しい。
それでもきっと、0332R+はまた信州へ戻ってくる。
今度は全員そろって、女神たちに会いに。
(おわり)
CONTINENTAL GT 650
03月29日
116グー!
おっさんの休日探訪記 34
〜おっさん、「ほじほじ」に完敗す〜
朝からワタシの書斎という名の小部屋を片付けていた。釣り、キャンプ、バイク用品などが無秩序に積み上がる、とっ散らかった場所だ。
ピンコンと0332R+の「じゅにあ」から写真つきのラインがやってくる。彼のエリミネーターの右側に超大型サイドキャリアーを自作したとのこと。写真で判断する大きさは、ホムセン箱が縦に2つ詰めるぐらいの大きさだ。彼のエリミネーターには以前から大型のリアキャリアーと左サイドキャリアーがついている。日本一周でもするのだろうか?それとも家出をするのか?彼は一体どこに向かっているのだろう。そして、おそらく、とても走りにくいはずだ。いや、絶対に走りにくい。
片付けをひと段落させ、11時を回っているが気候もいいし、まだまだ、時間はあるので近所を軽く流す事にする。そうだ、桜を見に行こう。
ひとりでバイクに跨り、方向だけ決めて気の向くままに走らせる。自宅から約20キロぐらいの場所にある山田ダムの桜スポットに辿り着いた。
桜は、まだ満開には少し早いが淡いピンクが風に揺れ、花見客がそれぞれのスタイルで桜を楽しんでいる。
ふと気がつくと時計は、とうに12時を回っている。ラーメンにしようか、おしゃれカフェにするか、何を食べるかというテーマで頭がいっぱいになり、花見どころではない。桜はピンク色、ピンクの食べ物は?とひとり連想ゲームをしてみる。
マグロの刺身に行き着いた。
鏡石トンネルを越えて海鮮食堂つなや有田川店へ行き「マグロ中落ちほじほじ」を食べよう。本当にメニュー名が「マグロ中落ちほじほじ」なのだ。
おっさんひとりで、このワードを言うのは小っ恥ずかしい。しかも、席はほぼ満席で逃げ場もない。
勇気を振り絞って「マグロ中落ちほじほじください」と早口で言い切った。
「いま、売り切れてしまって」と若い店員さんが淡々と。
無駄な勇気を使い切ってしまったワタシは、仕方がないので小声で「マグロ満足定食」を注文した。
程よい味付けのカマの煮付け、肉厚の生マグロの刺身、山芋のとろろなど、米がいくらあっても足りない、そう、定食の名前どおり、まんまと満足させられた。
マグロ満足定食を食べながら思う。あの無駄な勇気、返してくれないだろうか。
そして密かに思う。
次こそは、力強く、カッコよく「ほじほじ」と言い切ってやると、満足した腹をさすりながら店を後にした。
(おわり)
03月10日
112グー!
おっさんの休日探訪記 33
〜バイクで冷やして湯で温める休日〜
今日はおそらく、冬装備フルの革ジャンで走れる最後の日。入院から帰ってきた電熱グローブの調子をみるのにもちょうどいい。
以前からチェックしていたライダーズカフェ、奈良県吉野の山奥「オープンカフェ秀」さんへ。私の偏見だが、ライダーズカフェというとバーガーが似合うアメリカンダイナー的な感じだが、「オープンカフェ秀」は少し違う雰囲気がある。
なんせ一押し料理は「鉄板ジュージュー焼きそば」だ。
道沿いのガレージを少し改装した店構え、オープンカフェなので外壁はなく、道路の白線から1メートルもないあたりがもう席になっている。走り去るバイクの鼓動を感じながらコーヒーを頂けるし、吉野杉を運ぶ大型トラックの迫力ある風圧まで楽しめる。
店内のステッカーボードには、たくさんのバイク乗りの証が貼られている。マスター夫妻がバイク好きだから、自然とライダーが集まる店なのだ。
座っていると「今日は寒いやろ。どこから走ってきた?」「こんなロイエン(ロイヤルエンフィールド)あるんやな」とお客さんが声をかけてくれる。仕事の合間に昼食を食べに来ていたお客さんも大型のハーレー乗りとのこと。マスター曰く、その人がバイクで来る時は、二つ前のカーブから厳つい重低音のエンジン音が山々に響きわたるらしい。
マスターがバイク好きなだけでは、バイク乗りは集まらない。気さくさと、どこかアットホームな雰囲気があってこそ、まさにバイク好きが集まるカフェになるのだ。
そうこうしているうちにお目当ての「鉄板ジュージュー焼きそば」が運ばれて来る。そばとキャベツの色を染める濃いめのソース。サムギョプサルぐらい肉厚の豚バラ肉。緑に染まる青のりが全体の味を締める。
そして、水が美味い。
濃くなった口内を天然水が洗い流す。
水が美味いので、食後の珈琲もとても美味しい。
お腹と心を満たしたので、お次は近くの入之波(しおのは)温泉へ。やはりここの温泉は良すぎる。無限に溢れる茶褐色の少しぬるめの湯が身体の芯までじっくり染み渡る。
湯冷めしないようゆっくり休憩室で休んでから、再びバイクに跨り家路に向かう。そういえば、電熱グローブも急に電源が落ちるというトラブルもなく手もとを温めてくれる。
帰宅時間を逆算すると中途半端な時刻になる。このまま帰ればゴロゴロしているうちに夕寝して、夜中に煌々と目が覚めるやつだ。どこかに寄ろうかと思いつつ、気づけば家の目の前に来てしまった。
どうしよう…
もうすでに温泉効果はとっくに切れて、手元以外は冷えている。本日2度目の風呂になるがサウナに行こう。
温泉は身体を癒す場所。
サウナは自分と闘う場所。
家の風呂は身体を洗う場所。
お風呂といっても、種類が違うのだ。
温泉で1時間、サウナを3セットと炭酸泉を2ターン、沸かされてあるお湯がもったいないので家風呂も。
結局、風呂ばかり入っていた休日。バイクで冷やして、湯で温めて、またバイクで冷やして、サウナで温めて。
気づけばM気質の今季最後の冬を満喫していた。
(おわり)
03月04日
111グー!
おっさんの休日探訪記 32
〜英国紳士、アメリカの片田舎へ迷い込む〜
日曜日、朝から県立体育館でイベントがあり「来たよ」という義務だけ残して再び走り出す。特に目的地はないが、気のままに走り、気づけば和歌山北部の海沿いを流し加太淡嶋神社から岬町方面へ。
少し小腹が空いたので、タイミングが合わず行けていなかった、「ROUTE65 cafe」さんで、チーズバーガーとホットコーヒーをいただいた。店内には大きな星条旗が掲げられている。Harley-DavidsonやIndian Motorcycleが重低音を響かせ乗り付けて来そうな雰囲気だ。店員の姉さんたちも片田舎のアメリカンダイナーをイメージさせる。もちろん、バーガーも絶品。
英国にかぶれてハリスツイードのジャケットにBelstaffを羽織っているワタシの対面から一際大きなオーラを放つ大姐さんの視線が刺さり背筋が凍る。おそらくここの店のボスだろう。アメリカンダイナーのど真ん中で、英国の油臭い伝統を羽織り佇む。自意識過剰かもしれないが、少しだけ場違いで居心地が悪い。しかし、「これが私の哲学だ」と英国紳士風ライダーをイメージしながら足を組みゆっくりとコーヒーを味わった。
店を後にしてウロウロと大阪南部にある数件の古着屋を回り、良さげなジャケットがあったが購入センサーが働かず購入を断念。何よりもワタシの財務大臣が許さない。
という、特に何も起こらない近場のウロウロソロツーリング。
雨が降りそうだから乗らない、天気が良いから乗る。そんな日常の中に溶け込んだバイクと過ごす日々。
それは、バイクとともに生きる人々が味わえる豊かな世界。
(おわり)
03月10日
111グー!
おっさんの休日探訪記 31
〜400万の鼓動と大盛りの誘惑〜
3連休、最高気温は21度、午前中は快晴。
走らないという選択は全くない。
皆様からご機嫌なヤェーを頂きながら、そう思ったバイク乗りが全国にいったい、どれくらいいたのだろうとふと考える。
Googleさん曰く、全国で約400万台の中型・大型バイクが保有されているらしい。
400万台と言われてもピンと来ない。
ロサンゼルスが約390万人、ベルリンが約380万人、クロアチアの人口が約390万人。
どうやら都市や国ひとつ分の規模らしい。
しかし、どこも行ったことがない。イマイチよくわからない。
ならば国内で…横浜市の人口が約370万人。中華街には何度か行ったことがある。
それでもやはり、ピンとこない。
そこで妄想してみる。400万台が一斉にアクセルを吹かしたらどうなるのか。
都市ひとつ分の鼓動が、大地を震わせるのではないか。そう思うと、自分もその400万分の1なのだと少し誇らしくなる。
「秋、以来ですね。久しぶりに行きますか」
400万分の2の確率でワタシの想いに応えてくれたのが「よっしぃ」と「さっちぃ」だった。
バイク乗りが愛してやまない好物のひとつが開通道路。少し遠回りになるが、新しく開通した晴天の県道海南金屋線バイパスを爽快に走る。引きたてのアスファルトの感触を確かめながら、排気ガスで汚れていない鏡石トンネルを抜け、再び高速に戻り、田辺市の天神崎へ向かった。和歌山人にとって海は珍しくもない景色なのに海が見えるといつもインカム越しに「海やで〜」と当たり前のことを思わず叫んでしまう。不思議だ。
天神崎では、ダイビングを楽しむ人、磯遊びや釣り人。
引き潮のとき、広大な岩礁が水鏡となり幻想的な光景が現れることから、“東洋のウユニ塩湖”と呼ばれることもあるらしい。
「この美しい景観を後世に残したい」という思いから、ここ 天神崎 は日本で最初にナショナル・トラスト運動が広がった歴史的な場所でもある。
実はナショナル・トラスト運動の起源はイギリス。
相棒が Royal Enfield Continental GT 650 になってからワタシはすっかりエセUKかぶれである。
気がつけば、Belstaff が似合う漢を目指してダイエットなど始めているのだから、単純なものだ。
さっちぃの「お腹空いた〜」の一声で、そそくさと天神崎をあとにする。
途中、渋滞にハマり、半クラで腕を痺れさせながら白浜の「紬カフェ(TSUMUGI CAFE)」さんへ到着。
足を踏み入れると、店内いっぱいにトルコ伝統様式のモザイクランプの幻想的な光。いわゆる映えスポットだ。
窓から水平線を一望できる席を案内していただき、少し雲がかかった海をながめながらメニューに目を通す。
時間はすでに13時過ぎ。渋滞の疲れで冷静な判断力を失ってしまったワタシは、「Belstaffが似合う漢にオレはなる」と誓いダイエットを始めているにもかかわらず、一番人気「タイヨウのケバブライス」大盛りを注文してしまった。
白米とレタスを中心とした野菜の上に、エスニックスパイスが染み込んだ鶏もも肉。オーロラソースが味をまとめる。腹ペコにとって完璧の一皿。スプーンが止まらない。いつものように胃に流し込んでしまった。
ダイエットの誓いはスプーンとともに白浜の蒼海に流された。でも、ワタシらしくて、それでいい。
Belstaffが似合う漢への道のりは、まだ続いている。
明日から頑張る。
400万分の1の小さな誓いだ。
(おわり)
CONTINENTAL GT 650
02月14日
117グー!
おっさんの休日探訪記 30
〜三食外食、ビーナスラインへの序章〜
バイクに乗る時は、何かとテーマを決めて乗るようにしている。
今日は、普段の土曜日と違い10時30分から昼まで会議。ランチミーティング後は、15時30分まで職員研修。2月とは思えない気温。そして快晴。夕方から少しバイクを走らせる予定だ。
午前中の会議まで時間があるので、パン屋さんを併設している「風のとおり道」さんでモーニングを頂く。店内には焼きたてのパンの香りが立つ。それだけでとても優雅な1日が始まる。
朝食を済ませて外に出るとわたしのバイクの隣にビキニカウルの激渋BMW。思わず店内に戻った。忘れ物を取りに来たと勘違いする店員さんを横目に持ち主さんを探す。そして撮影の承諾を得た。
会議を経てランチミーティングという名の単なるランチ会、この店はわたしのお気に入りのひとつ、「精進カフェふぉい」さん。
少し紹介(ホームページから引用)「ベジタリアンのオーナーが自ら考案したオリジナル精進料理をご賞味ください。肉や魚、香りのきつい野菜など五葷を使わないメニューを提供しています」とのこと。迷いなくわたしは、いつも、ふぉいさん一番人気の「薬膳鍋」を注文。オーガニック野菜だけなのに、どうしてここまで深いのか。
スープをひと口すすれば身体の芯から温まる。
二口目は、胃が活発になり、三口目は、体中に血液が巡りわたる逸品だ。
温めて血を巡らせ整った身と心で研修に挑む。講師の熱量と染みわたる内容。情報量が半端なく脳内に流れ込み、情報処理能力が追いつかないところも多々あったが納得の素晴らしい講演内容だった。
一緒に研修を受けたさっちぃと少し加太方面まで流して、夜は「0332R+」の重大決起集会が「中華&韓国料理 三幸」さんで執り行われる。
議題は「聖地、憧れのビーナスライン走破」について。
まずは腹ごしらえ。中華料理をシェアしながら食べる。どれもこれも美味過ぎる。噛めば肉汁が溢れる餃子。箸でほぐれる角煮。マイルドなのにしっかりした味のスンドゥブ。香味ダレが油をさっぱり流してくれるサクサク油淋鶏。ここまで来れば炒飯は間違いない。そして、このクオリティでこの値段。さすが町中華。本来の議題をみんな忘れ、黙々と食べ進め、中華料理に溺れてゆく。
満腹になったお腹をさすりながら、おもむろに隊長がA4用紙をみんなに配り出す。
ビーナスライン行程表だ。
隊長だけが本来の目的を覚えていた。
「さすが隊長いい仕事をする。」
それぞれ春のビーナスラインに想いを馳せ、第二回決起集会の時にそれぞれのしたい事を提案することが議決され閉幕。
ビーナスライン。その名前を口にするだけで自然と沸き起こる高鳴り。三食外食というカロリーとエンゲル係数が高い1日だったが、ビーナスラインへの想いは、今日食べた料理のようにじわじわと心に染み渡っていく。
春よこい。
(おわり)
02月03日
129グー!
おっさんの休日探訪記 29
〜格好だけイケオジ、空振り続きの冬物語〜
今日は特にやることがない、とても暇な休日だ。
しかし、「寒いし家でゴロゴロ映画を観ながら過ごすか」という誘惑には負けなかった。何故ならば、先日、古着屋さんで出会ってしまったBelstaff Roadmasterワックスコットンジャケット。
「かなり、似合っていますよ」
こだわりが強そうなイケオジ店長さんの一撃とスティーブ・マックイーンとチェ・ゲバラが手招きしているような気がして衝動的に買ってしまった。
いつかはBelstaffを手に入れるんだと考えていた。古着屋は一期一会、出会いは大切にしなければ。金は天下の回りもの少々の散財は仕方がない。
いつもの理屈と言い訳だ。
濃いめのジーンズとブーツ、そして、お気に入りの革ジャンの上からワックスコットンジャケットを羽織る。格好だけイケオジ1960年代イギリスRockers、気分だけは完成だ。
軽快に新しく開通した県道海南金屋線バイパス「鏡石トンネル」を走り抜ける。
完全防備なので少しも寒くない。
あれっ?アクセルを握る手が冷たい。電熱グローブの電源が片方だけ消えているではないか、停車し電源を入れ直す。しばらくすると電源が切れる。
停車しては入れ直し、また切れる。数回目でようやく理解した。断線だ。自分へのクリスマスプレゼントと思い買ったばかりなのに…。右手だけでなく心まで冷たくする。
気を取り直し目的の生しらすが食べられる「しらす屋 福扇」さんへ、生しらすは漁に出ている月水金しか食べられない、今日は天気も良いし漁には必ず出ているだろう。そうそう、「0332R+」のメンバー、さっちーの娘さんは初めて生しらすを食べた時「刺身やん」と言ったらしい、とてもうまい表現だ。
朝どれの超新鮮な生しらすと期待を胸に生しらす丼を注文すると「スミマセン、まだ、船が漁から帰って来ていないのです」〜ナンテコッタ。
仕方なく釜揚げしらす丼を食す。当然、美味い。ここの釜揚げしらすが、しらす界で一番美味しいと私は思う。
「やっぱり、しらすは釜揚げに限るのだ」と心の中で呟く、でも、本当は生しらすが食べたかった。
帰り道、電熱グローブを買った2りんかんに立ち寄り「保証期間内だから保証書を持ってきてくれたら大丈夫ですよ」とのこと。
寒い日が続くので電熱グローブは入院療養してもらおう。元気になって帰ってくる頃には、きっと桜が咲いて、もう使う必要がないに違いない。完璧なタイミングだ。
生しらすも食べ損ね、電熱グローブも使えない。Roadmasterだけが無駄に格好良い。まるで中身のない見栄っ張りなおっさんを象徴しているようだ。
(おわり)