掲載日:2021年03月02日 フォトTOPICS
写真・文/小松 男 ※この記事はガレージライフ84号(ネコ・パブリッシングカンパニー発行)にて掲載したものを再編集しています。
神奈川県 S邸
これまでガレージライフを実現するまでの道のりを、沢山取材し記事にしてきたが、どれひとつとして同じ物語は無かった。そのような中でも記憶に残る物件はいくつかあり、ここで紹介するSさんの場合もまた興味深いもので私の心のノートに残るであろう話だった。
ことの始まりから綴ると、以前は都心近くのマンションに暮らしていたSさんはバイクを趣味としており、バイクが倒れるほどのビル風の吹く屋外駐車場の立地や防犯上の問題をはじめ、週末になると箱根や伊豆へと走りに行くというアクセス面でのロスを考えたこと、リモートワークをメインに行える仕事だったことから、小田原界隈への移住を思い立つ。色々と物件を探した結果、新しく開発された土地の建売住宅を購入した。そもそも奥様もバイクライフにご理解を持っていたこともあり、最初から用意されていたカースペースにはバイク用のガレージを設置することが前提となっていた。
「子どもが生まれた今では2人でバイクに乗ることもありませんが、以前はタンデムでどこへでも出かけ、妻も免許を取りガレージには彼女のバイクも収まっています」と話すSさん。ガレージ内を覗くと、ドゥカティのスーパーバイクモデルであるパニガーレV4Sコルセと、BMWモトラッドのF800GSトロフィーが顔を見せた。奥にはカワサキのKSRが置かれており、その脇には仕事をする際に使っているという書斎スペースも用意されていた。クルマ一台分程度のスペースだが、ガレージシャッターの他にガレージサイドにも人の通用口が設けられており、効率良くガレージライフを楽しめそうなレイアウトとなっていることが伝わってくる。
「家の購入とほぼ並行してガレージを探し始めました。当初はスチールガレージも考えていたのですが、ネットで色々と調べ『デッカーガレージ』を知り連絡をしたのです」と話すSさん。デッカーガレージはレスポンスや対応も良く、お願いすることを決めプランニングを進めることとなった。電動シャッターや通用口の設置、内装をOSB合板仕上げとするなどのオーダーをしたそうだが、一番のポイントとなったことは、ガレージを設置するカースペースに直接置くことができることだろう。基礎をやり直すことなく設置することができたのは、バイクの出し入れする際の使用面でもコスト面でもメリットとなった。
文頭で記憶に残る話だったと書いたが、それはSさん家族がクルマを使用しない生活をしており、今後も購入予定が無いと話していた点だ。今後欲しいバイクを訊ねると、ロシア製サイドカーであるウラルだと応えてくれたSさん。それはウラルを手に入れれば、家族3人で移動することができるからという話でもあり、根っからのバイク好きということの裏付けとも受け取れる。
気が向いたときにガレージからバイクを出せばすぐに気持ちの良いワインディングロードへと繋がる場所に移住したSさんは、大切にするバイクと共にガレージライフを満喫している。
■GARAGE DATA
所在地●神奈川県
ガレージ面積●約10.4m²
構造●スチールフレーム
外壁仕上げ●ガルバリウム鋼板
内装仕上げ●OSB合板、スイストラックス
竣工●2019年