KTM 1190 RC8
KTM 1190 RC8

KTM 1190 RC8 – 一流品で造り上げられた圧倒的な存在感

掲載日:2009年04月09日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

満を持して登場した
KTM初のスーパースポーツ

ここ数年、ヨーロッパ市場を中心にKTMが急速に勢力を拡大している。「ハードエンデューロ」「Ready to Race」といったコンセプトの高性能オフロードバイクを多数リリースし、世界中のオフロードシーンを席巻。今やコーポレートカラーを身にまとった「オレンジ色のオフロード車」は、国産4メーカーに劣らない大勢力となっている。そのKTMが新たな戦場として選んだのは、アスファルトに覆われたストリートだ。同社のオフロードバイクをベースとしたモタード、ネイキッドスポーツであるデュークの新バージョンといったモデルを次々に投入するだけでなく、世界ロードレース選手権にも積極的に参戦し、GP125クラスでは勝利を獲得。そして、オフロードレースで培った高い技術力に、ストリートとオンロードレースでの経験を融合し、ついに大排気量スポーツモデルを発売するに至った。そのモデルこそ、今回インプレッションする「1190 RC8(以下RC8)」だ。新開発の水冷4ストロークVツインエンジンを軽量なチューブラースチールフレームに搭載した、KTM初のスーパースポーツであるRC8。世界中のバイクファンから注目を集めたこのバイクの実力を、じっくりとインプレッションしてみよう。

KTM 1190 RC8の特徴

KTM 1190 RC8の画像

一流品で造り上げられた
圧倒的な存在感

KTM初のスーパースポーツであるRC8は特徴の多いバイクだ。メーカーとして初めて市販するモデルだけに、スタイル、エンジン、各部のパーツともに並々ならないこだわりを感じさせてくれる。エンジンは同社の990系エンジンのボアとストロークを拡大した、RC8だけに搭載されているスペシャルなもの。これをケーヒン製フューエルインジェクションシステムで制御しており、1148ccの排気量から113kW/10000rpmを発生する(国内仕様は72kW/6500rpm)。重量も単体で64kgと非常に軽量だ。これを搭載するフレームは、チューブラースチールフレームとアルミ製サブフレームを組み合わせたもので、公道で走行するためのバランスを追求している。軽量エンジン+軽量フレームの組み合わせの効果はすばらしく、RC8は半乾燥重量で約188kgと、1200cc近い排気量があるバイクとは思えない数値だ。

各部に組み込まれたパーツにも注目したい。ハイパワーなRC8を支える足回りは、前後ともフルアジャスタブルのWP製サスペンションが使用されており、ユーザーの嗜好や路面状況を広範囲でカバー。セッティング次第で、街中にあわせたユルい乗り味からサーキットを視野にいれたハードテイストまで対応用できる。ブレーキはフロントにブレンボ製ラジアル4ポットキャリパーをダブルで装着し、リアには同じくブレンボ製2ポットを装着。フロントには高性能かつ微妙な操作が可能なラジアルポンプマスターを組み合わせている。このように、RC8には世界のレーシングチームも選ぶ最高級のパーツが惜しげもなく投入されている。KTM史上でもトップクラスの性能を持つ車体とエンジン、そして名前も実績もあるパーツたちを包み込むカウリングも特徴。レーサーレプリカでもなく、かといってツアラーでもないデザインは、アイデンティティとも言えるほど個性的だ。スペックシートやパーツ単体だけでなく、ルックスにおいても、RC8は圧倒的な存在感を放っている。

KTM 1190 RC8の試乗インプレッションは次ページにて

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