排気量やチューニング度合い、年式やカスタムスタイルによってさまざまなクラスが用意されているGlemseck101。6気筒エンジンを抱くホンダCBX1000も全力で加速する。
個性豊かなスプリントレーサーが集まる「Glemseck101/グレムセック・ワンオーワン」
「Glemseck101/グレムセック・ワンオーワン」は、1/8マイル・スプリントレース、日本で言うところの0-200mドラッグレースを中心としたカスタムバイクのイベントだ。また会場にはスポンサーである二輪車メーカー、用品やパーツなど二輪関連ブランドのプロモーションブースに加え、カスタムビルダーやオーナーズクラブがブースを出展し、モーターサイクルショー&カスタムバイクショー的な要素もミックス。さらにはメインステージにはさまざまなバンドのライブがブッキングされ、会場内には二輪&四輪用の巨大なキャンプサイトもあり、そこはまさに音楽フェスの様相。そんなさまざまなカルチャーがミックスしているのもグレムセックの特徴だ。
南ドイツの街/シュツットガルトに近い、レオンベルグの一般公道を封鎖して行われるこのイベントは、今年で開催14回目。1960年代ごろまでF1およびWGPのドイツGPが開催された公道サーキット/ソリチュードサーキットの一部を使用している。そこに建つ「ホテル・グレムセック」は南ドイツ/ババリア地方のモータースポーツの象徴であり、土日やバカンスの時期になると、ここは多くのライダー&ドライバーが集まる場所となる。
スズキGT750用の2ストローク3気筒エンジンをEGLIフレームに搭載したマシン。クラシカルな外装と裏腹に、近代的な足周りをセットする。
対戦相手は藁ブロックで仕切られたスタートエリアに立ち、フラッグガールのアクションでスタートする。
カスタムバイクの欧州選手権「Sultans of Sprint/ソルタンス・オブ・スプリント」の最高峰であるファクトリークラスに参戦したインディアンに、元WGPライダーのランディ・マモラがライディング。NOSシステムの不調でマシンの実力を発揮できず、早々に敗退してしまった。
排気量や改造制限がもっとも緩いクラスで、排気系を変更しただけのカワサキZ900RSが大活躍。簡易ホールショットデバイスとして、タイダウンでフロントフォークを縮めて参戦。ライダーは女性モトクロスライダーのカロ・フィッツ。
2カワサキW800用エンジンをボアアップし、スプリントレース専用に開発したフレーム&スイングアームに搭載。ハンブルグベースのカスタムファクトリー/Schlachtwerk(シュラクトウェルク)が製作。ライバルたちにパワーや排気量で負けているものの、軽さで勝負。そして、とにかく美しい。
ドイツのLouisが製作したホンダ・ゴールドウィング用エンジンを使ったマシン。標準装備されているさまざまな機能は可能な限り残し、しかしワンオフフレームにはフロント周りに倒立フォークを採用し、車体姿勢もスポーティにアレンジしている。
レースには参戦していなかったが、ドイツのカワサキZ750Twinオーナーズクラブが展示していたマシン。これでツイン系レースに参戦しているという。足周りやシート周りを変更しスポーティに仕上げられている。
スズキSV650をベースに、GSX-R750を思わせるデュアルヘッドライト付ハーフカウルを装着。近代的なマシンながら、外装とカラーリングで水平基調が造り上げられ、どことなく80sの香りが漂う。
ホンダヨーロッパが持ち込んだマシン。「YOKOZUNA」と名付けられたマシンは、CB1000Rをベースに、あえてラフに仕上げたアルミ外装をセットアップ。ホンダヨーロッパは、CB1000Rをベースに、欧州各国でさまざまなカスタムプロジェクトを進行させている。
トライデントやスピードトリプルなど、ヒンクレー・トライアンフの旧3気筒モデルは、カスタムベースとして意外にも人気が高い。この車両は、おそらくスピードトリプルがベースと思われる。前後足周りが変更され、スプリントレーサースタイルに仕上げられている。イタリアのMr.Martiniが製作。
グレムセックでは常連のカスタムファクトリー/Mellow Motorcycle。その母体はトライアンフ・フランクフルトであり、ドイツのトライアンフにおけるカスタムシーンを牽引している。このマシンは新型「SPEED TWIN R」をベースに吸排気系およびマッピングを変更。特別にベルトドライブに変更し、パワフルさと滑らかさを両立している。
会場に停まっていた来場者の車両。カワサキZRXをベースに、スポーツクルーザー的スタイルにカスタムされている。フレームやスイングアーム、前後足周りはスタンダードと思われるが、リアサスペンションを変更してリア下がりの姿勢を構築。くわえてシートレール周りをループ加工。タンクやサイドカバーはスタンダードのようだった。このスタイル、新しい!
ホンダGL系は、カスタムベースとして欧州で人気が高い。会場でも、何台もGL系カスタムを見ることができた。この写真のようなカフェレーサースタイルが主流だ。
おそらくヤマハFJ1100エンジンを搭載したチョッパースタイルのマシン。FJ用フレームとはフレーム形状が違うため、他車流用か、チョッパー用フレームを採用したと想像する。少々荒っぽいが、日本では見ることができないスタイルだ。
来場者用の駐輪場に停まっていたヤマハRD350。新車のようにキレイな状態だった。
手前に見えるのはホンダNSR250R、その奥にはスズキRGV250ガンマ。ロスマンズカラーとペプシカラーの2ストローク250が新車のようなコンディションで並んでいたのは驚いた。
ドイツのカスタムファクトリー「JvB Moto」が製作したXSR900ベースのカスタムマシン。ヤマハヨーロッパのカスタムプロジェクト/Yard Built用に製作されたマシンだ。
カスタムバイクに乗るカジュアルなスタイルのライダーはもちろん、こんなふうにツーリングスタイルで身を固めたライダーたちも多数来場。いや、ほとんどがこういったスタイルのライダーたちだ。
トライアンフ・ストリートトリプルに、スズキKATANA風外装をセットしたマシン。水平基調もしっかりと演出していてクオリティ、高し。
隣接する巨大なキャンプサイトでは、金曜日夕方から人が集まり、早々に肉を焼き、ビールを飲んでいた!