1999年に登場したR1150GSの兄弟モデルとして2002年、BMW Motorrad モデルラインナップに初めて“アドベンチャー”というバリエーションモデルが加わる。エンジン、車体構成ともに大部分をR1150GS共通とするが、6速ギアのみオーバードライブとしていたR1150GSと異なりショート化、R1150Rロードスター同様の設定とし、巡航用に徹したものではなくなっている。アドベンチャーにはより過酷な条件下での長距離走行を目的とした工夫が随所に施されており、燃料補給ポイントを延ばす大型燃料タンク、起伏のある地面や砂利、ぬかるみでも路面を捉えるダンピングシステムをリアサスペンションに初採用し、前後共にロングストロークとなった足回り、優れたウィンドプロテクションでライダーが受ける疲労を低減する大型ウィンドシールドとハンドプロテクター、大型フロントマッドガード、エンジンガード、設置面の広いサイドスタンドなど、じつはR1150GSとの違いはとても多い。オプション装備の専用パニアケースは“冒険仕様”に相応しいもので、専用キャリアシステムの装着により搭載が可能。左右、トップケース合計で105Lもの容量を確保する。それらの装備も手伝ってもともと圧倒的に大柄なボディは、見る者にさらなる威圧感・重量感を与えるが、一度走り出してしまえばファーストクラスの快適空間も与えてくれる。本国仕様ではオプションで1速のスーパーロー、低オクタン価の粗悪ガソリンにも対応するインジェクションシステムなどもある。