株式会社東単といえば、国内最大規模を誇るオートバイ用品・部品の卸問屋である。ヘルメットにプロテクター、ケミカルアイテムにアフターパーツなど、バイクにまつわる多くの商品を取り扱ってきた。そんな同社だが、じつはこれまでオリジナルアイテムやコラボ商品も数多くリリースしており、近年、高い注目を集めているのがオリジナルヘルメットブランド「OWL(アウル)」だ。これまで、システムヘルメット「3000A」を皮切りに、シンプルなスモールジェットにインナーシャッターを搭載した「TT380」、そして通勤ライダーに好評だった原付二種用ヘルメット「125A」をリリース。どれもが高い評価を得ている。
そして今年6月、これまでのOWLの集大成ともいえるフルフェイスヘルメット「OWL ハイブリッド軽涼ヘルメット “KEIRYO”」が発売される。その名の通り、“軽さ”と“涼しさ”のハイブリッドモデルである。まずは開発の経緯を杉田さんに聞いた。
「もともとOWLブランドを立ち上げるにあたっては、システムヘルメットがメインというスタンスでした。快適性を重視しつつ他社にはないヘルメットを作ろうということで、2010年に3000Aを発売したのです。その後ラインナップは増えましたが、今までフルフェイスヘルメットの役割は3000Aが担っていたのです」
しかし、好評の3000Aも多くのユーザーが使うなかで、さまざまな意見が聞かれるようになった。そのひとつが、「重い」というものである。
株式会社 東単 営業部 部長
杉田 修児 氏
これまでにも数多くの東単のオリジナルパーツの開発と販売に関わる「仕掛け人」。自らもライダーであり、今回の「軽涼ヘルメット」は同社の創業60周年の記念事業のひとつでもあり細部にまでこだわった
フェイスガードやインナーシャッターなど、さまざまなギミックを擁するシステムヘルメットは、OWLに限らず、その性質上どうしても重くなってしまう。そこで新たなヘルメットに与えられた開発コンセプトは、王道であるフルフェイスでありながら、他にはない軽さと涼しさを実現した利便性の高い商品というもの。
最も苦労したのは、インナーシャッターを装備しつつ、誰もが納得するレベルの軽さに仕上げることだった。また、数値上の軽さだけでなく、実際に被ったときに軽く感じるかどうかについてもこだわった。特徴的な流線型フォルムや重量バランスなどは、すべて“軽さ”を考慮したものとなっている。
もうひとつのコンセプトである“涼しさ”については、「特徴はダクトですね。普通のヘルメットに比べると多くて、ひとつひとつが大きい。いかに風を入れて、効率良く抜くかを重視しました」とのこと。涼しさを強調しながらも、クールマックスなどの特殊素材を使っていないのもポイントだ。触り心地の良い素材を使うことで、冬は寒すぎることなく、夏は肌触り良く快適。まさに1年を通して、不快感なく被ることができるのだ。
KEIRYOは軽く、夏でも涼しい“快適な”ヘルメットだ。杉田さんはそれら“快適性”はすべて「安全のため」だと言う。
「たとえばフルフェイスが一番辛いのは夏ですが、我々としてはそれでも被ってもらいたい。そこで、涼しいヘルメットなら夏場でも被ってもらえて安全だろう、と。また、軽ければ疲れが蓄積しずらいので、安全なライディングに繋がります」
他にもインナーシャッターは目の疲れを軽減するし、素早く開閉できるレバーはトンネルや西日などでも容易に対応できる。さらにメガネスリットの採用など……そう、これら全ては「快適性=安全」に繋がる。転んだあとの安全性はもちろん、KEIRYOは“転ばないための安全”に最大限注力されているのだ。
60周年を迎える東単が今年、完全オリジナルのフルフェイスヘルメットをリリースするのは、じつは単なる偶然ではない。
「絶えず新しいものを提案し、いろいろな商品を提供していきたいという当社の60年変わらない想い……その1つのカタチがKEIRYOなのです」
さらに杉田さんは続ける。
「ユーザーにもっとバイクを快適に楽しんでもらいたい。『バイクに乗るのは疲れる』というのでは、面白くないですからね!」
左が今回発売される「KEIRYO」。右が同社最初のオリジナルヘルメットの「OWL3000A」。その重さの違いは歴然であり「軽涼」という名称が伊達ではないことが示されている。※サイズやカラー等により重量には誤差があります
複雑なエッジが絡み合うスポーティなフォルムが特徴のKEIRYO。軽さや涼しさにこだわりを見せつつも、美しいスタイリングも大きな魅力だ。帽体各所に設けられた吸排気ダクトもデザインとしてうまく落とし込まれており、このヘルメットのオリジナリティを際立たせている。カラーリングは単色がパールホワイトにパールブラックとフラットブラック、さらにカーボンを加えた4モデルをラインナップ。グラフィックモデルは3パターンあり、それぞれが魅力的だ。
パールホワイトは、あらゆるバイクやウェアに似合う普遍のカラーリングである。
インナーシャッターは近年のヘルメットに必須の装備。もちろんKEIRYOにも標準装備される。
上部にある大きなダクトはデザイン上のアクセントであり、通気性を高めるポイントでもある。
エッジの効いた帽体デザインがスポーティな印象を高める。実際に風を受け流す効果も高い。
インナーシャッターのレバーはインカムを装着しやすいよう、シールド後方に設置する。
側後部にオニギリ型の排気ダクトを装備。他にはないデザインが新鮮かつ、実用性も高い。
メガネスリットを装備。少し凹んでいるので、メガネのツルが入りやすくなっている。
ダクトのスライド部分にスリットを入れることで、グローブでも簡単に開閉できる。
口もとにも吸気ダクトを装備。メカニカルなデザインとすることで、意匠性を高めている。
後頭部には大きな排気ダクトを装備。入ったエアーをしっかり抜くことで、涼しさを実現。
オニギリ型排気ダクトはフィンの形状もこだわっており、雨水が浸入しないようになっている。
トンネルや西日などでもすぐに操作できるよう、レバーは十分な大きさを確保している。
いまやヘルメットになくてはならない装備だといえるのが、インナーシャッターだ。
帽体にカーボンを使用することで、圧倒的な軽さを実現! レーシーな雰囲気もGOODだ!
ベーシックながら高い人気を誇るのがパールブラック。シンプルだが、存在感に溢れる。
近年、とくに大きな流行を見せているのがマットカラー。ブラックはもはや定番だ!
OWL KEIRYO
インナーシールド付
フルフェイス
サイズ/S?L カラー/パールホワイト、パールブラック、フラットブラック、カーボン、デザインBK/WH、デザインWH/BK、デザインBK/SV
メーカー希望小売価格/パールホワイト、パールブラック、フラットブラック 各2万5000円、カーボン 3万2000円、デザイン 各2万7000円(いずれも税別)
※表記価格はすべて税別(2015年3月現在)
ハイブリッドヘルメット KEIRYO Pleasant-プレザント-(ブラック/ホワイト)
品番/HKHPW-S
メーカー希望小売価格/27,000円
カラー/ブラック/ホワイト
サイズ/S・M・L
規格/SG規格対応
ハイブリッドヘルメット KEIRYO Pleasant-プレザント-(ホワイト/ブラック)
品番/HKHPW-S
メーカー希望小売価格/27,000円
カラー/ホワイト/ブラック
サイズ/S・M・L
規格/SG規格対応
ハイブリッドヘルメット KEIRYO Pleasant-プレザント-(ブラック/グレー)
品番/HKHPW-S
メーカー希望小売価格/27,000円
カラー/ブラック/グレー
サイズ/S・M・L
規格/SG規格対応