【Page2】Chapter01 ニンジャを知ろう!!

掲載日:2010年02月01日 特集記事ニンジャが欲しい!!    

記事提供/2009年4月1日発行 絶版バイクス3

Chapter01 ニンジャを知ろう!!

ロングセラーモデルであるニンジャは年式を重ねるごとにウィークポイントへの対策が重ねられている。
とはいえ基本設計は20年以上も前のもの。買う前にこんな事実は知っておきたい。

 

 

メインスイッチ

メインスイッチは、キーがすべての位置にしっかりと動くか、ONの位置でキーが抜けないか確認する。A6以前のモデルの部品はすでに欠品しており、以降のモデルとの互換性はないため注意しよう。

カムのかじり

始動前にクランキングさせることや、長時間のアイドリングを避けることで、ある程度予防ができる。しかし、ヘッド周りの定期的なメンテナンスについては、二ンジャに乗る上で必須項目といえる。

セルボタン

セルボタンの反応具合を見て、走行距離を推測する。しかし、ハイスロットルキットの装着により、スイッチボックスが交換されていた場合、やはり車両を総合的に見て走行距離を判断するしかない。

         

アッパーカウルステー

写真の様にアッパーカウル先端部分を指で持ち上げて、ガタの有無を確認する。二ンジャはアンダーカウルを外した車両も多く、この場合ステーに対する負担が大きくなっているので、必ずチェックしておきたい。

 

プラグホール

構造的に1番シリンダーのプラグホールには水が溜まりやすい。プラグキャップの水抜き穴は写真の位置にあるのが正解だ。ヘッドカバーの腐食が激しいものは、保管状況が悪かったことも考えられる。

 

オルタネーター

ニンジャの中には稀に、5~6万km近辺でオルタネーターの寿命を迎える車両があるという。アッセンブリーで交換すると、6万円を超える高額部品だけに、購入前の保証内容を確認しておこう。

         

ガソリンタンク

ニンジャのタンクはその独特の形状から、給油口の手前側上部の盛り上がった部分に錆が発生することがある。この部分は、ガソリンを満タンにしても外気に触れるため、サビが発生しやすい。

 

シートレール

写真の部分にクラックが発生する場合がある。MH ASANOではこのようなクラックが発生した場合溶接で修復した後、発砲ウレタンを流し込み強度を確保し、再びクラックが発生することを防止しているという。

 

サイドスタンド

フレームのサイドスタンド取付け部分は、リアの車高が上がった状態でノーマルサイドスタンドを使用していると、曲がりが発生することが多い。修理はフレームの修正となるので非常に大掛かりだ。

         

カムチェーンテンショナー

カムチェーンの音が大きい場合、スラッジ化したオイルが溜まり、テンショナーが作動していないことがある。清掃する事も容易だが、A11以降は紙ガスケットとなっており、点検時は新品ガスケットに交換する。

       

 

比較的最近まで新車で販売されていたイメージのあるニンジャも、A12以前のモデルは生産から10年以上の月日が経過している。普通に乗っていても、そろそろ大きなトラブルが発生してもおかしくはない。購入にあたっては一般的な中古車選びの注意点をチェックすると同時に、ニンジャ特有のチェックポイントをしっかりと確認したい。

 

ニンジャのウィークポイントとしてエンジンのメカノイズの発生は有名である。冷間時ならば、ある程度音が出ていた方が調子が良いとの意見もあるが限度を超えたものは要注意。「アクセルを開けたときの異音はカムのかじり。反対に閉じたときに異音を発する場合はカムチェーン」と音の出方である程度場所の特定をすることができる。

 

さらにエンジンに関して大掛かりな修理が必要となるトラブルがワンウェイクラッチの滑り。症状が進むと、セルスターターによるエンジン始動ができなくなってしまう。修理には、エンジンを下ろし、腰下を割っての作業となるため、大きな費用が必要となる。エンジン始動時にセルが空回りする時があるならば、症状はすでに出ている。

 

フレーム周りでまずチェックしたいのは、サイドスタンドの傾き。車体が異常に傾いている車両はフレームのサイドスタンド部分が曲がっている可能性があり、取り付け部の修理が必要となる。次に確認するのは、アッパーカウルステーのガタだ。フレームヘッドパイプの溶接部分が剥離していたり、取付けボルトが緩んでいるとアッパーカウル先端部分を手で押し上げるとカウルが動くので、ある程度車両の転倒歴を推測することもできる。また、念のためシートを外してシートレールを点検してみよう。ごくまれにだが、シートレールにクラックが発生している車両があるそうだ。

 

メーターは目安に、「ブレーキローターやスプロケットの消耗具合で実際の走行距離を推測する」こんな中古車選びの常套手段があるが、二ンジャはホイールを換装している車両も多く、先の手段は必ずしもあてはまらない。そんなときに確認してもらいたいのがセルスイッチだ。スイッチを軽く押しただけでセルが勢い良く回りだす車両は低走行の可能性が高い。逆にボタンを押し込まないとエンジンが始動しない場合は、スイッチの接点が磨耗している多走行の車両に見られる症状。

 

そして、ハンドル周りでさらに確認しておきたいポイントは、メインスイッチの状態だ。ニンジャに限らず、この年代のカワサキ車のメインスイッチは、キーがONの位置でも鍵が抜けてしまう車両が存在する。また、停車時に使用するPの位置から動かなくなってしまった例もあったという。実際に、鍵がすべてのポジションにスムーズに動くかどうか
確認しておいたほうが良いだろう。

 

ニンジャの変遷 Kawasaki GPz900R History

1984 A1
カワサキZ1の登場から10年。後継とされたモデルに与えられた至上命題「世界最速」を実現させるマシンが登場した。新世代水冷DOHC4バルブ4気筒をパワーユニットに持つそのバイクこそ、北米向けペットネーム「Ninja」である。

1990 A7
この型で足回りに大きなマイナーチェンジが実施される。フロントホイールが17インチ化され、フロントフォーク系は38mmから41mmへ、フロントブレーキキャリパーが対向4ピストンとなり、現代的な足回りを手に入れた。

1991 A8
この年ついにそれまで販売されていたGPz750Rに代わり、国内仕様の販売が開始された。自主規制により最高出力は86ps/9,000rpmに抑えられる。比較的に簡単にフルパワー化できることもあり、逆輸入車との価格差はあまりない。

         

1999 A12
このモデルで足回りに再び変更が加えられた。フロントブレーキキャリパーが対向6ポットとなり、タイヤがラジアル指定となる。またリアサスぺンションが従来のエアサスペンションから窒素ガス封入式となった。

 

2003 A16
20年に及ぶ歴史に終止符を打つファイナルモデルが発売された。初期型グラフィックを再現し、記念としてファイナルエディションのエンブレムがプレゼン卜された。中古車市場を見てもプレミア付の高値となっている。

   

 

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