MVアグスタ ブルターレ920

掲載日:2013年01月30日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/淺倉 恵介

MVアグスタ ブルターレ920の画像
MV AGUSTA BRUTALE 920

MVアグスタの4気筒モデルで最もリーズナブルな価格を実現
パワフルな上に扱いやすさがプラスされたパワー特性も魅力

ブルターレ920は、MVアグスタのネイキッドモデル、「ブルターレ」シリーズにラインナップされる1台。先行して発売されていたブルターレ990Rやブルターレ1090RRと同じく、大別すると第2世代目のブルターレに属するモデルです。ブルターレシリーズとしては、排気量675ccのブルターレ675がエントリーモデルと位置付けられていますが、ブルターレ675のエンジンは並列3気筒です。対してブルターレ920は並列4気筒エンジン搭載車ですから、MVアグスタの現行4気筒モデルの中では最も小さな排気量と最もリーズナブルな価格を実現した、もうひとつのエントリーモデルとも言えるでしょう。140万円を切る販売価格は、それまでのMVアグスタと比較するとかなりユーザーフレンドリーな設定であり、手が届かないマシンだと諦めていた多くのファンを喜ばせました。

もっとも、価格が安めだからといって、単なるダウングレードモデルに終わらないのがMVアグスタです。ブルターレ920は、独自の魅力をしっかりと持ち合わせているモデルです。搭載されている排気量921ccのエンジンは、ブルターレ990のエンジンをベースにシリンダーボアを3mm縮小。ストロークは55mmで共通ですから、相対的にロングストロークタイプのエンジンになったと言えます。ロングストロークタイプのエンジンは扱いやすいというイメージがありますが、ブルターレ920も、シリーズ中では最もフレンドリーなパワー特性だと評価する声が多く聞かれます。とは言うものの、ボア×ストロークはφ73mm×55mmと、立派なオーバースクエアのショートストロークエンジンです。高回転域の爽快感やパワーフィーリングに不満を覚えるようなことはないでしょう。出力特性は走りのシチュエーションに合わせて切り替え可能で、「SPORT」「NORMAL」のふたつのマップが用意されています。また、8段階の調整が可能なトラクションコントロールシステムを標準装備するなど、MVアグスタならではの高性能、高機能が持たされているのです。

フレームはMVアグスタのアイデンティティでもあるトレリス形状で、パイプの素材には強度に優れるクロムモリブデン鋼を使用しています。前後ブレーキシステムはブレンボ製、フロントフォークはマルゾッキ製のφ50mm倒立フォーク、リアショックはザックス製のフルアジャスタブルタイプが奢られています。エクステリアに眼を向けると、ヘッドライトやシート、ウインカーなどに専用品が用いられており、ルックス面でもブルターレ920だけの存在感を主張しています。手に入れ易い価格と、上級機種に劣らない装備を両立した、ある意味で大変お買い得なモデルとなっているのです。

MVアグスタ ブルターレ920のここがポイント!
  • ● 2モード切り替え式のエンジンマップとトラクションコントロールシステムを装備
  • ● MVアグスタ現行4気筒モデルで最もリーズナブルな価格設定
  • ● エクステリアに専用部品を使用した独自のルックス

MVアグスタ ブルターレ920のライバルはこれだ!

  • カワサキ
    Z800

    兄弟モデルZ1000のエンジンをベースに造られた750ccエンジンを800ccまでスケールアップ。パワーと扱い易さを両立した、ストリートに最適化されたネイキッド。

  • ドゥカティ
    ストリートファイター848

    1098系のシャシーとエンジンをベースにして作られたネイキッド。エンジンはスーパーバイク848EVOをベースに開発されたもので、中低速が強化されている。

  • ヤマハ
    FZ8

    YZF-R1直系のネイキッドFZ1のエンジンをボアダウンし、フレンドリーなパワー特性を実現。リッタークラスともミドルクラスとも違う扱いやすさが高い評価を得ている。

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