『たびたび、旅へ』

第5話 知られざる天空の道・美ヶ原高原道路

掲載日:2017年08月08日 タメになるショートコラム集たびたび、旅へ    

Text & Photo/NOBUWO

最初は屏風のように並んだ北アルプスの峰々と箱庭のような松本の町並みが広がっています。

旅やツーリングのことに関してるゆるーくご紹介しているこのコラム。これまでは概念とか持ち物などを紹介してきましたが、真夏ということで、今回からしばらくは僕がおすすめする避暑スポットをお送りします。

それもただの避暑地じゃございません。比較的知名度が低く、それでいてかなーり涼しいスポットへご案内いたしますよ。

今回は「美ヶ原高原道路」です。「ビーナスライン」は皆さんもよくご存知でしょう。信号がほとんどない、高原の絶景ワインディングが40km以上にわたって続くので、関東や中部エリアのツーリングライダーにはおなじみの道です。

紹介する美ヶ原高原道路は、その北西にあります。県道62号線の武石峠(たけしとうげ)から美ヶ原高原の王ヶ頭(おうがとう)へと続くわずか5kmほどのピストン(行き止まり)の道なんですが、この5km区間がとにかくすごい。

始めは眼下に松本盆地が広がり、その向こうには北アルプスの屏風のような峰々が迫ります。途中にある「思い出の丘」にバイクを停めて5分ほど歩くと、その雄大な天空世界をさらに楽しめるでしょう。

そしてさらに進むと、今度は天空にある牧場の中を進みます。山の尾根に続くワインディングは、右も左も下界が見え、まさに雲上の世界。行き止まりには電波塔が立ち並び、それが地名のごとく王の冠のようにも見えます。

途中からは草原地帯の尾根を走るので右も左も下界の景色が。奥には冠のような王ヶ頭の電波塔が並んでいます。この写真は10月。秋の紅葉時も美しいですね。

なだらかな草原の丘で牛が草を食み、その奥に鋭角な山容の北アルプスが迫る景色はまるで、本物のヨーロッパ・アルプスの景色に近似しています。ちなみに僕はヨーロッパ・アルプスの峠もバイクで走りましたので、その景色が似ていることは実証済みです。

終点には駐車場とビジターセンターがあり、軽食やトイレ休憩もできます。この場所はアクセスが悪いためか、まだまだ知名度も低く、ビーナスラインほど車も多くありません。そして標高が1,500mもあるので、下界は猛暑でも本当に涼しくて天国のようです。逆に寒さ対策をお忘れなく。

それと、現場は完全な山の天気です。天候が急変することもしばしば。できるだけ雲の少ない晴れた日を選びましょう。下界では晴れていても山上が雲に隠れているときはやめたほうが無難です。何も見えませんからね。

この夏の避暑ツーリングにぜひいかがでしょうか。

美ヶ原高原道路

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