SUZUKI GT380
トルク感溢れるグランツーリスモの走りで、カワサキトリプルとはまた別の魅力を持つスズキGTトリプルシリーズ。ここでは、GT380、GT750それぞれの持つウィークポイントを紹介しよう。
ジェネレーター
一般的な無接点方式ではなく、GT380/750共にブラシ式を採用しており、ブラシ摩耗による発電不良が起こることも少なくない。しかし、部品は問題なく手に入るので確実に修理することが可能だ。
エアクリーナー
スポンジが劣化し、パサパサに崩れてキャブに吸い込まれてしまうことが多いそうだ。左右に一つずつ合計2個使用しており、点検清掃時に劣化の痕跡があれば両側セットで交換したい。
コンロッド
長期保管車はオイルがクランクケースに溜まるため、そのままエンジン始動するとウォーターハンマーとなり、コンロッドを歪ませるので注意したい。GT380はコンロッドが細いので簡単に曲がってしまう。
ギアインジケーター
不点灯の原因がシフト側スイッチ接点にある場合は修理できる例も多いが、メーター側の故障の場合は修理が難しいこともある。シフト側スイッチ裏からのオイル漏れにも注意。
SUZUKI GT750
冷却水
現行モデルは口切一杯まで冷却水を入れるが、GT750の場合はそれでは入れすぎで吹いてしまう。マニュアルを参照し、キャップを外して覗くと見えるアッパーラインを厳守して冷却水の管理を行う。
クラッチレリーズ
クラッチ遊び調節は、加減が難しいのでマニュアルをしっかり参照する。一般的な調整だと滑りが出るケースが多い。ガタを多めに取るのがコツだ。また、レリーズ部からのオイル漏れにも注意。
レギュレートレクチファイヤ
旧車では一体式レギュレートレクチファイヤへの換装が一般的だが、GT750の場合ジェネレーターのブラシに負担がかかるのでお勧めできない。レギュレーター不良の場合は交換しよう。純正部品が供給される!!
シリンダースタッド
シリンダースタッドはノックピン(位置決め)の役割を狙い、シリンダーとのクリアランスが狭く、錆で固着する例が非常に多いそうだ。適度にオーバーホールされてきた車両の方がすんなり抜ける。
SUZUKI GT TRIPLEシリーズのモデル紹介
SUZUKI GT750
ハスラー250と同じボアストロークを採用し、放熱問題が発生した中央気筒の冷却を行うため水冷化された。初期型はダブルドラムブレーキで以降はダブルディスクブレーキとなる。豪華装備が特徴だ。
SUZUKI GT550
空冷ラムエアー冷却式シリンダーヘッドを採用したGT550は、GT750と共通のミッションが採用され、低速域からトルクフルなGTトリプルシリーズ共通の性格を持っていた。始動方式はセル、キック併用。
SUZUKI GT380
GT250を1気筒増やした3気筒エンジンで登場したGT380は分厚い低速トルクとスムーズなエンジン特性で人気を博した。その後RG250Eの登場でスズキ2ストロークもスポーツ路線へと舵を切ることになる。