バイクSNS バイクブロス・コミュニティ-ツーリングやカスタムレポート

東北ツーリング

東北エリア(福島県) カテゴリ:その他
2013-09-16 12:38:16 走行日:2013-05-13〜2013-05-18
グー!(9)

 今年、節目の50歳となりバイクに乗り始めて30年以上がたち、切れることなく側にバイクがあった。丁度、会社の休暇制度で5日間の休暇が取れることとなり、東北の震災がどこまで復興しているのか自分の目で確かめたい思いにかられ、東北ツーリングを計画した。一応、嫁を誘ったが、にべも無く断られた。
と言う訳で、私の相棒は頼もしい「どこでもドア」のR1200GSAである。
ルートは、秋田までフェリーで行き、岩手〜宮城〜福島と南下する計画を立案。 


● 5月13日(月)晴れ
   行きは、敦賀港(10:00)〜秋田港(翌5:50)の新日本海フェリーで、秋田までのんびり船旅を満喫する予定。秋田まで自走しても良かったが、九州弾丸フェリーでフェリー旅が気に入っているので金額的には高いが、(本当は年齢的なこともあり)フェリー旅をチョイス!   
自宅を7:20に出発し敦賀港着8:20。10:00予定通り出航。最初の1時間は楽しかったが、外洋に出ると景色は海以外、何も見えない・・・。飲酒をしない方なので、夕方までの時間つぶしがこんなに大変とは思わなかった。ツーリングマップルを穴の開くほどチェックし、雑誌を読んだり、船内の映画(無料)を鑑賞するも椅子が硬く腰が持たない。今、持病の腰を痛めると大変なことになるので早々にベッドに戻る。ちなみに乗船したライダーは私だけであった。<走行距離:40KM>

● 5月14日(火)曇り/晴れ
    本日は、秋田港〜寒風山〜田沢湖〜八幡平アスピーテラインの予定。
   予定通り、5:50秋田港着。天気予報では晴れだったが、なぜか雨とのこと・・・。
  雨は止んだようだが、気温も低いので防寒代わりにカッパを着用。最初の目的地である「寒風山」目指して牡鹿半島に向かって走ると、左手に巨大な二体の「なまはげ」現れる。程なく寒風山に到着するも、危険を感じるほどの濃霧のため、途中の駐車場でUターンせざるを得なかった(残念)。
気を取り直して、来た道を引き返し次の目的地、田沢湖に向かう。途中、道の駅「協和」で角館のポスターが張ってあり、予定外だったが角館の町並み・桜を見物。桜は散りかけだったが町並みは情緒がありすばらしかった。(一人旅は、こういう予定変更が自分の意思で簡単にできるがうれしい!)田沢湖半周し本日のお目当ての八幡平アスピ−テラインを目指す。
   信号もほとんどなく、平日のため道はガラガラでとても走り良い。10時頃には八幡平アスピ−テラインに突入!ぐんぐん標高を上げると雑誌で見た「雪の回廊」にご対面!少々寒かったが天気が良く、道もほとんど乾いていたのでとても走りやすい。
  しかし、所々、雪が溶けて道が濡れている所は慎重に走る。天気が良過ぎて雪の反射で目が痛いほどであった。道はかなりきついワインディングで、晴れていたからこそ楽しめたが、雨だったら・・・天に感謝!!。一度岩手県側に抜けたが、時間が予定よりかなり早かったため、ゲートから頂上のレストハウスまで引き返した。【写真1】
頂上で、観光客のおばさんがバイクのナンバーを見ていろいろと話しかけてくる。関西弁が珍しいらしく、わざとこってりした関西弁で受け応えすると結構ウケル。おばさんの東北弁も私にとって珍しく楽しく話をさせていただいた。(笑)。
後、時間があったため、「焼き走り溶岩流」を見学。本日は北上市のビジネスホテル宿泊。<走行:360KM>

● 5月15日(水)晴れ/夜雨
   本日は、遠野〜釜石〜石巻〜塩釜の予定。
  NHKの旅番組で「かっぱ淵」が紹介されていたのが記憶にあり、気になっていたので見学する。田んぼの中に小さな森がぽつんとあり、いかにもカッパが居る様な清流に釣竿がオブジェの様に垂れていて餌は何と「きゅうり」であった。中々風情があって面白かった。
さて、今回の一番の目的でもある震災跡を自分の目で確認するため、陸前高田向けてR283を東に向けて走る。太平洋が見えR45を南下。それまでは山の緑が濃い平和な山村の風景だったが、海が近づくにつれ一面灰色の景色が現れる。よく見ると灰色は戸建の基礎跡で、多分住宅街だったであろう町並みが廃墟の街と化した残骸であった。4階まで窓が壊れている5階建てのマンションがぽつんと残っており津波の激しさが感じられる。しばらく行くと、右手に赤い鉄骨のみの建物が見えたので、吸い込まれるように近くまで行った。この建物は・・・そう、テレビで何回も見たことがある、あの「防災対策庁舎」建物跡だった。若い女性職員が津波に飲み込まれる寸前まで非難を呼びかけ、屋上に逃げた人々が次々と津波に飲み込まれたあの建物の下に今、平和ボケした自分が居る。自分は一体何をしにここにきたのだろう??。本当に来てよかったのだろうか??バイクを止める時、寒さとは別に足が震えサイドスタンドが出せなかったのを覚えている。
建物前に祭壇?らしきものが有り、思わず手を合わす。涙が止まらない・・・。自問自答している間に、観光客らしき一団がやってきた。がやがやと記念写真をとる姿をみているとやるせない気持ちになりその場をそそくさと離れた。自分は物見遊山で来た彼らと何ら変わらないのではないか・・・。考えさせられるシーンであった。【写真2】
震災から2年以上経過しているが、復興には程遠く実態は厳しいなと肌で感じた。
昼食は、国道沿いのプレハブ建て「みなさん館」で魚の煮付け定食をいただく。店の方と少々話をしたが、「こうやって来てくれるだけで復興につながるので、今度は家族で来てね」と話していただき、自分の気持も少しは楽になった。家に帰ったら、家族・会社の皆に東北に行くだけでも復興に役立てるんだと話をしようと心に誓った。
そうそう、今日は何と結婚20周年!いつもあえて何もしないが今年は一人でツーリング行った負い目もあり、フラワーギフトを自宅に送っていた。夜、案の定いきなり「なんぼしたん?!」と嫁から電話があった。(普通「ありがとう」やろ。とはもちろん言えず・・・。)ぐっとおさえて、いつもは言わない「ありがとう」が言えた。
本日は塩釜のビジネスホテル宿泊。<走行:350km>

● 5月16日(木)晴れ/くもり
   本日は、蔵王エコーライン〜西吾妻スカイバレー桧原湖〜岳温泉。
昨晩の雨は朝には完全にやみ蔵王エコーラインを目指す。入り口の赤い大鳥居までは快晴で路面状況もまずまずだったが、標高をあげていくとはるか山頂は厚い雲に覆われている。しかしもしかしたら、頂上まで行けば雲海が見れるかもと期待していくが、頂上の蔵王ハイライン(370円)へ行くも濃霧で全く景色が見えない。「御釜」を見たかったが又の機会に残しておこう!気を取り直し福島方面向けて下山するが、舗装工事を延々と実施していて濃霧・砂利道の悪条件の下りを延々と走る。軽量バイクなら苦にもならないだろうが、GSAではかなり体力を消耗する。平地に付いたときは疲労困憊してコンビニでへたってしまった。
桧原湖への道中で吾妻スカイバレーの、雑誌でよく見る芸術的なコーナーを一望したくて途中で「停車+景色を確認」を繰り返し走り続ける。【写真3】
全体にきつめのワインディングなのでUターンも困難なため、1個づつ停車した。
多分、4つ目くらいに停車した時、あの景色を一望できた時は感動でヤッターと声を上げた程だった。桧原湖を遠くに芸術的なコーナーを設計された方々に感謝の気持ちで一杯になる程すばらしい景色だ。やっぱり自分の目で見て体で感じるのは感動が何倍も違う。
桧原湖〜磐梯吾妻レークライン近辺を、岳温泉までをあちこち走り回る。交通量が少ないので自分のペースで走れるのはとても気持いい!本日は岳温泉「空の庭リゾート」宿泊。<走行:270KM>

● 5月17日(金)晴れ
  本日は、吾妻スカイライン〜レイクライン〜ゴールドラインー猪苗代湖〜大内宿。
今回のツーリングのハイライトである吾妻スカイライン〜レイクライン〜ゴールドラインーは、天候にも恵まれ、人生今まで走った中で一番の快走路であったと断言できるほであった。これでもかと言うくらい山坂道ばかり走ったので、猪苗代湖近辺の直線道路がとても新鮮な気持ちで走れた。
機会があれば、是非もう一度訪れたい場所だ。
今日は、行程に余裕があるので観光しながらのんびり走る。芦ノ牧温泉駅でネコ駅長「パス」に会いに行くがお昼寝中。湯野上温泉駅・「塔のへつり」(福島30景の奇岩)を見学しながら、県道329号を北上すると、道沿いにとてつもない巨木が鎮座していた。「八幡のケヤキ」で樹齢950年。古木のパワーを十分いただき、最後のお宿「大内宿」へと向かう。ここは以前テレビ番組で紹介されていたのを見た記憶がありどうしても宿泊したくて最終の宿泊地に決めていた。宿は「扇屋」で唯一「蔵」に宿泊できるのが売りらしく、電話予約時のおばちゃんの応対がとてものどかで気に入った。部屋に通されると8畳ほどで、蔵なので当然窓は無く、テレビも無かったのには唖然とする。
お待ちかねの夕食時、大広間で他の宿泊客の方と同じテーブルで地元の食材をおいしくいただいたが、皆さん関東方面の方ばかりで、言葉に慣れず最初は寂しく黙々と食べるのみだったが、宿のおばちゃんがビール片手に私に声を掛けていただき、それがきっかけで皆さんと3時間以上も囲炉裏を囲んで楽しく話をさせていただいた。囲炉裏の火を見ながらしゃべるのはとても癒される。中でも、鹿島(栃木)からの年配のご兄弟5人とお父様のグループと、退職された会社の同僚2人でこられた男性の方とは特に親しくお話をさせていただいた。ツーリング途中で地元の方と積極的に話しをする方だが、ソロツーリングの宿泊先で見ず知らずの方と親しくお話することは今まで無かったので、とても有意義で思い出に残った。また私がテレビで見た大内宿特集のテレビのディレクターがたまたま家族で泊まりに来ておられた!色々と興味深くお話をきかせていただいたのはもちろんである。そしてなんとここのおばちゃんは、地元ではかなり有名人で、全国ネットのテレビにも良く出演するらしい。一期一会という言葉を身に染みて感じた夜であった。当日、全くテレビ・携帯を見なかったのは言うまでも無い。【写真4】
<走行:200KM>

● 5月18日(土)晴れ
  本日は、滋賀に帰るのみ。村内を散歩するため早朝に起床すると昨晩歓談した方々も散歩されており御互い写真を撮り合う。なんだか別れがとても寂しい・・・。
宿のチェックアウト時に、なんとおばちゃんが特大おにぎりを渡してくれた。そういえば昨晩、冗談半分に「おにぎり作って〜」と言ったのを覚えてくれてたんだ!また、お金を払うといっても「そんなのいらねぇ」と受け取ってくれなかった(涙)【写真5】
ありがとう。おばあ。心に残るとっても良い旅ができたよ!!がんばろう東北!!
<走行:652KM>


50の節目に、東北に行けた事は本当に良かったと思う。当たり前のことだが「明日」が普通にやってくることが本当の幸せなんだと、50になって初めて気づかされた。次は是非家族で行きたいと思う。
また、クルマでは感じられない直接肌(五感)で感じられるバイクに長年無事に乗ってこれた事を嬉しく思った。これからも体力のあるかぎり不便で、楽しく、五感を研ぎ澄まさせてくれるすばらしい乗り物と付き合っていけたらと、改めて感じさせてくれる思い出深い旅となった。

○ 全走行距離=1,870km
○ 費用=78,972円
・ ガソリン=17,822円(108.8L 燃費:17.2km/l)
・ 宿泊費=26,930円(4泊)
・ 食事等=5,000円(7食)
・ 御土産=4,100円
・ フェリー=17,200円(新日本海フェリー)
・ 高速代等=7,920円


備忘録として書きました。
よろしくお願いいたします。


スポット詳細情報

  • 八幡平〜蔵王〜磐梯

9人がグー!を付けています。

ログイン

会員登録する

注目のタグ

あなたのバイク今いくら?

バイク買取無料一括査定

メーカー:
郵便番号:
郵便番号を検索

PAGE TOP