掲載日:2008年01月30日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
1999年の登場以来、排ガス規制に対応したマフラー変更やカラー変更といったマイナーチェンジを続けてきたハヤブサだが、2008年モデルから大幅な変更が加えられることとなった。一番大きな変更点が、右ハンドルのスイッチで操作できる、S-DMS(スズキ・ドライブモード・セレクター)が装備されたこと。これはエンジン制御マップ(フューエルインジェクションと点火システムを制御)をA・B・Cの3つのモードから選ぶことができるシステムで、好みに応じたエンジン特性に変化させられるというもの。Aモードは全てのスロットル開度域で最大の出力が得られ、Bモードはスロットルの開度に対してリニアかつフラットなトルクが、Cモードは出力を下げる代わりにソフトなスロットルレスポンスが得られるというものだ。これによって、高速走行から一般道、渋滞路など、状況に応じて最適のエンジン特性に変えての走行が可能となった。
エンジンについては従来のモノをベースに改良を加え進化させる手法を取ったが、これまでにはない新しい技術が盛り込まれている。シリンダーにはスズキ独自のメッキ技術“SCEN”を施し、放熱性と耐久性を向上、ピストン、コンロッド、クランクシャフトも変更され、バルブにはチタン製のモノが採用された。じっくりの煮詰められてきた完成度の高いハヤブサのエンジンはフルモデルチェンジでさらに熟成されたと思っていい。なお、排気量はストロークを2mm拡大し65mmにしたことで1,340ccになった。これらの改良の結果、最高出力は大幅に向上、2007モデルの128.7kwから145.0kwにまでアップしている。馬力換算では175ps/rpmから197ps/rpmにアップされたということだ。日本国内の公道でこのパワーを使い切ることはまず不可能。しかし、あまる出力・トルクは、走りに大きな余裕を与えてくれるだろう。