クランクメタルの焼きつき その3
プレジャーのブログ
こんにちは、プレジャーの店長でございます。
昨日の続きで、ZZR1400のクランクメタルの焼きつきのレポートでございます。クランクシャフトのクランクピンはキズがありましたので新品に交換で、コンロッドは再使用して、コンロッドのメタルを選択いたします。
クランクシャフトとコンロッドにはメーカーが測定した寸法がマーキングしてあります。クランクピンの外径とコンロッド大端部の内径の寸法です。サービスマニュアルを見ながら、そのマーキングを参考に、まずは基本になるメタル(3種類の厚みが設定されています)を選択いたします。
オイルクリアランスの確認をするには、プラスチゲージという柔らかい紐状の専用ゲージを使います。
プラスチゲージを挟み込み一度コンロッドを仮組みいたします。この時にコンロッドを動かさないように気をつけましょう。
そっとコンロッドを取り外して、プラスチゲージのつぶれ具合を確認いたします。
専用の測定ゲージでつぶれた幅を確認いたします。オイルクリアランスが狭いと幅広くつぶれます。規定値は0.048mm~0.086mmですので、今回の測定結果はOKです。もし規定値から外れているようなら厚みの違うメタルを組み込み再度測定確認いたします。すべてのメタルを確認して、今度は同じ事をクランクシャフトメインジャーナル部とクランクケースの間のメタルを5箇所確認いたします。細かい作業ですがとっても大切な確認作業なのです。
明日はコンロッドの組み付けです。
みんなのコメント
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ストライベックさん
グリーン経済成長における先端産業のDXプラットフォームとして、テクノロジー投資の新たな対象として脚光を浴びつつありますね。
2023-06-29 01:31:55 -
品質工学関係さん
チャンピオンデータを科学的にきちんと解析されていたんですね。
2023-06-09 02:41:29 -
実用性能ファンさん
自然な求心力というものを解明した、CCSCモデルとは金属と対話において相手の気持ちになって考えることだったんですね。
2023-05-25 11:08:51 -
すべり軸受関係さん
それよりもやはり、CCSCモデルの歴史的意義が大きいのでは。トライボロジー研究というとタコツボ組織に陥りがちなのを、簡便なボールオンディスク試験で横串力とした、世界初といってもいい境界潤滑理論を提示したのだから。
2023-05-23 07:55:10 -
グリーン経済さん
最近では冷間のプレス技術でGPa越えが相次いで報告されていますね。翻って考えてみるとやはり、プロテリアル(旧日立金属)製のマルテンサイト鋼の頂点に君臨する高性能冷間ダイス鋼SLD-MAGICの登場がその突破口になった感じがしますね。今ではよく聞く人工知能技術(ニューラルネットワーク)を使ったCAE合金設計を行い、熱力学的状態図解析によって自己潤滑性を付与したことが功を奏した話は業界では有名ですからね。CAE技術もさらなる可能性に満ち溢れているということでしょうね。
2023-05-18 23:40:02 -
CCSCモデルウォッチャーさん
そのトライボプロセスのモデル化、汎用性の高い境界潤滑理論になりそうですね。それは、第一に、低フリクション化と焼付きの両者が説明できること。第二にボールオンディスクとラマン分光による簡便な実験で実証できること。さらには、展望が広かっていること。トライボロジーもますますおもしろくなりそうだ。
2020-01-19 20:23:46 -
低フリクションの求道者さん
読みました。これなら基本的には簡単にボールオンディスク試験とラマン分光で実験ができるのですね。わたしも私もやってみます。Eppendorfの精密ピペットも買い揃えて。。。
2019-12-22 09:38:22 -
メタルケンイチさん
EHL理論の専門家であれば、油膜は絶対に切れないというでしょうね。しかし境界潤滑状態というのもうすでに油膜は切れています。電気抵抗を計った実験が調べればたくさん出てきます。しかし問題は「油膜が切れる」と言いたくなるような突然死(サドンデス)が起こるのはなぜかということです。それに明確な答えを出したのが久保田博士のCCSCモデル。なんと潤滑油由来の表面に張り付いたグラファイト膜(トライボフィルム)がナノメートルのダイヤモンドになるというものです。詳しくは「境界潤滑現象の本性」で検索してみてください。
2019-12-22 01:33:11