【Page5】KAWASAKI W750&W650

掲載日:2010年03月29日 特集記事Wスタンダード    

記事提供/2009年8月1日発行 絶版バイクス4
■取材協力/エムエスセーリング Phone 047-379-6034

Zeppan New Comer KAWASAKI W650

ボアアップのナナハンか、カム変更の同爆か。
セーリングが提案するエンジンモディファイ2題

W650を知り抜くショップだからこそ創り出す事が出来た乗り味。モディファイは加われどWはWであり続けている。
ここでは異なった2パターンのエンジンチューニングによって、W650の個性を引き出している実車に試乗してみよう。

 

W650の650は排気量と思われがちだが、実際の排気量は675cc。そしてここで紹介するW750の排気量は733ccである。つまり排気量アップは60ccほどで、数値を見る限りパワーフィールに劇的な変化が現れそうにない。そんな想像を抱きながらMSセーリングのW750に跨り、エンジンを始動させた。

 

走り出してすぐに気が付いたのは明らかに650を上回る乗りやすさ。信号待ちからの発進や高速道路の巡航など、乗り手が必要としたパワーをストレスなく与えてくれるのだ。これには実に感心させられた。W650のノーマル車は思ったよりトルクが細く、減速時にシフトダウンを余儀なくされる場面が度々訪れる。しかしW750ならば、一回り豊かなトルクが神経質な挙動を優しく包んでくれる。いかにもビッグツインらしいフィーリングは自然でスムーズだ。

 

いたずらなボアアップは車体のバランスを崩してしまいかねないが、この車体にとって750のパワーはベストマッチングなようだ。

 

一方、カム変更により左右のシリンダーに同時に点火させて、シングルエンジンのような鼓動感を持たせた同爆仕様は意欲作だ。低い回転から心地良い鼓動と歯切れの良い排気音を伴って車速を上げて行き、4000回転を超えたあたりでそれは連続音へと変化する。高回転域まで伸びやかに吹け上がるスタンダードの特性もそのままで、振動も気になるほどではない。こちらもWらしさは損なわず、独自のキャラクターが与えられている。

 

 

750化にはシリンダーのボーリング加工と、オーバーサイズピストンの組み込み、キャブレターのリセッティングが必要となる。パーツ単体での販売は行われていない。

 

カワサキ正規店という立場で発売以来W650に触れてきたMSセーリングだからこそ、創り出す事が出来た2台のW。これらはW650のキャラクターを壊すことなく、その魅力を大きく引き出すことに成功している。

 

KAWASAKI W750 by MS SAILING DETAIL CHECK

KAWASAKI W750

750、同爆ともにノーマルマフラーのままモディファイすること可能。マフラーの音量をそのままに、さりげなく静かなる速さを実現できるのは大きな魅力だ。

MSセーリングのW750はコンプリート車両として販売される。アップハンドル仕様の新車ベースで価格は78万9000円。また持ち込みによる750化も受け付けている。価格はベースの状態により異なるため要確認。

 


KAWASAKI W650 by MS SAILING DETAIL CHECK

KAWASAKI W650 同爆仕様

 

【上】同爆仕様のデモ車はスクランブラー風カスタムが施されていた。なお同爆仕様のカムは今後パーツ発売される予定だが、発売時期や価格は未定。

【右】タイヤは前後ともにトラッカー用タイヤに交換されていた。フロント19、リヤ18インチでリプレイスタイヤの選択幅が狭いと思われがちなW650でも、こんなタイヤがラインナップされているのだ。

 


 

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