ビーエムダブリュー | BMW R100RT

車輌プロフィール

R100RSの登場によって、BMWモトラッドのイメージは、もはや安全な高速クルージングとは切り離せないものとなっていた。高い耐久性と、可能な限り長い距離を快適に移動すること。それがユーザーから求められたニーズであり、メーカーとしても見過ごせないキーワードとなっていた。R100RSに採用されたフェアリングは、ライダーを風雨から守り、走行時における快適性がズバ抜けて優れていたことは言うまでもない。しかしイメージとして、R100RSはあまりにもハイスピードという印象が強かったのだ。ユーザーニーズはスピードから快適性へと移り、あらゆる自然状況においてもより速く、安全かつ快適に移動できる手段をBMWに求めていた。そしてその答えとして、BMWはR100RTを登場させた。R100RSよりも傾斜のゆるいスクリーン、エアロダイナミズムよりもウィンドプロテクション効果を高めたフェアリングなど、スピードよりも快適性を追求した装備で当時のユーザーニーズに応えたのだ。この装備によって、車重はR100RSよりも4kg増えたが、それに見合うサスペンションが与えられ、BMW本来の走行性能は保たれている。

1987年 R100RT (カタログメイン)
1987年 R100RT
マイナーチェンジ
1987年モデル
ビーエムダブリュー R100RT

ツアラー・モデルとして、フルフェアリング、大型ウィンドスクリーン、左右インテグラル・パニアケースを装備したR100RT。フレームやエンジンはRS同様、外装・装備品の変更によってツアラー的キャラクターを付与しており、ライダーを完全なまでに風雨から守る大型フルフェアリングは長距離走行において快適な居住空間を生み出す。また、低速から力強く発揮されるトルクは頻繁なシフトチェンジを必要とせず、あらゆる速度域でリラックスした走行を可能とし、ライダーにとっては非常に乗り易い設定となっている。初代R100RT(ツインショック)からボクサーツイン特有のサウンドは損なわず、サイレンサー形状の変更による静粛性の向上、エンジンそのものからのメカノイズ、NOx排出量の軽減など、環境性能での変更が見られる。

基本スペック

タイプグレード名 R100RT
モデルチェンジ区分 マイナーチェンジ
発売年 1987
発売月 1
仕向け・仕様 海外メーカーモデル
全長 (mm) 2175
全幅 (mm) 960
全高 (mm) 1478
ホイールベース (mm) 1447
シート高 (mm) 807
車両重量 (kg) 229
乗車定員(名) 2
燃料消費率(1)(km/L) 23.2
測定基準(1) 90km/h走行時
燃料消費率(2)(km/L) 15.1
測定基準(2) 120km/h走行時
原動機種類 4ストローク
気筒数 2
シリンダ配列 水平対向(ボクサー)
冷却方式 空冷
排気量 (cc) 980
カム・バルブ駆動方式 OHV
気筒あたりバルブ数 2
内径(シリンダーボア)(mm) 94
行程(ピストンストローク)(mm) 70.6
圧縮比(:1) 8.45
最高出力(kW) 44
最高出力(PS) 60
最高出力回転数(rpm) 6500
最大トルク(N・m) 74
最大トルク回転数(rpm) 3500
燃料供給方式 キャブレター
燃料タンク容量 (L) 22
満タン時航続距離(概算・参考値) 510.4
エンジン始動方式 セルフスターター式
点火装置 フルトランジスタ式
クラッチ形式 乾式・単板
変速機形式 リターン式・5段変速
変速機・操作方式 フットシフト
動力伝達方式 シャフト
ブレーキ形式(前) 油圧式ダブルディスク
ブレーキ形式(後) 機械式リーディングトレーリング
懸架方式(前) テレスコピックフォーク
懸架方式(後) スイングアーム式
ショックアブソーバ本数(後) 1
タイヤ(前) 90/90-18
タイヤ(前)構造名 バイアス
タイヤ(前)荷重指数 51
タイヤ(前)速度記号 H
タイヤ(後) 120/90-18
タイヤ(後)構造名 バイアス
タイヤ(後)荷重指数 65
タイヤ(後)速度記号 H