ひたすら峠走行

掲載日:2006年10月28日 ツーリング情報局東海エリア    

バイク乗りの王道
峠にチャレンジ!

イメージこんにちは。

冬でも軽装、皆から「見ているだけで寒いわ!」と言われ続けている猫好きです。芸人に対して随分酷な発言だ。さて、秋も深まり、そろそろ冬装備が必要な季節となってきました。ツーリング情報局を読まれてきたみなさまは、今年のバイクシーズンを駆け抜け、さぞかしHGな(ハイグレードな)バイク乗りに成長されたかと思います。そこで今回は中間試験(?)とし、無意味にハードなツーリングコースをご紹介しましょう。三重県の有名どころの峠道を、皆様と攻め陥としたいと思います。国産スーパースポーツに、ハーレーやBMWの恐ろしさを見せつけてやりましょう。

今回は愛知、岐阜、三重の県境近くにある、真紅に染まった「東海大橋」からスタートしたいと思います。ひとまずの目的地は、三重県湯の山温泉にある「鈴鹿スカイライン」です。東海大橋を岐阜方面に走ると、有名な養老の滝がある「養老公園」に行ってしまいますが(居酒屋のことではない)、今回はそんな家族連れやカップルがアハハウフフしているような場所へは立ち寄りません。目指すは最速をせめぎ合う男達の戦場(鈴鹿スカイライン)。養老山脈に突き当たったら迂回せずにつき進み、県道25号…またの名を「二之瀬峠」と呼ばれる峠道を走り、邪魔な養老山脈を乗り越えます。二之瀬峠の岐阜側は道幅が1車線しかないものの、それほどタイトなコーナーのある峠道ではなく、低中速で駆け抜けることができます。言うまでもありませんが、1車線なので対向車注意です。ある程度山を登ると、今まで走ってきた道と濃尾平野に広がる街並みを見渡すことができます。所々の路肩には駐車スペースがあるので、足を止めてみるのも良いでしょう。峠の頂上は県境となっており、そこで三重県に入ります。その県境には「庭田山頂公園」と言う割と荒れ放題な公園があり、ここの展望広場からも街を見下ろす事ができます。

県境を越えて峠の下りに入ると、岐阜県側に比べ狭くてタイトなコーナーが多くなります。しかも採石場があり、路肩に砂や砂利が散っているので、三重県側の二之瀬峠は路面状態にも気をつけて走りましょう。山道を抜けると、暫くは平坦で緩やかなカーブの続く道が続きます。峠道で空け切れなかったスロットルをココでブチ開けましょう。あ、でも街中だからそんなことしちゃ駄目だね。

やっぱり適うわけがない
鈴鹿峠で身の程を知る

イメージ二之瀬峠を抜けて交通量の少ない国道306号を使い、一気に湯の山温泉へ向いましょう。ここは有名な温泉街です。しかし、我々は癒しを求めて訪れた訳ではありません。我々の求めるものは「峠最速」の称号。決戦の舞台、鈴鹿スカイラインはもう目前です。鈴鹿スカイラインは2車線で、比較的緩やかなコーナーの続く走りやすい峠道。減速帯が敷かれているものの、舗装の継ぎ目は少なく良好な路面状態です。最初のトンネルをくぐったら、上を見上げてみましょう。山肌の所々に白い巨岩が突き出ているという見慣れない山並みの先に、御在所岳へ続くロープウェイが走っております。そして、そんなのどかな風景の脇を、信じられないようなスピードでスーパースポーツが峠を駆け上って行きます。あんなのを見ると、バイク乗りが世間様からどのような目で見られているのか、憂いを感じずにはいられません。

我々は法定速度(+α)程度の安全速度でのんびりと峠道を流しましょう。あのように走る姿を見ると、最速の称号がどうかと言う話はどうでも良くなりました。決して敵わないと悟った訳ではありません。峠の中ほどに広い駐車場があり、そこで休憩しながら山間に見える三重の町並みを見渡すことができます。鈴鹿スカイラインへ走りに来た人は、皆ここで一息入れているようで週末ともなればバイクだらけです。これから紅葉の季節になりますので、この辺りも混雑しそうですねー…。そうそう、この駐車場は全体的に地面が傾いています。ここに来るといつも思うのですが、ココは平衡感覚を失う不思議な異空間。バイクに跨りバックする時などは、立ちゴケに注意です。駐車場から更に西へ走り、鈴鹿スカイラインを抜けて街に出ると、コスモス畑が広がっていました。偶然だったのですが、私が走りに行った10月中旬は丁度見頃だったとか。

国道ではなく“酷道”
421号線「石榑峠」に特攻

イメージさてさて。最速はともかく、とりあえず目的地の鈴鹿スカイラインは走ったので、ココで撤収してもよいのですが「まだまだ走り足りないぜ!!」と感じている方も多いかと思います。そんな方々を一発昇天させるHGな(ハイグレードな)峠道を紹介致しましょう。鈴鹿スカイラインの北側を通る国道421号、別名"石榑峠"。私はたまたま通った道なのですが、後で調べた所なかなかの評価を得ている"酷道"だそうです。そんなことを知っていたら、こんな道走るか。とにかく、道幅狭い、工事箇所が多く路面悪い、ガードレール無い、頂上付近ではコーナーが超連続、三重県側はとんでもない急勾配。名物は、突然峠の頂上に現れる、車幅2メートル以上の車両の通行を制限するために設けられたコンクリートブロック。そういうモノは峠の入り口に置いて欲しいものです。

イメージ余談ですが、私が行った時、そのコンクリートブロックの存在を知らない大型トラックが峠の頂上まで入って来ていました。Uターンのため車両後部を土手に乗り上げたところタイヤが引っかかってしまったらしく、一本しか無い道路を完全に塞いでいまい、渋滞を引き起こしていました。車で来た方々にとっては、もう絶望的な状態です。とにかく、頂上付近は国道とは思えないハードな道が続いておりますので「来た道を通って帰るのもつまらないし、コッチの道使って帰ろーぜ」なんて軽い気持ちで通ってはいけません。初心者にもお勧めできません。かなりの峠マニアか、過酷なRUNを開き直った笑顔でこなせるM野郎にしかお勧めしません。もし走りに行くならネットで写真見るなどして下調べしておきましょう。私はもう通る気はありませんが、話のネタに一度だけ走るのはアリかもしれませんね。この峠を走れば、もう十分満足されたかと思います。この峠を越えてもまだ走り足りない方は激ヤバのMでしょう。あとは撤収のため、国道をそのまま道なりに走り国道1号を目指します。1号を名古屋に向け走り、長良川と揖斐川の間の堤防に入りそのまま北上。ほぼノンストップで15キロほど先にあるスタート地点「東海大橋」へ戻ることが出来ます。あまりに一直線で、何も無い平和な道です。走っているうちに、今日一日の過酷な峠越えの疲れも吹っ飛ぶことでしょう…って、そんな訳あるか。

以上、三重の峠攻め陥としツーリングでした。

いつもは単純に走って気持ちいい道を紹介しましたが、人によっては今回のコースは苦痛でしかないでしょう。最後の石榑峠に至っては、もはやネタです。ですが、たまには本気で走りに行かないと、自分のポテンシャルが分からなくなってしまいますからね。スーパースポーツがカッ飛び回る中に紛れてのツーリングもたまには良いでしょう。自分なりの安全なペースで峠を流し、マナー知らずのライダー達に模範運転を見せ付けてやりましょう( あれ、最初と言っていたことと違う…)。

>> 今回のルートマップはこちらから

猫好き
プロフィール
猫好き

愛知県名古屋市在住。2002年式ハーレーダビッドソン、XLH883改1200を所有。IT業界に身を置きつつも、仕事も日常も直感で動く25歳。好きな言葉は「焼け石に水」といい、世の中をやや斜めから見る彼の文章は独特の面白さあり。

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