【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!

掲載日:2019年11月25日 フォトTOPICS    

取材・写真・文/河野 正士

【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!のメイン画像
会場入口はテロ対策のためX線検査を行っている。しかしここがボトルネックとなり、入場前の大混雑を引き起こす。ちなみにこの写真は金曜日の朝10時頃。平日の午前中でこの状況だから、土日の状況は想像を絶する。

スーパースポーツからアドベンチャーまで
日本メーカーが発表した話題のニューモデル

11月5日から10日まで、イタリア・ミラノでEICMA2019(エイクマ/ミラノ国際モーターサイクルショー)が開催された。ここでは日本車4メーカーを含めた多くのブランドが、2020年モデルを中心に新型車や新商品、現在取り組んでいる技術を発表。40を超える国から1,900近い出展者が、昨年から2つパビリオンを増やした8つのパビリオンにブースを構えた。主催者発表によると、2日間のプレスデイを含めた6日間の開催期間に会場を訪れた来場者は80万人近く。この数字は過去最高のものだったという。

ホンダはプレスデイの前日に、EICMAとは異なるミラノ市内のイベント会場でプレスカンファレンスを開催。フルモデルチェンジしたスーパースポーツモデル「CBR1000RR-R FIREBRADE(ファイヤーブレード)」などを発表。またヤマハは、恒例であった前日のプレスカンファレンスをやめ、前々日の夜に自社のソーシャルメディアを使った新型車発表動画を公開するにとどまった。スズキはアドベンチャーモデルのVストロームをバージョンアップした「V-STROM1050」を発表。そしてカワサキはツーリングモデル「Ninja1000SX」をバージョンアップ。さらには「Z900」「Z650」もアップデートし発表した。またカワサキは、bimotaと合弁会社を設立するとともに、その市販車第一弾「bimota TESI H2(ビモータ・テージ・エイチツー)」を発表。ビモータ独自のフロント・センターハブステア・システムと、カワサキを象徴する「ニンジャH2」用のスーパーチャージャー付エンジンを組み合わせた。

【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像02
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像03
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像04
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像05
ホンダはスーパースポーツモデル/CBR1000RRをフルモデルチェンジ。「CBR1000RR-R FIREBRADE」を発表した。エンジンは超ショートストローク仕様とし、ボア・ストロークはRC213V-Sと同サイズとした。それにより217.6PSの最高出力を14,500回転で発揮する。またフレームやスイングアームも新設計されている。リアサスペンションは、車体側にリアサスペンションを取り付けないユニットプロリンクから、クランクケースにリアサスペンションを取り付けるプロリンク・タイプに変更されている。またMotoGPでも研究を重ねたダクトウイングを車体両サイドにセットしている。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像06
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像07
排気量拡大やフレームのアップグレードなど、早くもモデルチェンジを受けた「ホンダCRF1100Lアフリカツイン」を展示。またSHOWA製電子制御サスペンションシステム/EERA(イーラ)を装着した「ホンダCRF1100Lアフリカツイン・アドベンチャースポーツ ES」も同時に展示した。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像08
イタリアを中心とした欧州のスクーター市場で絶大な人気を誇るホンダ製スクーター「SH125」「SH150」もフルモデルチェンジ。新設計のeSP+(イーエスピープラス)エンジンを搭載、フレームも新設計したうえに、HSTC(ホンダ・セレクタブル・トラクション・コントロール)も装備。灯火器類をLED化するなど、ボディのデザインも一新した。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像09
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像10
イタリア・ローマにあるホンダR&Dヨーロッパが、ホンダのデザインの可能性を提案する“デザインスタジオ”に出展された「CB4」。CBR650系の並列4気筒エンジンを元に、フレームや外装類をオリジナル製作。アドベンチャーモデルやモタードモデルとも異なる、新しいスポーツモデルの可能性を追求したという。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像11
1959年6月にマン島TTレースで世界選手権デビューを飾ったホンダ。今年は世界選手権参戦60周年の記念年であり、EICMAホンダブースには、それを記念してスーパーバイク世界選手権(WSBK)のチャンピオンマシン4台を展示した。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像12
2001年にデビューしたヤマハTMAXは、欧州だけで累計販売台数27万台を突破した。そしてこのEICMAでヤマハはTMAXの新型車「TMAX560」を発表した。排気量を30cc拡大するとともに、減速比を変更。エンジン回転数を低く設定することで低振動化および低騒音化も狙っている。また新型シャシー、新型サス、新型トラクションコントロール、新Gモードも採用されている。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像13
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像14
MT-07の、270度クランク並列2気筒エンジンとシャシーを採用するアドベンチャー・スポーツモデル「Tracer700(トレーサー)」は、LEDテクノロジーを駆使してカウル周りを一新。小型化し、よりアグレッシブなイメージを作り上げた。新型フロントフォークに加え、ハンドルバーの形状を変更するなどライディングポジションを改善、パッセンジャーの乗り心地の良さを向上している。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像15
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像16
アジアはもちろん欧州でも存在感を強めている「MT-125」は、可変バルブタイミング機構/VVAシステム採用。新型シャシーに、新型の倒立式フロントフォーク、そして“ダブルアイフェイス”を含む新型外装を採用した。また「MT-03」はMT-125と共通イメージの新デザインの外装と、新型の倒立式フロントフォークを採用した。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像17
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像18
ヤマハのスーパースポーツモデル「YZF-R1」は、新型シリンダーヘッドなどの採用により、パフォーマンスを向上しながら欧州の厳しい排出ガスを含めた車両規制/ユーロ5に適応。スーパーバイク世界選手権で培った技術や経験もたっぷりとフィードバックされている。また「YZF-R1M」は、新形状のカーボン外装をセット。オーリンズ製の電子制御サスペンションシステムも装備する。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
東京モーターショーでも発表された「Tricity300(トリシティ)」は、EICMAでも発表され欧州における2020年モデルとしてラインナップされた。昨年2018年のEICMAでコンセプトモデル「3CT」として発表されたLMWスクーターが、そのまま市販化されたと言っても良いだろう。エンジンはXMAX300用がベースとなっている。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
「XSR900」の2020年カラーは、かつてRZ250に採用されていたブラック×ゴールドライン。そしてヤマハらしいホワイト地にレッドラインがデザインされたツートーン。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
「XSR700」をベースにしたカスタムマシン。製作したのはイタリア・ローマのカスタムファクトリー「Garage221」だ。欧州ではいまだ、ヤマハEUのカスタムプロジェクト/Yartd Built(ヤード・ビルト)が盛んに行われている。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
スズキのプレスカンファレンスには、新たに発表した「V-Strom1050」に乗り、スズキのMotoGPファクトリーライダー/アレックス・リンスとジョアン・ミルが登場した。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
スズキのアドベンチャーモデルがフルモデルチェンジ、「V-Strom 1050/1050XT」となった。特徴的なのは、そのスタイリング。かつてパリ〜ダカールラリーで活躍したスズキのデザートレーサー/DR750Sをモチーフに、スポーティなスタイリングを造り上げた。定番のV型2気筒エンジンは新型電子制御スロットルの導入など、さらに熟成を進めた。また上級モデルとなる1050XTは6軸IMUを搭載。さまざまな電子制御技術へ車体の情報を伝える。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
カワサキのスポーツツーリングモデル「Ninja1000SX」がさらなる進化を果たした。外観上は大きな変化がないように見えるが、細部をブラッシュアップし引き締まった印象に仕上げられている。またエンジンは各パーツやセッティングを見直し、扱いやすさと力強さを向上。フラッグシップモデルに相応しい仕上がりとなっている。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
スポーツネイキッドモデル「Z900」もバージョンアップ。より引き締まった顔付きとなった。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
現在研究開発を行っているカワサキの電動バイクも発表。「EV-Project」と名付けられた車両は、ミッション&クラッチを装備している。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
各モデルに採用されたKRTカラー・エディション。共通のイメージを持ちながら各モデルの個性も活かされている。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
クラシカルな「W800 Cafe」も注目を集めていた。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
カワサキのZブランドは小排気量まで波及。モダンなスタイリングとパフォーマンスで、欧州ユーザーの注目度も高い。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
台湾の自転車ブランド「Merida」が製作した、カワサキ・ブランドのe-bike。
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
【EICMA2019レポート】国産4メーカーの注目モデルを総括!の画像20
EICMA前に流れていた噂が本当になった。カワサキとビモータが合弁会社を設立し、そこでの第一弾市販車「bimota TESI H2(ビモータ・テージ・エイチツー)」が発表された。スーパーチャージャーを搭載したカワサキH2用エンジンや各種コンポーネントを、フロントセンターハブステアを持つビモータの車体に搭載する。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索