USAツーリング3.4日目

掲載日:2007年09月28日 ツーリング情報局海外エリア    

ノンストップで走れる道が続き
思考が停止するほどの気持ち良さ

イメージこんにちは、編集部のターミーです。

今回はアメリカツーリング3日目、4日目をご紹介します。2日目はルート66上の街、セリグマンで1泊するところで終わりました。今回はグランドキャニオンやモニュメントバレーなどミドコロが多い、アメリカらしいコースを走る日で、個人的には7日間の日程の中で一番楽しみな行程です。時間が限られている人は2日目、3日目のコースを走るだけでも、充分に楽しめるでしょう。さて、早朝にセリグマンを出発し、フリーウェイを走りウイリアムスという街まで一気に移動します。都心からかなり離れたところだからでしょう、フリーウェイはガラガラ。行き交う車はかなりスピードを出しています。車の流れに沿って走っているだけで、120kmくらいの速度に。早朝にこれだけのスピードで走ると、6月にも関わらず肌寒く感じます。走る季節にもよりますが、秋口くらいでも真冬の防寒装備が必要かもしれませんね。ロサンゼルスの都心とは違い、この辺りは気温は低めのところのようですから。

イメージいいペースで走ったので1時間もかからずにウイリアムスに到着。この街はグランドキャニオンへ向かう人が集まる街です。車やバイクで向かう人はもちろん、グランドキャニオンへの列車の出発地点でもあるので、多くの観光客が訪れるようです。街の中心部には古い町並みを生かしたお店が立ち並んでいます。ダイナーなんかもあちこちにあるので、ここで一泊するのもアリでしょうね。この街に来るのは実は2回目なのですが、前回来たときはここで1泊し、ビールと恐ろしい量の肉料理で腹が裂けそうになったのを思い出しました。この日はウイリアムスは休憩のためだけに訪れたので、街をゆっくり観光とはいきません。駅舎の周りをぐるりと回っただけで出発します。ここからグランドキャニオンまでは、ほぼ一直線。ワインディングなど存在しません。延々と、本当に延々と続くまっすぐな道を走り大峡谷を目指します。ここに来るまではグランドキャニオンの周囲は荒野が広がっていると思っていましたが、道の両側は背の低い松のような木がチラホラと。当初イメージしていたような命が感じられない荒野ではありません。アメリカを走っていると信号はなく、対向車は少ない、しかも景色にもそれほど変化はないので脳みそをほとんど使わずに走れてしまいます。なので1時間走ろうと2時間走ろうと、あっという間に感じてしまうんですね。気持ちいい風に吹かれながらボーっと走りっぱなし、脳みそがトロトロになってしまいそうになった頃にグランドキャニオン国立公園に到着しました。

見たこともない雄大な景色と
風の音しか聞こえない大地

イメージグランドキャニオン国立公園は荒野ではなく、緑豊かな森に囲まれています。だだっぴろい荒野の中に大峡谷がある、と思っている人はビックリするでしょう。公園入り口で入場料を支払い。中に入るとちょっとしたワインディングがはじまります。日本の森によく似た景色が広がっていますが、地面の土が赤茶けているのが日本と少し違いますね。走行中にふと森が途切れるところがあり、横を見れば異常に大きな大峡谷が広がっているのを目にできます。正確なコースはわかりませんが、道は峡谷に沿って続いているみたいですね。グランドキャニオン国立公園はかなり広い面積があり、グランドキャニオンを眺められる展望スポットも複数あります。私が訪れたのはマーサポイントやデザートビューというポイントですが、あと3箇所くらい名の知れた場所があるそうです。

イメージグランドキャニオンの壮大さは…写真や言葉で伝えら得るものではありません。人工衛星からも見えるほどの峡谷ですから、その巨大さは誰もが知っているとは思いますが…初めて見る人は言葉を失い見つめてしまうでしょう。ただ、ここは名の知れた観光地ですから、どの展望スポットも人でいっぱいです。広がる景色は確かにスゴイのですが…人が多すぎるので思ったほど心に残っているわけではありません。アメリカで見た景色の中で一番思い出深いところというと、やはり次に訪れるモニュメントバレーに軍配が上がります。しばらくグランドキャニオンを観光した後に次の場所に向かうことにしましょう。グランドキャニオンからそう遠くないところにネイティブアメリカンのトレーディングスポットがいくつかあります。ここでは、日本でもインディアンジュエリーと呼ばれ人気のシルバーアクセサリーの直売が行われているんです。日本で買うよりかなり安く買えるとのことですから、お土産に立ち寄るのもいいかもしれません。

イメージいよいよ私がアメリカで一番お気に入りの場所、モニュメントバレーへと向かいましょう。グランドキャニオンからは300kmくらい離れているのでしょうか、こちらで300kmくらいだとそれほど遠い気はしません。実際お昼過ぎにグランドキャニオンを出発し、まだ日が暮れないうちにモニュメントバレーには到着しましたから。グランドキャニオンからモニュメントバレーまではそれなりに景色は移り変わっていきます。しばらく荒野が続いたかと思えば、アメリカにしては緑の多い丘陵地帯が現れます。壮大な景色が広がるアメリカとは言え、同じような景色が続くとだんだん見慣れてくるものです。信号もカーブもない道ですから、油断すると居眠り運転をしてしまいそうになるので、景色に多少変化があった方がいいですね。あ、そうそう。この日走っているアリゾナ州はヘルメットを被る義務はありません。目を守るためのサングラスの着用は義務づけられていますが、せっかくここを走るのでしたらノーヘルを体験するのもいいかもしれませんね。ノーヘルで走るかどうかは自分次第「郷に入れば郷に従え」ということで私はアリゾナ州ではずっとノーヘルで走っていました。結構なスピードを出して走るので、頭に受ける風が気持ちいいんです。頭に風が当たっていると居眠りもせずに済みました。ただし、日差しが強い季節だとサングラスで守られている場所以外が恐ろしく日焼けしてしまいます。空気が乾燥しているので唇のすぐにカサカサにひび割れてきます。どこのガソリンスタンドでも日焼け止めやリップクリームが売られていますから、早めに対策しておいた方がいいでしょう。

イメージそして到着したモニュメントバレー。ここはナバホトライバルパークというネイティブアメリカンが管理する公園内にある場所です。一応観光地なのですが、グランドキャニオンほど人はおらず、周り一面に広がる赤茶けた大地、地面から突き出した巨大な岩々を独り占めしているような気分になります。子供の頃に見た西部劇に出てくるような景色の場所で、実際にココで映画の撮影もよく行われているそうです。「たぶん火星ってこんな景色が広がっているんだろうなぁ」初めて訪れたときはそう思ったのを覚えています。人が住んでいる場所は限られていますから、道路の左右を見ても人の生活臭がまったくありません。生き物もいるらしいのですが、バイクでここを走っていると風の音とバイクの排気音しか聞こえてこないのです。日本での普段の生活では特別気にもとめない、いろいろな音に囲まれていますが、こちらでは限られた音しか耳にははいってこず、それが非常に新鮮に感じます。音の少なさに関してはモニュメントバレーに限った話ではありませんが、ここの景色の雄大さと耳に入ってくる音の少なさには感動を覚えました。アメリカの都心部からはかなり離れた場所にはなりますが、機会があるのなら是非訪れて欲しい場所です、ココは。アメリカに対するイメージは人によって違うでしょうけれど、私にとってはここが頭で思い描いていたアメリカのイメージにピッタリの場所でした。いつか必ずまたやってきたい、そう思わせてくれる数少ない場所です。

緑と荒野が代わる代わる続く
ツアー中盤の快走路

イメージモニュメントバレーのモーテルで一晩を過ごし、翌4日目はいつもより早くに目を覚ましました。日が昇る前に起き、この場所で夜明けを楽しむためです。モニュメントバレーで見る夕暮れと夜明け、これも是非堪能して欲しい美しい景色でしたね。涼しいうちにモニュメントバレーを後にし、この日は緑の多いコースを走ります。モニュメントバレーの北部には未舗装でガードレールすらない峠道があるのですが(ちょっと怖い)、ここを抜ければいきなり森林地帯に突入です。それまでの荒野からいきなり緑の景色に変化するので面白いものです。景色が変わると匂いまで変わります。モニュメントバレーでは特別な空気の匂いは覚えていないのですが、峠を越えた頃から空気から埃っぽさが消え、空気がやわらかくなってきます。バイクは五感のすべてを使って楽しむ乗り物ですが、ココを走っているときは「車ではなく、バイクに乗っていてよかった」と心の底から幸せに感じられました。まだ早朝の時間でしたから、日中の強い日差しはなく、快適に走っていましたが、次第に周りの景色から緑が消え、太陽も高くなり気温はグングン上がっていきます。汗をかいてもすぐに蒸発してしまうため、体はベタベタすることはありませんが、体が水を欲しがっているのはよくわかります。休憩の度に水分の補給は忘れないようにしましょう。

イメージ次なる目的地はブライスキャニオン国立公園という場所で、ここに近づくにつれ、また緑が広がってきます。緑の中を走るのは涼しくていいのですが、道中には恐ろしい場所があります。ごくごく普通の道を走っていたかと思うと、突然視界が開けた場所は左右が切り立った断崖になっています。ガードレールも何もない、ただ2車線の道があるだけの道を通り、峠道を下るのですが、こんな場所を走ると聞いていなかった私はかなり怖い思いをしました(笑)。左右が崖の道は距離は短く、直線です。普通に走っていればまず落ちることはありませんが、落ちれば確実に生きてはいられないでしょう。危ないな、と思うようなところでもガードレール無しで道を作るアメリカ人の感覚って…よく理解できません。ブライスキャニオンへ近づくにつれて、また緑が広がりはじめました。実はブライスキャニオンを訪れるのは二度目です。一度目は豪雨の翌日で辺り一面に濃霧が広がり、すばらしい(らしい)景色を楽しむことは適いませんでした。そのときのリベンジを果たすときが来たのです。

イメージブライスキャニオンのミドコロというと雨露に浸食された石灰岩の塔、通称“通称ピンククリフ”です。視界いっぱいに広がるピンククリフは時間を忘れるほど幻想的な景色で、7日間の行程の中でも有数の感動的な景色でした。この場所も機会があれば訪れてみてください。この後、ブライスキャニオンの近くにあるザイオン国立公園という場所を訪れ、ここで4日目の宿をとったのですが、訪れたのは夕暮れ時で公園内の道路は渋滞中…。ザイオンはラスベガスから近い距離にあるので訪れる観光客が多いのでしょうか。写真を撮ろうにも太陽の方角に向かって走っているため、逆光になってしまいます。景色を楽しむこともそこそこにこの日は宿に落ち着きました。

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バージンハーレー編集部 ターミー
プロフィール
バージンハーレー編集部 ターミー

数々のバイクを乗り継ぎ現在はハーレー「スポーツスター」、BMW「R80」、YAMAHA「SR」を所有するただのバイク馬鹿。これまでシングルかツインにしか乗ったことがなく、やや偏食気味なのが気にかかるところ。

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