ドゥカティ | DUCATI パニガーレV4 | Panigale V4

車輌プロフィール

パニガーレV4は、1299パニガーレの後継モデルとして、2017年11月開催のドゥカティ・ワールド・プレミア(ミラノショー直前の発表会)で公開された。その特徴は、モデル名が表す通り、V型4気筒エンジンを搭載したこと。851以来のドゥカティ・スーパーバイクシリーズは、「強制開閉バルブのデスモドロミック」「L型2気筒エンジン」「鋼管パイプのトレリスフレーム」を3種の神器としていたが、1199パニガーレ(2012年)からアルミモノコックフレームを採用し、このパニガーレV4ではLツインエンジンも手放したことになる。なお、パニガーレV4用エンジンのVバンク挟み角も、Lツインと同じ90度。なぜL4ではなく、V4を名乗るようになったのかは、エンジンの搭載位置が関係していた。2気筒では、前傾されていたため(横から見ると「L」字型のようだったが、これが後方に大きく傾けられ、「V」字に見えるようになったから。また、1199パニガーレ以来、エンジン本体を構造部材(ストレスメンバー)としていたフレーム構造は、一歩先へ進み、フロントフレームと呼ばれるかたちになった(アルミフレームは、車体の前方とエンジンをつなぐのみ)。新しいV型4気筒エンジンの排気量は、1,103cc。「デスモセディチ・ストラダーレ」と名付けられたのは、2008年に発売されたMotoGPワークスマシンのレプリカモデル「デスモセディチRR」と同じレイアウトのV4エンジンながら、stradale(イタリア語で「道路」。この場合は公道仕様という意)として最適化されていたから。当時のスーパーバイク世界選手権のレギュレーションは「4気筒は1,000ccまで」だったので、1,103ccのパニガーレV4は、そのままレースへの参戦は不可。オーバーした排気量は、公道での扱いやすさを求めたものだった。サスペンションは、フロントがショーワ製、リアがザックス製のフルアジャスタブルタイプで、ヘッドライトがLED化され、さまざまな電子制御装置は、(当時の)最新版へと進化していた。なお、「パニガーレ」という名称は、ドゥカティの所在地、イタリア・ボローニャ州のボルゴ・パニガーレという地名から取られたもの。2020年モデルでマイナーチェンジを受け、パニガーレV4R(2019年)同様の空力パーツ(カウル左右のウイング)を備えた。2021年モデルでは、欧州の環境規制ユーロ5に適合し、トラクションコントロールの制御が向上するなどの変更を受けた。2022年モデルでは、空力パーツ(ウイング)の形状やタンク形状などを変更。出力も向上し、ギア比(1,2,6速)はロング化された。2025年モデルで、欧州のユーロ5+(プラス)規制に適合するためのモデルチェンジを受けた。デスモドロミックによるバルブ開閉のタイミングや、吸気ファネルの可変長などが変更され、新しいフェアリング、両持ちスイングアーム、6.9インチのワイドTFTメーターパネルなどが採用された。

2022年 Panigale V4 ドゥカティレッド(カタログメイン)ドゥカティレッド
2022年 Panigale V4ドゥカティレッド 2022年 Panigale V4(リアビュー) 2022年 Panigale V4(ハンドルまわりイメージ) 2022年 Panigale V4(新形状のウイングレット)
マイナーチェンジ
2022年モデル
ドゥカティ Panigale V4

パニガーレV4の2022年モデルは、2018年モデルでの新登場から、早くも3度目の仕様変更を受けた。2020年モデルから追加された左右の空力パーツ(ウイングレット)は、小振りなものに変更されたが、高速走行時に発生するダウンフォースレベルは同じ。アンダーカウルにはエアダクトが設けられ、排熱効率も向上。シートやタンク後部の形状は、ライダーとの一体化を目的に変更。デスモセディチストラダーレは、最高出力をさらに向上させていた。1速、2速、6速のギア比が高く設定されたのは、たとえばタイトコーナーで1速まで落とすことができるように、最高速度を向上させるため、という目的からだった。その他、電子制御系も大幅にアップデートされた。※日本市場には、2022年の3Q(秋頃)に導入された。受注生産

基本スペック

タイプグレード名 Panigale V4
モデルチェンジ区分 マイナーチェンジ
仕向け・仕様 海外メーカーモデル
全長 (mm) 2105
全幅 (mm) 805
全高 (mm) 1170
ホイールベース (mm) 1469
最低地上高(mm) 130
シート高 (mm) 850
乾燥重量 (kg) 175
車両重量 (kg) 198.5
乗車定員(名) 2
原動機型式 デスモセディチストラダーレ90°
原動機種類 4ストローク
気筒数 4
シリンダ配列 V型(L型)
シリンダバンク角(°) 90
冷却方式 水冷
排気量 (cc) 1103
気筒あたりバルブ数 4
内径(シリンダーボア)(mm) 81
行程(ピストンストローク)(mm) 53.5
圧縮比(:1) 14
最高出力(kW) 158.5
最高出力(PS) 215.5
最高出力回転数(rpm) 13000
最大トルク(N・m) 123.6
最大トルク(kgf・m) 12.6
最大トルク回転数(rpm) 9500
燃料供給方式 フューエルインジェクション
燃料タンク容量 (L) 17
燃料タンク・リザーブ容量 (L) 4.5
燃料(種類) ハイオクガソリン
エンジン始動方式 セルフスターター式
点火装置 フルトランジスタ式
搭載バッテリー・型式 YT7B-BS
バッテリー容量 12V - 6.5Ah 10HR
エンジンオイル容量※全容量 (L) 3.4
推奨エンジンオイル(SAE粘度) 15W-50
クラッチ形式 湿式・多板
変速機形式 リターン式・6段変速
変速機・操作方式 フットシフト
1次減速比 1.800
変速比 1速 2.400/2速 2.000/3速 1.737/4速 1.524/5速 1.364/6速 1.227
動力伝達方式 チェーン
スプロケット歯数・前 16
スプロケット歯数・後 41
チェーンサイズ 525
標準チェーンリンク数 114
フレーム型式 アルミニウム・フロントフレーム
キャスター角 24.5°
トレール量 (mm) 100
ブレーキ形式(前) 油圧式ダブルディスク
ブレーキ形式(後) 油圧式ディスク
ブレーキオイル適合規格 DOT 4
懸架方式(前) テレスコピックフォーク
フロントフォークタイプ 倒立フォーク
フロントフォーク径(φ) 43
フロントホイールトラベル(mm) 120
懸架方式(後) スイングアーム式
ショックアブソーバ本数(後) 1
リアホイールトラベル(mm) 130
タイヤ(前) 120/70ZR17
タイヤ(前)構造名 ラジアル
タイヤ(前)タイプ チューブレス
タイヤ(後) 200/60ZR17
タイヤ(後)構造名 ラジアル
タイヤ(後)タイプ チューブレス
ホイールリム形状(前) MT
ホイールリム幅(前) 3.5
ホイールリム形状(後) MT
ホイールリム幅(後) 6.0
ヘッドライトタイプ(Hi) LED
テールライトタイプ LED
スピードメーター表示形式 デジタル
メーター表示:ギアポジション
メーター表示:燃料計
メーター表示:エンジン回転計
メーター表示:時計
メーター表示:ツイントリップ
車両装備:ハザードランプ
車両装備:アンチロックブレーキ(ABS)
車両装備:走行モード切り替え
車両装備:トラクションコントロール
車両装備:スリッパークラッチ
車両装備:シフトアシスト機構(クイックシフター)