東北エリア(岩手県) カテゴリ:自然
2023-06-16 00:22:19 走行日:2023-06-05〜2023-06-05
グー!(26)
朝目覚めると今日も晴れ。ツーリングに出る前の予報を良い方に裏切ってくれてありがたい。
大船渡の宿を勧めてくれたのは夫だった。とにかく食事が旨いと。残念ながら、日曜の夕食は提供していないと知り変えようかとも思ったが初志貫徹。
どうやら朝食を頼んだのは私一人のようだった。申し訳ない気もしたが、7時にお願いしてあったので食堂へ行くと、朝からこの量?と思うくらいおかずが並んでいた。
たっぷりのサラダに大好きなめかぶ。魚の塩焼きは脂が適度に乗っていてふっくら美味しい。
女将さんが出てきて、話をしながら1時間掛けて完食した。
その後も探しものをしたりモタモタしていたら、出発が8時半を回ってしまった。大まかに、どこを何時頃に通れば大丈夫という目安は考えていたが、初っ端から遅れた。
それにもかかわらず、走行中に鷹生ダムの看板を見掛け、ついそちらへと曲がってしまった。頭の中では片道15分、往復30分なら何とかなる、などと計算したのだが、そんなに上手くいくわけがない。
正統派重力コンクリート式のダムで、立派だった。カードを貰うととんぼ返り。三陸道をひた走り釜石市へ。ここの観光案内所でマンホールカードを貰える。駅には、ラグビーの聖地釜石の宣伝がデカデカとしてあり、隣に三陸鉄道の駅もあった。ここも夫のお勧め。できれば乗ってみてと言われたが、ダイヤを見るとそれは難しくパス。
これも後から知ったが、この週末が銀河鉄道の9年の運行最後の日だったらしい。
再び三陸道へ乗ると宮古の道の駅を目指した。本州最東端のトドヶ崎は、実際に行くにはバイクを止めてから片道40分ほど歩かなければならないが、さすがに難しい人もいるだろうと代わりに道の駅で登録できるようになっている。
ついでに、宿でいただいたいわて県の応援クーポンを利用してお土産を購入し、自宅へ送った。
宮古の名物、瓶ドンを食べてみてと勧められていたが、全然お腹が空かない。さらに道の駅では土日祝のみ。申し訳ないが今回はパスしよう。
近くの浄土ヶ浜が地域応援スポットになっていたので立ち寄ると、「昨日、コバルトラインで写真を撮っていましたよね」と、先客のバイクのオーナーに声をかけられた。
あそこにはバイクがたくさんいたから覚えていなかった。
「同じようなルートを走っているみたいですね。今日はこの後どちらへ?」
十和田湖です。
「僕は八戸です。明日は十和田湖と竜飛岬へ行きます」
私も明日は竜飛岬へ行くので、もしかしたらまた会うかも。
その時、浄土ヶ浜の案内人が来て「見ていきませんか」と声をかけてくださったが、時間が無くてお断りした。せっかくの晴天、もう少し早く来ていればと心残りだったが仕方ない。先を急ごう。
宮古から盛岡まで岩手県を横断する。途中で無料の専用道路に入ったり出たりしながら、ようやく盛岡へ着くと、眼の前に岩手山がどんと現れた。イラストの形通りなのが良い。盛岡市内は東北道でパスして八幡平アスピーテラインへ。
本日楽しみにしていた道だ。
以前、関東のブロス友が弾丸日帰りで走っていたが、実際に走るとよくここまで来たなと感心する。
これまた平日のためか時間的なものか、貸し切りでグングン上っていく。途中で湯気が見えたので、温泉かなと思ったら地熱発電所だった。
さらに高度を上げると、回りに雪が見えてきた。太陽のお陰でそこまで冷えないが、やはり寒い。頂上付近かと思われる場所に建物が見えた。手前に車がたくさん止まっているところを見ると有料駐車場だろう。構わずバイク用の場所へ止めた。200円なら、下手な坂道や砂利道へ止めるより安心だ。
お金を払いに料金所へ行くと、お姉さんが「今日はドラゴンアイがよく見えますよ。昨日は霧で見えなかったけど」と言う。
ドラゴンアイ? 何ですか、それ。
「これですよ。さっき行って撮ってきたの」
スマホの写真を見せて下さった。綺麗な氷河湖のような湖が写っていた。
歩いて20分くらいと聞いて行ってみることにした。
観光バスも来ていて人も多い。頂上へは行かず途中からショートカット。雪の上も歩いた。ライダーブーツで良かったが、普通の靴だと大変だろう。すれ違う人と挨拶しながら進むと、前方に人だかりが見えた。あそこだろう。
残雪の中に、溶けた水が丸く円を描き、真ん中にも溶けた部分がある。氷河湖のように青いので、白と青のコントラストが見事だ。
なるほど、ドラゴンアイね。
ちょうど陽が陰っていたので、雲が切れるのを待って写真を撮る。
来て良かった。
しばし眺め、満足して下る。
何が食べようかと思ったが、人が多くレジには長蛇の列。諦めてバイクへ戻り山を下りた。
最後は十和田湖だ。すっかり青森県にいる気になっていたが、まだ秋田県だった。夕暮れが近づき寒くなってきた。何とか陽のあるうちに発荷峠へ着きたい。ペースを上げて走り抜け、17時半前に展望台へ着いた。30年ぶりに見た青い湖。
展望台へ上る。もっと眺めていたかったが、今日は宿で夕食を申し込んでいた。18時には着けないと計算し、遅れる旨電話を入れる。展望台を下りる時、1人の女性とすれ違った。
バイクへ戻ると、展望台の下に止まっていたスーパーカブのおじ様がこちらへ歩いてくるのが見えた。
「名古屋から来たんだね。また遠くから」
真っ直ぐに来たのではなく何日がかけてますので。
「僕も、遠くへ行く時はCB400に乗ってるの」
そんな話をしていたら、先程の女性が声をかけてきた。
「すみません、ここから奥入瀬は遠いですか?」
なんでも、夜22時のフェリーを予約してあるが、それまで時間があるという。
「奥入瀬なら明るいうちに行けますよ。その代わり八甲田を抜けて青森へ出るルートになるけど」
おじ様が親切に教えてあげる。
お一人ですか?
「はい。北海道の勤務になったんですが、時間があるから山形の息子の所へ寄って、これからフェリーです」
早く着いても、フェリー乗り場でやることも無いからと笑っていた。確かにそうだろう。
ありがとうとお礼を言って出ていかれたが、あれ右折?
「何で右へ行ったかな。左へ行かなきゃいかんのに」
おじ様も驚いていたがどうしょうもない。
まあ、今どきの車はナビが付いているでしょうと言って、私も出発した。
もう間もなくだろうと思っていたら、まだ50kmほどあった。峠を下ると給油して、ナビに従い高速へ。またも寒さに震えたが一区間だ、我慢しよう。
結局宿に着いたのは18時45分。ギリギリになった。
直ぐに若女将がでてきて、バイクの止め場所を教えて下さった。屋根の下で安心だ。
玄関を入ると、先客は既に夕食中。荷物を置いて直ぐに食堂へ向かう。
待ってましたとばかりに先客に話し掛けられた。
何でもライダーが来るので有名な宿らしく、台帳には乗ってきたバイクを記入する欄もあった。
お2人は常連ライダーで北海道からの帰り、1人は仕事できている常連さんだった。
「バイクにステッカーが貼ってあったけど、ずいぶんあちこち行ってるね」と言われたが、その2人組の方こそ、北海道で気温一桁の中をキャンプで回り、渓流釣りをしてきたと言うからかなりのツワモノだ。
ソロで走っていても、出会った人と話をしたりLINEなどでやり取りしていると寂しいと感じることはないが、この日の夕食は久しぶりに賑やかだった。
温泉も貸し切りでゆったりと手足を伸ばし寛げた。
明日は、30年以上前からずっと行きたいと思っていた岬へようやく行ける。楽しみにしながら眠りについた。
本日も無事故無違反、無転倒でした。
走行距離 約410km
本日のレギュラーガソリン
165円/L(釜石市)、164円/L(小坂町)
この日の夕食
宿で出された夕食。大手ホテルなどでは見かけない食材がいろいろ。
左下)刺身はタコです
右下)黄色いのがホヤ。臭みもなく食べやすかったのは調理方法でしょうか。
その器の左後ろにちらりと見える焼き魚がサメです。
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