スズキのニューモデル V-Strom 1000 ABS

掲載日:2014年06月27日 フォトTOPICS    

取材・写真・文/MotoRIDE編集部  写真/MotoRIDE編集部、OutRider編集部  取材協力/株式会社 スズキ二輪

“スポーツ・アドベンチャー・ツアラー”としてスタイリングも性能もブラッシュアップされた新型Vストローム。さまざまな環境を走破する(できる)キャラクターだけに、緑も砂利もアスファルトもよく似合う。

スズキが魅せる“ユーザーフレンドリー”性能
前モデルの特徴はしっかり継承されている

2014年6月4日に国内でも発売となった『V-Strom 1000 ABS』は、5月に国内販売開始のリリースがあり、6月20日にあらためて、メディア向けの試乗会が開催されました。

デザインはもとより、エンジン、フレーム、装備など、従来のVストロームから大きく変更があったなかでも、スズキ二輪としては初採用となる“トラクション・コントロール・システム”の搭載が最大のトピックスと言えるでしょう。これは車体5カ所に設置された各センサーを監視し、リアホイールの空転を察知するとエンジン出力を自動的に抑制してグリップ力を回復させるための装備です。

メーカー希望小売価格(消費税8%込み)は140万4,000円、年間目標販売台数は500台とのこと。実際に乗ってみると、従来モデルから“日本のアドベンチャー・ツアラー”としてさらに熟成が進み、長距離ツーリングからちょっとそこまで気軽に乗り出せる、アクもクセも無いフレンドリーなキャラクターで、必要な装備もほぼ最初から備わっている。これで年間500台とはずいぶん弱気な目標だと感じたくらいです。

実際に乗って、走ってどうなのか?は【試乗インプレッション:動画付】をご覧いただくとして、ここでは新型Vストロームのファーストインプレッションを写真でお伝えしましょう。

フォトTOPICS(写真点数/17枚)

01試乗会会場には、雑誌やウェブなど各メディア向け試乗車両のほか、撮影用など10台以上のV-Strom1000ABS用意された。縦型2灯のヘッドライトに小さな“クチバシ”が特徴的なフロントマスクが並ぶ。

02カラーバリエーションは(写真左から)、キャンディダーリングレッド、パールグレッシャーホワイト、グラススパークルブラックの3パターン。

03スタイリングは“足長ツアラー”らしく、ゆったりとしたサスペンションストロークと、乗車時のアップライトなポジションが想像できる。ホイールサイズはフロント19インチ、リア17インチ。

04アルミ製ツインスパーフレームに搭載されるのは、排気量1,036ccの水冷4サイクル90度VツインDOHC4バルブエンジン。スチール製丸パイプのサブフレームはライダー、パッセンジャー、それに3つのケースを装備し、荷物を載せて走ることを前提に設計。

05ギュッと絞られた乗車(着座)位置。車体のスリム化とシートの角を落とす手法は、大型マシンを扱う上で足つきの不安を解消するための定石。実際に跨ってみても足が横に広がってしまう印象は無かった。

06これまでのVストロームシリーズとは異なる印象の横顔。“ワイルド&スマート”をデザインコンセプトとして、スズキのアドベンチャースピリッツにDR750S(1988)をモチーフにしている。縦型2灯のヘッドライトはGSX-Rや隼などと同様のイメージ。ウインドスクリーンは手動(ラチェットギヤメカニズム:特許出願中)で3段階の角度調整が可能。シンプル且つイージー。

07コックピットの多機能メーターパネルはずいぶんと立ち上がっている印象。タコメーターはアナログ表示で視認性も良く、液晶のスピードメーターにはギアポジションも表示。その下には水温、外気温、電圧、航続可能距離、オド、トリップなどのほか、トラクションコントロール(TC)のモードも表示される。

08スズキ初となるトラクションコントロールシステムは、OFF/モード1/モード2の3段階に切り替え可能。選択は左グリップのスイッチで行なう。

09さらにコックピットにはDCソケット(DC12V)を標準装備。「どうせつけるんでしょ?だったら最初から装備しておきますよ」という声が聞こえるようだ。

10形状も配置も複雑に入り組んだ構造の新設計2into1エキゾーストシステム(Suzuki Exhaust Tuning:SET)。従来モデルより4.7kg軽量化、低重心化、重量マスの集中化を実現している。

11右側1本出しとなったマフラー。静音性能に優れ、気持ちとしては猛々しい味付けもちょっと欲しいと思うくらい。

12ゴツい印象のリアキャリア。パッセンジャー座面からフラットになっているので大きな荷物も積みやすい。グラブバー断面は角が緩やかな設計で、指や手のひらが当たって痛くなることもなく握り具合もほどよい。

13前後一体型のシートはメインキーで取り外し可能。バッテリーへのアクセスは見たとおり容易な場所に配置されている。ETC車載器を搭載するならテールカウル内のスペースが使える。

14スポーツ・アドベンチャー・ツアラーにはアクセサリーパーツも豊富に用意されている。写真右の車両には、ロングスクリーン、ナックルカバー、アンダーカウル、センタースタンド、トップケースとサイドケースが装着され、ほかにもLEDフォグランプセットやアクセサリーバー(サイドパネルガード)、グリップヒーターなどがある。

15V-Strom1000ABS専用のラゲッジケースシステムは、トップ(35リットル)と両サイドケース(右:26リットル、左:29リットル)が装着可能。装着時の左右幅はハンドルバーの幅に納まる設計。装着にはそれぞれ取り付けプレートが必要となっており、ケースの着脱に工具は不要。フタの開閉はメインキーと併用。

16試乗会が行なわれたのは神奈川県小田原市の有料観光道路。標高差があり、大きなカーブが続くワインディングは、新型Vストロームにうってつけの試乗ルートだ。平日とあって交通量も少なく、ダイナミックなライディングを体感できた。

17海外向けと日本向けで仕様に違いは無く、強いて言うならメインキーに「P」が無い、180km/hリミッターがある、ステッカーなど表記が日本語、というレベル。ウインドスクリーンの端に貼られた『スズキ株式会社』の小さなステッカーも、海外販売車両にはきっと貼っていないハズだ(未確認)

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