掲載日:2018年12月16日 プロが造るカスタム
取材協力/せど工房 記事提供/ロードライダー編集部 ※この記事はロードライダー特別編集『ザ・カスタムマシン2017』に掲載された内容を再編集したものです
ニンジャに同じカワサキの水冷1100エンジンを積む、カタナにGSX-R油冷エンジンを積むといったカスタム手法は1980年代終わりから1990年代初頭にかけて、徐々に浸透してきた。ニンジャ+1000RXエンジンの場合はほとんど抵抗がなかったものの、カタナ油冷の場合、最初の数年間はさんざんな言われようだったという記憶がある。
その後、エンジン搭載位置の検討、足まわりカスタムのノウハウ確立などによって、現在では前述のようなネガな評価は、ほとんど聞かれない。
といった話をした後で、この車両は何でしょう、と聞けば「CB-Fに油冷エンジンを積んだカスタム」と答える人もいたりするかもしれない。しかしピボット部を見れば分かるように、これはスズキのイナズマ系フレームである。ということはスズキフレーム+エンジンにCB-Fの外装が載っている、というわけだ。これはかなり大変なことである。
言うまでもないがフレームと外装はそれぞれ車種ごとに専用設計されており、ボルトオンで装着できるものは基本的に皆無。比較的容易なのはシートカウルだが、それでもシートレールやシート自体の加工が必要というケースがほとんどだ。
最も大変なのは燃料タンクで、これはタンク側の底板形状変更、および現物合わせでの調整が必要となる。もちろん純正並みの自然な外観バランスでなければ、そもそも装着する意味がない。アイデア一発、わりと手軽そうに見えて、じつは難易度が高い高等テクニックと言えるのだ。