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Fキャリパーフランジボルト交換!!(GSX-R1000)

2015年09月13日 20:34 グー!(1)|コメント(0)

スズキ GSX-R1000/R(2014年式)
Fキャリパーのフランジボルトを交換してみました。
一年前、車体購入時に真っ先にカスタムしたのがブレーキホースで、その際にバンジョーボルトもステンレスに変わってしまったので、Fキャリパーのバンジョーボルトと純正のフランジボルトで見た目の統一感が取れなくなり、ずっと気になっていました。
今回やっとのことで交換する事ができたのですが、たかがボルト数本といえやはり専用部品です。交換までには予想以上に時間がかかってしまいました。では何に時間を取られてしまったのか。主な手順は以下のとおりです。
ゝ格を調べる。
第一に、今回は雌ねじ(Fフォーク側)はそのままで純正フランジボルトのみの交換なので、純正と全く同じ規格のボルトを購入する必要がありました。ただ、この「全く同じ」というのがそう簡単ではありませんでした。
結果から言ってしまうと、参考にするものが現物以外に無かったからです。
本来、Fキャリパーのフランジボルトを交換するのは、サーキットやレース走行など極限まで軽量化を図りたいようなプロの人たちで、一般人でこのような「特殊部品」に近いものを交換しようとするのは、私のような変わり者を除いてほとんどいないと言っても過言ではありません。仮に換えるとしてもボルト付きのキャリパーごと替えるのが普通だと思います。
実際に、いくつかのバイクショップに足を運んだり、ネットでも一通り調べたりしましたが、いまひとつ正確な情報は掴めませんでした。
唯一、この過程で得られた情報としては、「すぐに手に入れることは不可能な代物」ということだけでした。「整備資格をもたない一般人が、ファッション感覚でブレーキ周りを触るな」と、言われているような気がしましたが、こんなことではめげません。あまり深く考え過ぎないことにしました。
現物を調べる。
では、外から情報が得られないならば、原点回帰で「現物を見る」しかありません。しかしここでも思いもよらぬ出来事が起こります。
作業自体はソケットレンチを使い、締められているボルトを緩めるだけのこれ以上ない単純なものでした。ただひとつ、せーので緩まったと同時に「ギギュイ」と、非常にイヤーな金属音が鳴ったのは、今でも覚えています。。
ザラザラと砂を噛んだような感触を残したままのボルトを引き抜き、ネジ山部分を確認すると案の定、銀色をしたアルミの塊のようなねじロックが、ネジ山部分にびっしりとこびり付いていました。
「・・・あーあ、ネジ山完全に埋もれてる」と、意気消沈したのも束の間。ふと嫌な予感がよぎります。
「ところでこれ、戻せるのか?」
恐る恐る、キャリパーのネジ穴にボルトを挿入し直し、先程とは逆方向に回していきます。
まさかと思ってはいましたが、嫌な予感とは的中するものです。
ボルトはかろうじてネジ山に食いつきはしたものの、そこから1センチ程進んだ後は、底をついたように固く、回せなくなっていました。指で直接回す以外にもソケットレンチで少し回してみましたが、そこから先は微動だにしません。
「参ったな-。これじゃあ調べるどころか、バイクにも乗れないじゃないか・・・」
ボルト側にあれだけねじロックが固着していたということは、おそらくFフォーク側も同様にネジ山が侵されている可能性があります。
そうなれば、ボルトを交換するだけでは対処できず、雌ネジ側もねじロックを綺麗に取り除く必要が出てきます。
ただボルト1本を緩めただけで、こんなにも面倒なことになるとは・・・。全く、思ってもみませんでした。
ネジ山を修復する。
上記のような緊急事態により、急遽「ネジ切り」の工程が追加される事になりました。
そうなると、専用工具『ダイス(雄ネジ用)&タップ(雌ネジ用)』が新たに必要となってきます。この時点ではまだ純正ボルトの規格が分かっていないので、この工具を買うのにもまたひとっ走りしなければなりませんでした。
知りたいのは、ボルトのピッチです。1.25mmか1.50mm か・・・。前者で大体検討は付いていたのですが、工具を発注してから作業完了までの期間(=バイクに乗れない期間)は最短に抑えたかったので、確証が取れるまで注文できません。
そのため、ここでも三現主義の精神を発揮します。
外したボルトを持ってホームセンターへ行き、大量に陳列されたナットコーナーからピッチ違いのもの2つを探し出し、どちらが純正と一致するのかを確かめました。
結果ピッチは1.25mmと分かり、その規格に適応したタップ&ダイスのセットを購入しました。
2日後工具が手元に届き、ピッチゲージで再度径を確認し、間違いないことがわかりやっと一息。後はひたすら集中し、元のネジ山を痩せさせないよう慎重に作業するだけでした。
両方のネジ山とも問題なく復元することができましたが、地味で非常にアナログチックな、労力のいる作業となりました。
ぅ椒襯箸慮魎
新しいボルトは2週間程で届きました。素材はブレーキホースと同様のステンレスメインです。メーカーはProBolt。海外で製造しているものですが、日本にも代理店があり、ネットを通じて購入できました。
購入したものは以下となります。
・Stainless Flanged Hex M10 x (1.25mm) x 70mm Race Spec Pack x 4。
ステンレスは熱によるネジ山の変形やカジリが発生することがあるようなので、ツーリングメインですが念のためレース用のボルトにしておきました。ただこれでも心配なので、定期的な点検は必須かと思います。
純正同様に2本のうちの地面に近い一本のみにねじロックを塗布し交換します。先日ねじ切りをしたおかげで、気持ちいいくらいにするすると指先だけでボルトがキャリパーに収まっていくのが分かります。この感触には少しばかり感動しました。
交換後の印象としては、ほぼ見た目だけのカスタムとなりましたが、大満足です。
やはり統一感が取れると足回りが一層引き締まって見えました。
今回の件では、たかがボルトの交換と言えど、色々と考えさせられるところがありました。
例えば、どこにどのような素材のボルトが使われているのかなど、各部分に対する役割や必要な強度などの知識が無いと対処できないこともあるので、今後は注意が必要です。
そのような情報がサービスマニュアルにでも載っていれば話は早いのですが、少なくとも二年前まで乗っていたNinja650のマニュアルには記載されていなかったので、一個人が知識を得るには時間をかけて経験値を稼ぐしか無いような気がします。
プチカスタムでさくっと済ます予定がとんだ遠回りとなりましたが、その分得られたものも多く、バイク屋に頼む事態に陥らなかっただけ、まだ良かったのかもしれません。

おわり〜

写真1:2015年09月13日 投稿

少し分かりにくいですが色がステンレスに比べてくすんで見えます。

写真2:2015年09月13日 投稿

戻せなかったときの絶望感ときたらもう・・・笑うしかありませんでした。

写真3:2015年09月13日 投稿

バイクや車のねじはピッチが1.25mmのものを使っている場合が少なくないので、購入の際は対応しているか確認が必要です。
ピッチゲージが付属しているものが便利でお勧めです。

写真4:2015年09月13日 投稿

トルクはNinja650のマニュアルに倣って34N/mで締め付けました。
一つ謎だったのが、純正のねじロックは右側のキャリパーの地面に近い側1箇所のみ(ボルト4本中1本)にしか塗布されていなかったことです。
同じFキャリパーでも左右で力の加わり方が違うのでしょうか。気になります。

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