390 デューク

390DUKE
KTM

KTM 390 デューク – 軽くてパワフル!バイクの理想を追求

掲載日:2017年05月21日 試乗インプレ・レビュー    

レポート/鈴木大五郎  写真/KTM Sportmotorcycle GmbH  記事提供/ロードライダー編集部
※この記事はカスタムNo.1マガジン『ロードライダー』の人気企画『New Model Impression』を再編集したものです

ヨーロッパで大人気という390デュークがモデルチェンジ。当初、スタイリング中心のアップデートと噂されていたが、前後サスペンションのグレードアップやライドバイワイヤの採用で、期待以上の熟成&進化を果たしていた。

軽くてパワフル!
バイクの理想を追求

KTMのネイキッドのうち、390DUKEをトップモデルとする、スモールデュークシリーズ。この初モデルは、2011年の125DUKE。125ccクラスから想像が付かないほど贅沢な車体は、誇らしげである一方、剛性を含めてオーバースペックな印象もあった。

この125cc単気筒エンジンはそのクラスとしては十分パワフルだったが、車体側の余裕がそのパワーを大幅に上回っていたため、そう感じられたのだ。その後ボアアップ版の200DUKEが登場し、個人的にはこちらの方がバランスが良いように感じられた。さらに2013年には375ccエンジンが登場、125/200DUKEと同じ車体にこれを積んだ390DUKEが発表されるが、それを聞いた時にはさすがに“大丈夫かな?”とも思ったものだ。

125から3倍、200からでも倍近く。排気量375ccからの44psというハイパワーを組み合わせると、かなりやんちゃなマシンになることも想像した。ところが、市販された390DUKEは、そんな危なっかしいところは感じられず、その上でパワーを生かした痛快なマシンに仕上がっていた。

KTM 390 デュークの試乗インプレッション

390DUKE

そんな390DUKEが、2017年型として刷新された。シリーズの旗艦となる1290スーパーデュークR譲りの特徴的配置のLEDヘッドライト採用や、ボルト分割式のシートレール等、外観デザインの違いにまず目を引かれる。シートは座り心地が格段にアップ。高さが従来比30mmプラスの830mmとなったが、もも周りがスリム化され、足着き性はそう変わらずに済んでいる。

東京にも勝ろうかと混雑する、イタリア・トリノの街中へ走り出す。車体は10kgほど重くなっているが、重さは感じないしコンパクトなこともあって、まったくストレスがない。エンジン本体に変更はないとのことだが、エアボックス容量がアップしたことでトルクは増えており、流れの速いトリノの街中を一歩以上リード出来る。

KTM 390 デュークの試乗インプレッション

125DUKEのプラットフォームを流用して、2013年に初代が登場した390DUKE。この2017年型では1290スーパーデュークRのイメージを踏襲した外観に変更。燃料タンク容量も2.4L拡大し、快適性も向上した。ブレーキディスクも大径化され、ABSにはスーパーモトモードも装備されている

そのパワフルなエンジンを堪能しつつ、元気いっぱいに街中を走り回る。いや、楽しい。そして街を離れ、アルプスへと向かうワインディングを走る。大排気量車のような、シフト操作なしのスロットルワークだけでパワフルな走りが楽しめるわけではないが、適切なギアを選べば、ここでも十分以上の加速力が味わえる。

何より、ビュンビュンとエンジンを回しきれる感覚が新鮮で楽しい。バックトルクリミッターによりエンジンブレーキが最小に抑えられ、高回転からのシフトダウンも構える必要がまったくない。

KTM 390 デュークの試乗インプレッション

前後サスペンションも刷新されていて、従前の硬くて跳ねるといった感じからは、作動性が大きく向上したように思える。ギャップの多いワインディングも不安なく、接地感は高い。ライン修正もお手のもの。何でも出来てしまいそうな自由度の高さで「コーナーロケット」のキャッチコピー通り、よりコーナリングを楽しめるようになった。

一見じゃじゃ馬、内容はきっちりバランス。新390DUKEは、従来型の見せたそんな印象を推し進めて、バイク本来のスリルや楽しさを気軽に、じっくり味あわせてくれる1台に仕上がっていた。

390デュークの詳細写真は次のページにて

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