掲載日:2010年06月25日 特集記事 › 2009年SBKマシン一気乗り
記事提供/2010年2月24日発行 月刊ロードライダー 4月号
Report/和歌山利宏
ジョナサン・レアのCBRには昨年も試乗、市販車をそのまま高性能化したような感じで、乗りやすさには感動したものである。ところが今年のマシンは、意外なことに、かなり個性的なマシンになっていた。
まず、ライポジは腰高感を強め、前傾度が強く先鋭的になっている。そして、コーナーでは小排気量マシンのように、いとも簡単にリーンしていく。身体をダイナミックに動かすと、オーバーアクションになって、そのまま倒れこんでしまいそうなぐらいである。同じテンケイトチームの600には以前にこうしたハンドリングのものも見られたし、混戦の中でのラインの自由度を求めた結果なのだろうが、リッターマシンとしてはいささか違和感がある。
このF09もトロイ・ベイリスがチャンピオンを獲得した前年度型のF08と基本は変わらないようだ。心なしかアグレッシブになった気もするが、軽量化によるものかもしれない。
エンジンは、5~8000rpm辺りの中回転域がトルクフルで、今回乗ったSBKマシンの中で最強である。他車が2速のところで、3速でこなせるほどだ。昨年はここまで強力に感じなかったのだが・・・・・・。
WPだった前後サスはシーズン途中でオーリンズに変更され、それに伴い、彼も好成績を収めるようになってきたわけだが、サスはかなり固めである。低中速トルクを増強することと、ハードセッティングが可能なオーリンズによってハンドリングをアグレッシブにすることで、戦闘能力を高めてきたということなのだろうか。いずれにしても、先鋭化している印象は否めない。
若く元気のいい彼だから生かせるものなのだろうが、ここまでのアレンジを可能にするのも、CBRの優等生的素性があってこそである。