『2015 鈴鹿8時間耐久ロードレース』イベントレポート

掲載日:2015年08月07日 フォトTOPICS    

取材・写真・文/バイクブロス・マガジンズ編集部  取材協力/株式会社モビリティランド

決勝当日、時刻は11:29。ウォームアップ走行を終えて再びル・マン式のスタートに着くライダーとマシン。鈴鹿8耐と言えばこのシーンでしょう。プレミアムチケットでピットビルディング(写真左側)のテラスからスタートを眺める観客の多いこと。

メーカーファクトリーや海外有力ライダーの参戦
そして大物ハリウッド俳優の登場!?

2015年7月23日(木)~26日(日)に三重県の鈴鹿サーキットで開催された『鈴鹿8耐』(正式名称:2015 FIM世界耐久選手権シリーズ第2戦“コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第38回大会)は、昨年のスタート前の豪雨にはじまる天候による荒れた展開とは異なり、雨が降ることは無く気温は36度、路面温度は61度までのぼる酷暑のなか“8耐らしい”熱い戦いとなりました。

今年は現役のモトGPやWSBライダー、元世界チャンピオンなど海外の有力ライダー参戦に加え、昨年のカワサキ復帰につづくヤマハのファクトリーチーム参戦などレース開幕前からなにかと話題も多く、決勝当日の観客数は6万8,000人、期間中の総入場者数は12万人と、昨年の11万1,000人を上回るものになりました。

暑さの影響か転倒続出で6回もSC(セイフティカー)が出動した波乱のレース。その結果は新型YZF-R1を投入し、世界レベルの速さとチーム力を見せた『YAMAHA FACTORY RACING TEAM』が204周を走り19年ぶり5度目の優勝、2位は海外選手のみで構成された『F.C.C. TSR Honda』(CBR1000RR)、そして純日本人チームの『Team KAGAYAMA』(GSX-R1000)が2年連続で3位表彰台に立ちました。

さて、レースだけがすべてではない鈴鹿8耐。たくさんのイベントやサーキット周辺の様子、サプライズなど、2015年鈴鹿8耐の模様をお伝えしましょう。

フォトTOPICS(写真点数/31枚)

011周を終えてトップは#12『YOSHIMURA SUZUKI Shell ADVANCE』、その後ろに#634『MuSASHi RT HARC-PRO.』の姿。前日のトップ10トライアルで2分6秒フラットを叩き出しポールポジションを獲得した#21『YAMAHA FACTORY RACING TEAM』はスタートに出遅れて後退。

02決勝レース前のピットウォークの様子。毎年多くの来場者で賑わう鈴鹿8耐の光景。

03見事表彰台トップに立った#21『YAMAHA FACTORY RACING TEAM』のレース前のピット。ヤマハが新型を投入して優勝を獲得したことで、他メーカーもきっと黙ってはいられないはず。来年に向けてまた何か話題があるかも?

04ピットウォークの傍らで、オープニングアトラクションとしてスーパーマシン3台のデモ走行が行われました。左からカワサキニンジャH2Rと藤原克昭さん、ヤマハYZF-R1Mと藤田拓哉選手、ホンダRC213V-Sと伊藤真一さん。

05決勝前日、突如現れたサーキットに似つかわしくないクルーザータイプのバイクと外国人。そのままコースイン。

06バイク好きで知られるハリウッド俳優のキアヌ・リーブスさん。自身がプロデュースするバイクメーカー『Arch Motorcycle』のKRGT-1を持ち込みデモ走行。本人の希望で来日が叶い、1周とは言え日本の有名なレーシングコースを走ることが出来てとても興奮している様子。8耐観戦に来た観客も「まさかここでキアヌ・リーブス!?」とビックリ。

07国際レーシングコースを離れて同じ鈴鹿サーキットの施設である『のりものゆうえんちモートピア』へ。メインゲートから8耐観戦に行く場合はモートピアを経由することになります。子供向けの乗り物アトラクションが充実しています。

08『ツーリングバイク』は自分でハンドルやアクセル、ブレーキを操作出来る子供向けのアトラクション。この暑いなか子供たちはものすごい集中力でライディングしていました。

098耐観戦(国際レーシングコース)への道のり。鈴鹿8耐のバナーやノボリでエントランスへ誘います。

10サーキット道路の下のトンネルをくぐると…

11国際レーシングコースのゲート『GPエントランス』が現れる。この先に『GPスクエア』が広がり、8耐ウィーク中は2輪車メーカー、部品・用品メーカー、2輪車関係団体など、企業や団体の『パートナーズブース』エリアとなり、イベントステージも設置されている。

12鈴鹿8耐の冠スポンサーであるコカ・コーラゼロのステージイベントのなかでも、毎年恒例となっているキャンギャルのフォトセッションは大人気。

13『鈴鹿8耐 特別展示』ブースでは、鈴鹿8耐をはじめモトGP、世界GPなどでライバルとして競い合ってきた歴代マシンを多数展示(写真は展示車両の一部です)。

14ヤマハのブースに行ってみると、鈴鹿8耐が初お披露目となる市販予定車の『MT-03』が展示。

15グランドスタンド後方は毎年こんな状況。この暑さとここまでの道のりで疲れ果て、日陰でグッタリです。観客席の裏側はどこも同じような光景が見られます。それでもここへやって来るのが鈴鹿8耐ファンであり、ここにはそれだけの魅力があるのでしょう。

16グランドスタンドとパドックを地下通路で結ぶ『パドックトンネル』は、もはや鈴鹿の新名所だそうです。

17今年のパドックの様子。昨年にも増して“込み合っている”感があります。決勝に進出出来るのは予選を通過した70チームまでですが、エントリーチーム数は昨年の70を上回る84チーム。なかでもBMW S1000RRでのエントリーが5台から10台へと2倍になっていました。

188耐ウィーク中は『STEC』(交通教育センター)も『BASE8耐』として、たくさんのブース出展やバイクパフォーマンス、試乗会などが開催されました。こちらは昨年同様トライアルバイクデモンストレーションの模様。

19競技としては地味なイメージがあるものの、バイクを扱う技はパフォーマンスとして十分に観る者を魅了します。

20バイクパフォーマンスと言えば近年脚光を浴びつつあるFMX(スリースタイルモトクロス)でしょう。今年も迫力満点のダイナミックなジャンプとトリックを披露してくれました。

21「今年もここ鈴鹿8耐でみなさんと素晴らしい時間を過ごすことが出来た記念に、オレ達と一緒に集合写真を撮らせてくれ~!」というMCワダポリスの呼びかけに観客は大盛り上がり。

22国内外メーカーのビッグバイクのニューモデル試乗会に加え、今年は各メーカーでラインナップが充実してきたニーハン(250cc)試乗会も開催されました。

23こちらは免許が無くてもバイクに乗ることが出来る『ファーストバイク体験』です。車両はモンキー・くまモンバージョン。8耐は観るだけじゃない、参加したり初めての体験を楽しむことが出来るイベントなのです。

24レースは昨年のような雨も無く各チーム順調に周回を進めていますが、上がり続ける気温と路面温度が気になるところ。

25観戦席とは別に、『激感エリア』というコース脇に設けられた特別観戦エリアも多くの観客で賑わっていました。ここは第2コーナーを駆け抜けるレーシングマシンを近い距離で観戦出来るエリア。

26『Team KAGAYAMA』として鈴鹿8耐に参戦した清成選手。8耐では過去4回の優勝経験がある有力選手。

27元MotoGPチャンピオンのケーシー・ストーナー選手が『MuSASHi RT HARC-PRO.』のライダーとして参戦することは開幕前から話題となっていましたが、決勝32周目でクラッシュ、そのままリタイアとなってしまいました。メディアセンターのモニターでその瞬間がリプレイされるたびにセンター内は騒然。

28今年は外国人選手のみで構成された『F.C.C. TSR Honda』は、トップ同様204周を走り切って2位に。

29スタートの出遅れで一時は順位を落としたものの、圧倒的と言うか世界レベルの巧みな速さでレースを制し『YAMAHA FACTORY RACING TEAM』が優勝。

30チェッカーフラッグが振られ、ピットレーンを逆走して続々と戻ってくるマシンたち。終わってみれば70台が出走し、順位が認定されたのは51台という結果に。

31ちなみに、まさかの登場で観客を沸かせたキアヌ・リーブさん(写真左のシルエットの人物)は、レース終了の数分前からコントロールタワーのテラスに立ち、ゴールの瞬間をじっと眺めていました。鈴鹿8耐に来られたことを心から喜んでいた模様。

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