レッドモーター XJR1300(ヤマハ XJR1300)

掲載日:2015年05月27日 プロが造るカスタム    

取材協力/レッドモーター

記事提供/ロードライダー編集部

※この記事はロードライダー特別編集『ザ・カスタムマシン2014』に掲載された内容を再編集したものです

RED MOTOR XJR1300(YAMAHA XJR1300)

基礎体力の高いネイキッドの素性を生かし
動力性能を上げつつ個性の演出にも配慮

気軽で自由なカスタムが楽しめる素材として、最近になって注目を集めているキャブレター時代(1994~2006年)のXJR。この2台を手がけたレッドモーターの中村さんは、その理由をどう考えているのだろう。

「一番の理由は価格の安さでしょう。現状の相場は、初期の1200なら20万円台~、1998年以降の1300でも30万円台~、という感じですから。もちろん、これはあくまでも底値で、程度のいい車両はもっと高くなりますけど、それでもカワサキのゼファーやZRXシリーズ、スズキの油冷ネイキッドと比べると、傾向としては安い方だと思います」

とは言え、価格が安い車両のすべてが人気車になるわけではない。カスタムの素材としての魅力がなければ、人気は獲得できないはずだ。

「XJRはその点でも魅力的ですよ。アフターパーツが豊富なだけではなく、エンジンも車体も基礎体力が非常に高いので、さまざまなチューニングを受け付けてくれる。特にエンジンは自分でいじってみて、80年代にバイロン・ハインズが、この空冷4気筒のルーツであるFJでドラッグレースをやっていた理由がよく分かりました。潜在能力と耐久性に関しては、カワサキZやスズキGS/GSXと同等以上の資質、と言っていいんじゃないかな」(中村さん)

そんなXJRをカスタムするにあたって、同店ではどこから手を入れることを推奨しているのだろうか。

「基礎体力が高い分、どこからとは言いづらいですが…。やっぱり最初は、パワーアップと軽量化が確実に見込めるマフラーでしょう。その上でキャブレターと点火系を変更すると、このエンジンは後輪で120ps以上をマークします。一方の車体に関しては、リヤショックとフロントブレーキあたりからかな。いずれにしてもそうやって各部に手を入れたときに、マイナス要素がほとんど発生せず、プラス要素として動力性能の向上がしっかり体感できることも、XJRならではの魅力ですね。個人的にはそういった機能面でのカスタムだけではなく、ペイントで遊んでみるのもいいと思います。XJRのノーマルカラーは、ちょっと地味な印象がありますから」(同)

という感じでXJRの資質を絶賛する中村さんが、このバイクの唯一の弱点として挙げてくれたのが、前述した吸排気+点火系の変更でパワーアップを実現すると、ほぼ100%の確率で滑ると言うクラッチ。ただこの問題は、純正のダイヤフラムスプリングをアフターマーケットのコイルスプリングキットに変更すれば簡単に解消するので、弱点と言うほどではないのかもしれない。

「例えば100万円の予算があったとして、ビッグネイキッドの新車を購入すると、車両代だけで予算を使い切っちゃいますけど、キャブレター時代のXJRを買うなら、予算内でかなり幅広いカスタムが楽しめる。どちらのバイクライフが魅力的かと言うと、僕はやっぱり後者だと思いますし、実際、最近のウチではある程度カスタムプランを練った上で、中古車を購入するお客さんが増えているんですよ」(同)

RED MOTOR XJR1300(YAMAHA XJR1300)の詳細は次ページにて

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