カワサキ エストレヤ

掲載日:2011年03月29日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/髙野 英治

カワサキ エストレヤの画像
KAWASAKI ESTRELLA

シンプルかつリッチな存在感
もうすぐ20周年のロングセラー

エストレヤはスペイン語で “星” を意味し、1992年に発売されました。2012年には発売20周年を迎える、カワサキのロングセラーモデルです。シンプルな構成の鋼管セミダブルクレードルフレームに、シリンダーの直立したロングストロークの空冷SOHC2バルブ単気筒を搭載し、リア2本ショックに前輪18、後輪17インチのスポークホイールを備えたその姿は、かつてカワサキが '60年代に吸収合併したメグロの名車 250SG を思わせるものでした。特に初期は前側シートがサドル型のセパレート式で、メッキされたマフラーもいわゆるキャブトンタイプとレトロな雰囲気満点。一方で前後にディスクブレーキやセルモーターも備えていました。'90年代の初頭は、ヤマハSRやホンダのスティードなど、ライダーを急かさず、のんびりと乗れるコンセプトのモデルが急速に若年層の人気を集め始めた頃です。エストレヤは決して速くはありませんが、その名の通りキラ星のように輝くメッキパーツの仕上げも美しく、ユーザーの所有欲を満たしました。また、女性や入門者にも優しいエントリーモデルとしても人気を獲得したのです。

1995年には前後座席を通常のダブルシートとしたエストレヤRS、さらに翌1996年にはそれぞれドラムブレーキに置き換えたバリエーションモデルとして、エストレヤカスタムとRSカスタムも追加され、計4タイプをラインナップしていました。発売15周年となる2007年型では、新排気ガス・騒音規制に対応してF.I.(燃料噴射)を採用するとともに、複数あったバリエーションを一本化。ブレーキシステムは前輪ディスク+後輪ドラムとなりダブルシートを装備、登場以来初めてタコメーターを追加した左右二連メーターも新たに採用。メインスイッチもハンドルロック一体型に変更され、モデルチェンジを果たします。とは言え、基本的なコンセプトは従来どおり。オートバイらしく、小柄でシンプルな可愛らしいスタイルは飽きのこない、永遠の定番と言えるでしょう。

中古車は販売期間が長いため、タマは豊富ですが状態は千差万別。10万円台から買えるものもありますが、あまりにも古い車両は避けた方が無難でしょう。F.I.の年式もそこそこ出てきています。

カワサキ エストレヤのここがポイント!
  • ● これぞオートバイといった普遍的なスタイリング
  • ● 250ccでも安っぽさは感じさせない仕上がり
  • ● コンパクトな車格で入門者からベテランまで優しく

カワサキ エストレヤのライバルはこれだ!

  • ホンダ
    CB223S

    FTRをベースとして、伝統のCBの名が与えられた単気筒モデル。キャブ仕様で排ガス規制をクリアしており、前後18インチのスポークホイールやリアモノショックを備える。低価格も見逃せない。

  • スズキ
    ST250 Eタイプ

    F.I.採用の空冷シングルや前後18インチのスポークホイール、バーハンドルにリア2本ショックなどまさにエストレヤの対抗馬。こちらもトラディショナルな、オートバイらしいスタイルの250ccだ。

  • カワサキ
    250TR

    エストレヤの派生モデルと言え、エンジンや車体など基本構成を共通とする兄弟車。ただし足まわりは設定が異なり、エンジンやマフラーも黒仕上げ。およそ10万円も安いのは大きな魅力だ。

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