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中央構造線を辿る −国道152号線−

甲信越エリア(長野県) カテゴリ:自然
2022-05-11 23:36:48 走行日:2022-05-07〜2022-05-07
グー!(7)

中央構造線は、関東から九州にかけて日本列島を横断する長大な断層、大地のズレ目。
国道152号線は静岡県浜松市と長野県上田市を結んでおり、浜松市北部の水窪付近から長野県茅野市までは中央構造線をほぼトレースしている。
国道に詳しい方には知られているが、国道152号線には2カ所、クルマやバイクの通行ができない未開通区間があり、それには中央構造線の存在が深く関わっている。

浜松市中心部からやがて天竜川沿いに北上、分岐して現在は浜松市になっている水窪に到達。
約2時間バイクを走らせてもまだ浜松市内とは、こんな市町村他にあるだろうか?

未開通区間の一つ、青崩峠へ。
とても国道とは思えない第一級の「酷道」を上がっていくとやがて行き止まりに。ここからは歩くしかない。
峠の周辺にはやや青みを帯びた岩肌が露出し、見ただけで崩れやすそう。これが青崩峠という名の由来だとか。
中央構造線付近の地質は脆く、トンネルを掘るのが非常に困難で未だに開通を果たせないのである。

国道は通行不能だが、舗装林道で兵越峠を経由して長野県側との往来は可能、ただしこの林道もしばしば土砂崩れなどで通行止めになる。
事前に確認しないで行くととんでもない距離の迂回を強いられる。静岡・長野県境を往来できる道路はこれしかない。
林道を県境に向かう途中、左側に工事中のトンネルが見える。
一時は技術的に不可能とされたが、峠のやや西側にルートを移して青崩トンネルが現在掘削中、数年後には開通する見通し、峠を挟んだ両県の往来が劇的にラクになるだろう。

兵越峠を境に急カーブ、急勾配に加え狭く路面の状態も良くない険路になり、対向車にも注意しながら慎重に進む。
峠を下ると改修された快走ルートが中央構造線によって形成された谷沿いに続き、やがて飯田市街方面と地蔵峠方面の分岐点へ。

この地蔵峠がもう一つの未開通区間。ここも舗装林道で往来可能ではあるが、現在路面崩壊のため通行止め、復旧には数年かかるらしい。
地蔵峠では大規模な道路改修やトンネル掘削は行われていない、建設が進む「三遠南信道」は地蔵峠に向かわず西に進路を変え、伊那山地を矢筈トンネルで抜ける。
元々峠を挟んだ往来が少ないため、林道の復旧にとどまり、国道としては未開通の状態が続くと思う。

林道が通行止めなので、矢筈トンネルで一旦飯田市街方面に抜けて、県道を迂回して大鹿村に入り、再び国道152号線を進む。
中央構造線博物館に立ち寄る。この建物自体がほぼ中央構造線上にあり、その成り立ちや仕組みなどが学べる。

国道152号線で中央構造線の谷を忠実になぞってさらに北へ進む。
博物館で知ったのだが、中央構造線が地表で観察できる「露頭」があり、立ち寄る。
川沿いの斜面が左右で地肌の色が違っている。この色の境目が中央構造線なのだとか。

道はさらに高度を上げ、伊那市との境にある分杭峠を越える。
ここは「ゼロ磁場」というパワースポットとしてテレビでも紹介され、多くの人が訪れるという。
峠には駐車スペースがなく、道幅も狭いため駐車禁止、行きたい人はシャトルバスに乗り換える必要がある。
自分はパワースポットには特に興味も知識もないので、写真だけ撮ってすぐに峠を下った。

峠を下ると道幅が広がり、中央構造線に沿って快走ルートが続く。
「道の駅 南アルプスむら長谷」で昼食をとった後、高遠の町を抜けて杖立峠へ、峠をやや下ったドライブインからの眺望を期待したが、展望台が閉鎖されていてイマイチな感じ、食事処に入ればよく見えるのだろうが昼飯食べたばっかりなので諦めて茅野市街へ下る。

中央構造線、国道152号線とは今回はここでお別れ、県道をしばらく走って、須玉ICから中央道、中部横断道、新東名で帰路につく。

走行距離:477km
燃費:28.2km/L

青崩峠への遊歩道入口

バイクで来られるのはここまで。
最後の約700mはダートになり、雨水の浸食で荒れてる場所があるので、自信のない人はダート手前の駐車スペースに止めて遊歩道を歩いた方が無難。自分も下りはかなり緊張し、対向車が来ないことを祈りつつ最徐行でなんとか通過した。

青崩峠

遠江と信濃の境。
峠からは中央構造線沿いの谷が望める。
15分ほど余計にかかるが、森林浴がてら舗装路終端から歩いても良かったかな?自分にはあのダートはちょっと怖かった・・。

青崩トンネル

地質調査用のトンネルはすでに貫通し、現在本坑を掘削中。全長は4998mの予定、5000mを超えると危険物積載車両が通れなくなったり、保安設備の設置基準が厳しくなったり色々大変になるとか。
このトンネルによる時間短縮効果は絶大だろう。開通が待ち遠しい。

草木トンネル

元々三遠南信道として使用するため、高規格で難工事の末完成したが、その先の兵越峠下のトンネル掘削が技術的に不可能と判断され、コースから外され市道に格下げされた可哀想なトンネル。青崩トンネルが完成したら、ここを通るクルマはほとんどなくなってしまうだろう。ああ、もったいない・・。

大鹿村中央構造線博物館から見る崩落地

昭和36年、豪雨のあとに山肌の大崩落が発生し、麓の集落に甚大な被害をもたらした。
中央構造線付近の地盤が脆く、地滑りが起きやすいとのこと。

北川露頭

中央構造線の境目を地表でみることができる。左右で斜面の色がはっきり違って、異なる地質であることがわかる。国道沿いに駐車場があり、歩いて3分ほどなので気軽に立ち寄れる。

分杭峠

標高1400mほどの大鹿村と伊那市の境にある峠。眺めはいいが道幅が狭く駐車スペースもないので、長居はできない。
近年「ゼロ磁場」のパワースポットとして注目されてるらしい、自分にはあまりよくわからないがシャトルバスを運行するぐらいだから人気があるみたい。


スポット詳細情報

  • 青崩峠

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