ピストンブローククラブ / GSX750S カスタム写真
ピストンブローククラブ / GSX750S カスタム写真

スズキ GSX750S

掲載日:2011年03月09日 プロが造るカスタム    

大幅に手を入れながらも
STDと同等の扱いやすさを実現

「完全メンテナンスされたSTD車両というのは、かなりよく走るものだし、性能だってユーザーが考えているよりも、高い場合が多いんですよ」という、代表・中村さんの言葉。そして“モーターサイクル・メンテナンス”というショップのサブネームからも分かるように、ここピストンブローククラブが重視しているのは、いわゆる通常メンテナンス。本来はチューニングも、その延長線上にあるべき作業。基本を見つめ直すことで得られるメリットは、予想以上のものがあるということだ。

 

店名も「ピストンが壊れるまで走ろう!」的な意味で、基本的には「1台のマシンを長く乗ってほしい」、というのが、ここピストンブローククラブのポリシーだ。そのためのメンテナンス重視なのだが、これはSTDマシンだけでなく、カスタム車両の場合にももちろん当てはまる。例えば、この750カタナ。エンジンはもちろん、足まわりやフレーム、そして外装パーツにいたるまで徹底的な仕様変更が行われており、同ショップとしては例外的とも言えるヘビーカスタムが施されている。

 

しかし、これは長年同ショップと付き合いのあるオーナーからのたってのリクエストがあったためだ。市販車と異なり、カスタムであるわけだからできてすぐOKではなく、組み上がった時点から、さらに細かい煮詰めの作業が必要となってくる。このことは、オーナーもあらかじめ了解済みだったとのこと。メーカーが膨大な時間と手間をかけてテストを繰り返した末に送り出されてくるSTDは、万人に、多様な条件の下での及第点を得られるもの。それを同店代表・中村さんは読み取って、個々のパーツの意味を考えた上でのメンテナンスを行うわけだ。カスタムにおいても、それをいったん崩すこと、そして再構成する上でそこがどう動くのかまでを考えて作り込んだ上で、それが正しいかを確認する。

 

“パーツや外観を変えた自分仕様”とはカスタムの定義としてよく言われるのだが、それもこうした裏付けがあってこそ、より正しい、深みのあるものとして完成していく。逆に言えば、これをおろそかにしては楽しみも深くはないわけだ。この車両はその甲斐あって、リヤの200サイズ・タイヤ装着、正立→倒立フォーク化、それにともなうフレーム補強&加工など、大幅なカスタマイジングが行われながらも、日常的なレベルでもSTDと同様に扱いやすく、同店のカスタムテーマである「コントロールしきれるパワー、乗りやすさ」を実現している。

 

バイクに対するオーナーの愛着と、それをバイクの素性ともどもきっちりと読み取った上でフォローしてくれるショップの協力関係があって初めて実現できた、究極のカタナと言っていいだろう。

ピストンブローククラブ GSX750Sの詳細写真は次のページにて

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