『カスタムの真面目な話』

サスペンションについて #01

掲載日:2013年09月04日 タメになるショートコラム集カスタムの真面目な話    

Text/Noboru NAKANISHI ( ADVANTAGE )

今回は “サスペンションを交換するとどうなるのか?” について、製品個別の性能を語る前に、少しアドバンテージ流に説明させて頂きます。

サスペンションを交換して、その効果(パフォーマンス)は体感できるのだろうか? 違いが分るだろうか? とても不安ですよね? またコストパフォーマンスはどうでしょうか? 払った分だけの価値はあるのでしょうか? 答えは YES です。

バイクは2輪車ですから、“転倒” という悲しい危険性は否定できません。手を放せばいとも簡単に倒れてしまいます。そんな中で、アドバンテージはリアショックの役割に着目しております。“バイクは転倒するもの” そこが出発点です。転倒のリスクを低減するために、一体何が出来るのでしょうか?

私はかつて、ロードレース以外にオフロード(モトクロス)にも携わっていた経験があります。モトクロスでは、転倒するまでのほんの短い時間(瞬間)でさえ、ライダーは如何にバイクをコントロールし、操作出来るのかを常に考えます。極端な話ですが、プロのモトクロス系ライダー達は、ヘルメットが地面に接地するまでコントロールをしようとしています。悪条件の低ミュー路面での競技、転倒では致命的な結果が待っています。それらを回避するために、彼らはマシンコントロールする事を諦めません。

“レースが危険” ということではありません。環境が整備され、対向車も無い閉ざされた空間のレーシングコースと一般公道(ストリート)では、明らかにサーキットの方が安全と言えるでしょう。しかしレーストラック上には、レース車両の走行ダスト、オイルやクーラントなどが撒かれている可能性があり、ストリート上ではマンホールや工事用プレート、季節によっては霜、天候によっては雨などもあります。いずれにせよ、転倒する危険性はゼロにはならないのです。

そこで、転倒までの時間をどれだけ稼げるのか、そこが我々パーツメーカーの仕事でしょう。その為には極限までライダーにマッチしたマシン、人車一体と成る様なセッティングを施します。それらを主に支えるのが、サスペンションの性能やその取り巻きのパーツが成せる業でもあります。勿論それはサスペンションだけではありませんが、リアショックは姿勢変化に対して大きな要素を占めている事は間違いありません。またどれだけコントロールが出来たところで、所詮タイヤがグリップ出来るところまでが限界です。タイヤの性能とブレーキの性能を高次元で制御しているのは、ほかでもないサスペンションなのです。

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