掲載日:2020年10月27日 フォトTOPICS
写真・文/小松 男 ※この記事はガレージのある家41号(ネコ・パブリッシング発行)にて掲載したものを再編集しています。
三重県 T邸
ガレージの取材のために全国を飛び回っていて感じることがある。それは東海4県にはガレージが多く、行く頻度が高いことだ。もしかするとカー・バイクブランドも多数存在することからクルマ文化が根付いていることが所以なのかもしれない。三重県も然りで年に一度は足を踏み入れるほど素敵なガレージが存在する場所だ。今回伺ったTさんのガレージもそんな三重にある。
Tさんのガレージは、職人に大枠となる部分だけ建ててもらい、断熱材を入れてコンパネを貼ることなど、当初からコツコツとDIYを楽しみ、徐々に現在の姿へと移り変わっていったと言う。
「以前は今ガレージが建っている場所に、プレハブとカーポートがあったのですが、やはりちゃんとしたガレージが欲しくなり、工務店に話を持ち掛けました。鉄骨造でも木造でも建築コスト的にはさほど変わらないとのことだったのですが、DIYで色々と楽しみたいというのが頭にあったので、あえて手を加えやすい木造を選んだのです」とTさん。
ガレージの中にはTさん自身の70系ランドクルーザー・プラド、そして長男、次男のトヨタ・アリスト、日産・シーマが収められている。プラドは新車からワンオーナーで乗り続けているクルマであり、3インチアップされたそれではスキーや釣りに行く際に使われていると話してくれたことからもTさんのアクティブな一面が伺い知れる。二人の息子さんのクルマはどちらもVIPカ—カスタマイズが施されており、10年以上前から様々なコンテストにおいてグランプリを受賞するほど手が加えられた力作だ。
「ガレージそのものは父がここまで仕立て上げたのですが、ガレージがあることで、僕らのクルマのカスタマイズもじっくりすることができますし、クルマ仲間が集まったりもすることができるので助かっています」と息子さんたちも充実したガレージライフを送っている。
クルマの後ろには広々としたユーティリティスペースが確保されており、レストアを待つ3MA型TZR250をはじめ、数台のバイクが置かれている他、メンテナンススペースからバーエリアまで造られ、ガレージライフを満喫している様子が伝わってくる。奥行きがかなり深く設定されていることに関しては、元々は釣り船を乗せたトレーラーをプラドに接続したまま格納できるように考えていたことによるものである。
ガレージの中央部にある階段を上がるとロフトも用意されており、現在はスターウォーズシリーズのフィギュアなどがディスプレイされているが、これからしっかりとフロアを作り部屋のようにし、さらに快適に使えるようにモディファイしてゆくことを考えているそうだ。
「バーに行って高さをチェックしてからバーカウンターを作りました。棚なども設置してガレージバーの雰囲気を楽しんでいます。新車時から所有しているTZR250もレストアしなければなりませんし、ガレージではやることは尽きないです」と話すTさんのガレージライフはこれからも続く。
■PLANNING DATA
施主●Tさん
家族●ご夫婦、長男、次男
所在地●三重県
竣工●2013年1月
ガレージ部面積●120㎡
構造●木造在来工法
外装仕上げ●ガルバリウム鋼板
内装仕上げ●木
愛車●ヤマハ・TZR250、カワサキ・Dトラッカー、1993年式トヨタ・ランドクルーザー、1997年式トヨタ・アリスト、2001年式日産・シーマ