BMW Motorrad F 650 GS
BMW Motorrad F 650 GS

BMW Motorrad F 650 GS – GSシリーズの末弟的存在

掲載日:2008年11月13日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

歴代「エフロク」の名を継承する
GSシリーズの末弟的存在

純粋なオフロードスポーツとは違った独自の世界観で、BMWが築きあげてきたF650(エフロク)シリーズのポジションは、1993年に登場したF650ファンデューロ以来、このエフロク・ツインで第3世代を迎えた。ファンデューロとは「ファン」と「エンデューロ」を組み合わせたBMWオリジナルの造語で、現在のエフロクのルーツとなる。その車体にはロータックス社(オーストリア)との共同開発によってつくられた排気量652ccのシングルエンジンを搭載し、BMWのモデルラインナップのなかでは最小排気量で車体も軽量なものだった。位置づけとしてはオフロードモデルであったが、その車体構成はオンロードでの使用も十分に考慮されたもの。さらにワイドレンジで高いトルクを発生し、どの回転域においても優れた加速性能を発揮するエンジン特性は、オンロードでもオフロードでも、高いアベレージで走破できるマシンとして、これまでに無かったまったく新しいジャンルを確立することとなった。それから7年後、陸の王者の証である「GS」の称号を与えられて登場した第2世代のエフロクシリーズ、F650GS(エフロク・シングル)は、BMWのワークスチームによってその年のパリダカへ参戦、ベース車両となったF650GSはワンツーフィニッシュという快挙を成し遂げ、一気にマシン性能が高められたことを証明した。652ccという排気量は高速道路でも余裕の巡航性能を見せ、ツアラーとしての素質も十分に兼ね備えており、パニアケースやトップケースを装着すれば積載能力も申し分なし。ロングツーリングにも適したデュアルパーパスマシンとして、ほかに類を見ない唯一無二の存在となった。

エフロク・ツインはその血統を受け継ぎ、先行して発売されたF800S/STのエンジンをベースに、出力設定の変更と専用設計の車体構成で、最新版のエフロクGSとなった。先代譲りのキャラクターに、より高いパフォーマンスを持ち、ボクサーGSに比べて軽量・コンパクトな車格でありながら決して劣らず、むしろ扱いやすいGSとして、ライダーのスキル、使い方、年齢、性別に対して、より幅広なスタンスを位置づけられたモデルとなっている。

BMW Motorrad F650GS 特徴

守備範囲の広さが最大の魅力
パラレルツインがもたらす恩恵

BMW Motorrad F650GS 写真エフロク・ツイン専用設計の車体構成を見てみると、F800S/STとも従来のエフロク・シングルともまったく異なる。フレームはスチールパイプをトラス状に溶接した剛性の高いもの。コストを抑えるためにサスペンションのグレードは標準的なものだが、両持ちの長いスイングアームのおかげでリアサスペンションの動きがスムースになっている。長いサスペンション・ストロークや、フロント19/リア17インチのホイールサイズなど、オフロード車のディメンションに適合させるため、エンジンはF800S/STのパラレルツインと同系ではあるものの、30度前傾していたシリンダーを8.3度へと、ほぼ垂直に変更。車体重心位置を補正するとともにセミドライサンプ式のエンジン下部オイルパン・ハウジングを新設計し、最低地上高を稼いでいる。エンジン単体で1kg軽量化され、エンデューロマシンに適した特性を狙い、カムシャフトにも修正が加えられた。これらによって低中回転域重視の設定となり、71psという最高出力をあらゆる場面で扱いやすい性格となっている。

専用フレームと足の長いサスペンションの組み合わせで、前後重量バランスを最適化しているため、ホイールもサスペンションもオンロード指向にかかわらず、オフロードに分け入っても持て余すことはない。この、場所を選ばないという点ではR1200GSとまったく変わらず、あえてその差を挙げるならば、絶対的な最高巡航速度と、ボクサーならではの安定性くらいだ。普段の足からロングツーリング、林道探索や、たまにダートを元気よく走らせてみるなど、あらゆる使い方でバランスが良いつくりとなっているのが、エフロク・ツイン最大の特徴といえるだろう。…この記事の続きをバージン・BMWで読む

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SPECIFICATIONS - BMW Motorrad F 650 GS

BMW Motorrad F650GS 写真

価格(消費税込み) =
101万5,000円(Active Line)
120万4,000円(Hi Line)

F800S/STで新開発された並列2気筒エンジンを搭載し、オンロードでもオフロードでも、あらゆる使い方でバランスの良い走破性を見せるデュアルパーパスマシン。

■サイズ = 全長2,280×全幅850×全高1,300mm
■シート高(空車時) = 790mm
■エンジン = 水冷4ストローク並列2気筒
■総排気量 = 798cc
■最高出力 = 71ps/7,000rpm
■最大トルク = 75Nm/4,500rpm

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