ヤマハ | YAMAHA TDM850

車輌プロフィール

TDM850が日本で発売されたのは、1992年3月。欧州市場では91年モデルとして登場し、すでに人気を集めていた「ニューオンロード」モデルの国内導入だった。ここでいう「ニューオンロード」とは、オンロードタイヤを履きながら、サスペンションは長め(最低地上高は高め)で、フェアリングを備えて、市街地(欧州ならではの石畳)からアウトバーン、峻嶮なアルプス山脈などのワインディングロードまでをカバーする多目的でユーティリティの高いモデルのこと。アップライトなライディングポジションと、トルクが厚く、扱いやすいエンジン、ワイドレシオな5速ミッションをはじめ、ツーリングバイクとしての機能性の良さが、TDM850の特徴だった。その扱いやすいエンジンは、XTZ750スーパーテネレ用(749cc)をベースに、ボア・ストロークを拡大して849ccとした水冷4スト並列2気筒DOHC5バルブユニットで、デルタボックスフレームに前傾して搭載されていた。TDM850の特徴的な2眼ヘッドライトを含めたハーフフェアリングはフレームにマウントされた。モデルチェンジは1回のみ。欧州では1996年で、日本では1998年ながら、その内容は同じ(日本向けが遅れただけ)。外観イメージを一新するとともに、TRX850と同じ270度クランク採用のエンジンを搭載し、前後にラジアルタイヤを履いていた。99年のカラーチェンジを最後に、日本ではラインナップ落ちした。後継モデルは、TDM900だが、海外専用モデルとなり、日本での正規販売はなかった。

1996年 TDM850 (カタログメイン)
1996年 TDM850
1996年モデル
ヤマハ TDM850

1995年9月のパリショーで、6年ぶりのモデルチェンジが発表された。270度クランク採用の新エンジンやラジアルタイヤ化など。諸元はオランダ仕様となっている。

基本スペック

タイプグレード名 TDM850
仕向け・仕様 海外向けモデル
全長 (mm) 2170
全幅 (mm) 780
全高 (mm) 1280
ホイールベース (mm) 1470
最低地上高(mm) 160
シート高 (mm) 795
乾燥重量 (kg) 201
乗車定員(名) 2
原動機種類 4ストローク
気筒数 2
シリンダ配列 並列(直列)
冷却方式 水冷
排気量 (cc) 849
カム・バルブ駆動方式 DOHC
気筒あたりバルブ数 5
内径(シリンダーボア)(mm) 89.5
行程(ピストンストローク)(mm) 67.5
圧縮比(:1) 10.5
燃料供給方式 キャブレター
燃料供給装置形式 BDST38 ×2
燃料タンク容量 (L) 20
エンジン始動方式 セルフスターター式
点火装置 フルトランジスタ式
エンジン潤滑方式 ドライサンプ式
エンジンオイル容量※全容量 (L) 4.2
クラッチ形式 湿式・多板
変速機形式 リターン式・5段変速
変速機・操作方式 フットシフト
動力伝達方式 チェーン
スプロケット歯数・前 17
スプロケット歯数・後 42
ブレーキ形式(前) 油圧式ダブルディスク
ブレーキ形式(後) 油圧式ディスク
懸架方式(前) テレスコピックフォーク
フロントフォークタイプ 正立フォーク
フロントホイールトラベル(mm) 149
懸架方式(後) スイングアーム式
ショックアブソーバ本数(後) 1
リアホイールトラベル(mm) 140
タイヤ(前) 110/80ZR18
タイヤ(前)構造名 ラジアル
タイヤ(後) 150/70ZR17
タイヤ(後)構造名 ラジアル