1968年に登場した戦後初の750ccモデル。戦後経済の復興に伴い、モーターサイクルの生活必需品という位置づけは四輪車に代わり、限られた人のための特別な乗り物になってしまったこと、さらにハイパワーを売り物にした日本製モーターサイクルが市場を席巻しはじめたという時代背景によってBMW製モーターサイクルのセールスは落ち込み、存亡の危機に瀕していた1960年代後半、まったく新しいシリーズとして開発された新世代フラッグシップモデル。新設計のエンジンは、カムシャフトをクランクの上から下に移し、潤滑方式もイートンポンプを使用した高圧の圧送式に進化。ビングの負圧式キャブレターが採用され、電装も12ボルト化された。さらに、当時としては贅沢な装備だったセルモーターも標準装備。フラットツインとシャフトドライブの組み合わせは継承しつつ、新たな時代を築き上げるモデルとして進化を遂げた。