スズキ | SUZUKI GSX-S1000GT

新車価格帯(実勢価格)

車輌プロフィール

GSX-S1000GTは、2021年9月に発表されたスポーツツアラーで、前年までのGSX-S1000Fの後継モデル。2021年10月から世界各国で販売が始まり、日本市場では2022年2月に発売された。ベースとなっているのは、2021年にモデルチェンジを受けていたネイキッドスポーツのGSX-S100で、GT(グランドツアラー)の名前の通り、ロングツーリング仕様というところは、前身のGSX-S1000Fから受け継いだところだった。受け継ぐという面では、搭載された998ccの並列4気筒エンジンもそうで、スーパーバイクGSX-R1000(K5)をベースに最適化されたもの。GSX-S1000GTでは欧州規制のユーロ5にも適合していた。ベースモデルが2021年のモデルチェンジにおいて電子制御システムを多く取り入れたのと同様に、GSX-S1000GTにもスズキインテリジェントライドシステム(S.I.R.S.)が採用され、電子制御スロットル(ライドバイワイヤ)、ドライブモード選択(3タイプから)、クルーズコントリール、クイックシフター(アップ/ダウン対応)などが標準採用された。日本向けモデルにはETC2.0車載器も標準搭載された。

スズキ GSX-S1000GTのユーザーレビュー・写真
 
ロンツーメインのオールラウンダー

満足している点

吊るしの状態ではスポーツ走行を楽しむのに最適だが、主体はあくまでロンツーでありその為の装備はオプションありきで設定されているのが珠にキズなものの、本領を発揮した時の快適性は大型アドベンチャーにも比肩する。
エンジン特性はR1000Rの遺伝子を受け継ぐ高回転型で、ツアラー向けに多少トルク寄りとはなっているもののその心臓はまさにレーサー。高回転型と言いつつ、一般道で一万回転も回ることはまず無い。
本機の肝であるTFT液晶モニターによるナビ表示は快適の一言。単純な視認性なら、現状H2SXとの完全2強状態だろう。
その他各種電子制御も充実しており、QSやCC、TCなどツーリングの疲労軽減に大いに貢献してくれる。

不満な点

本機の売りである液晶モニターは、しかしてその実運用上の欠陥を抱えており、とにかく通信接続の不安定さに問題が多い。巷でもあらゆる方策が試行錯誤されているが、公式からの改善に向けたアナウンスは発売から4ヶ月経った今でも一切無く、「今後に期待」以上の感想が浮かばないのが現実だ。
スポーツ走行に関しても、性能を発揮できるのは高速道路が最有力で、峠やワインディングにおける運用はあまり得意とは言い難い。226kgの車重を左右に振り分けるのはどうしても重さを実感するし、ネイキッドで攻めた時のようなワクワク感が沸き上がって来ない。K5エンジンの鼓動感はお墨付きだが、S750やS1000で攻めた時に比べて「コレジャナイ」感を払拭出来ないのだ。逆に新型のS1000は基本設計がGTと同じにも関わらず、峠攻めに申し分ないフィーリングだと言うので、ここはSUZUKIの開発力を素直に認めるべきか。

これから購入する人へのアドバイス

ツーリング性能を発揮するにはオプションの設定が不可欠であることを念頭に、検討された方が良いでしょう。
勿論その上乗せ分の性能は折り紙つき。スポーツツアラーとしての完成度は極めて高いと言えます。ただしスマホ連動機能は要改善。
車重もこのジャンルとしては軽く、大型の取り回しに慣れていれば苦労することは少ないかと。街中での燃費が少々ネックですが、使用用途を選ばずオールラウンドに使える万能さを持っています。

総合評価: 4
年式:2022年  燃費:一般道:14.0km/L  高速道:20.0km/L
投稿者:夜鷹
投稿日:2022-06-25 00:20:43