コラム:アドバンテージ流カスタム(ハイカムの勧め) #05
更新日:2020年03月18日 09:09:00

コラム:アドバンテージ流カスタム(ハイカムの勧め) #05

ADVANTAGE(アドバンテージ)のブログ

『カスタムの真面目な話』

ハイカムについての話の前に、少し戻ってエンジンのレイアウトについて基本的なことを少々。エンジンには2タイプのレイアウトが存在します。DOHC(ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト)とSOHC(シングル・オーバーヘッド・カムシャフト)です。

SOHCの歴史は1969年、ホンダのCB750FOURが販売開始され、全世界を席巻しました。近年スポーツ車はオンロード、オフロード共にDOHCが採用されている車種が多く見受けられます。それらは1972年にカワサキZから始まったのではないでしょうか。その次のエンジンの進化と言えば4バルブ化でしょうか。国内では1973年にヤマハが“4サイクルのマッハ”と呼ばれたDOHC採用のパラレルツインエンジンを発表しました。

DOHCエンジンの方が高性能、高効率といったイメージがありますが、SOHCが劣っているということではありません。SOHCはバルブ角度の自由度が低く、どうしてもロッカーアームを長くする必要があるため、ロッカーアームにしなりが発生し、バルブに伝える力がロスします。バルブ開閉の精度はエンジン性能に大きく影響するので、それらが大きなデメリットとなり、DOHCのように理想的なバルブ角度を設定することが難しくなります。したがってロッカーアームを長くしてバルブ角度を大きく取るか、あえてバルブ角度を小さく取ってロッカーアームを短くする、という選択が必要となってきます。DOHCに比べて、エンジンを高回転・高出力にすることが不利に働くのです。

DOHC 4バルブの場合、インテークバルブ用とエキゾーストバルブ用の計2本のカムシャフトがあり、バルブはインテーク側2本、エキゾースト側2本の計4本が各シリンダに設けられ、理想的な吸排気が実現出来るようになりました。カムシャフトが1本のSOHCに比べて単純に重量的デメリットが見受けられますが、それぞれのカムシャフトをバルブの真上にレイアウト可能な直打式なのでロッカーアームは不要となり、燃焼室の形状やバルブ角度など、設計の自由度が大幅に改善されたことは大きなメリットです。また、スパークプラグを燃焼室の中心にレイアウトできるので、圧縮行程において混合気を燃焼室の中心に集め、結果として燃焼面で非常に有利と言えます。

今回は基本的な構造のお話でした。ではまた次回。

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