車輌プロフィール

2020年モデルから、MVアグスタのラインナップに加わった「ロッソ」シリーズは、装備を少し簡略化して、リーズナブルな価格を実現した、MVアグスタのエントリーモデル群のこと。ドゥカティにおける、車体色をブラックアウトした「ダーク」相当だと例えれば、イタリア車好きには馴染みがあった。MVアグスタの場合は、「ロッソ」の名の通り、赤がイメージカラー。初年度に設定されたのは、ドラッグスター800、ブルターレ800、ツーリズモヴェローチェ800の3気筒シリーズ3機種。ブルターレ800ロッソは、前後のホイールが最大の「簡略化」ポイント。とはいえ、ホイールのデザインは、ドラッグスター800RRなどと同じ。単に、スポークにフライス加工がなされていないだけ。排気量798ccの水冷並列3気筒DOHC4バルブエンジンは、（RRなどと比較すると多少控えめな）81kWと87Nmを発生していたが、電子制御系のシステムは、同年式の上位モデルと同じ。エンジンモードは4種類（スポーツ/レース/レイン/ユーザー設定のカスタム）で、アップだけでなくダウンにも対応したシフトアシスト機構も備えていた。フロントサスはマルゾッキ製の倒立フォーク、リアサスはザックス製、ブレーキは前後ともブレンボ製で、フロントキャリパーはラジアルマウントだった。2021年に欧州規制のユーロ5に適合するモデルチェンジを受けた。エンジン内部ではコネクティングロッドなどを新設計し、排気系も変更された。外観上は、フルLEDとなったヘッドライトやエキゾーストエンドのデザインが特徴。メーターパネルは5.5インチTFTとなり、クルーズコントロールも装備した。