掲載日:2009年12月14日 特集記事 › 電気いじりはコワクナイ!
記事提供/2009年6月1日発行 モトメンテナンス No.83
取材協力/ドレミコレクション Phone 086-456-4004
現代仕様「レギュレータ/レクチファイア」の採用によって安定充電&高性能バッテリーの搭載も可能になる!!
電不良のバイクに乗っているときほど「ドキドキ」するものはない。ここでは三相交流発電の初代Zシリーズに現代的な高性能レギュレータ/レクチファイアを採用することで、安心充電機能をゲットできる実践リポートをお届けしよう。
メーカー純正仕様では、レクチファイア=整流器と、レギュレータ=電圧制御器がセパレートだったが、ここでは現代のバイクと同じ一体型のレギュレータ/レクチファイアを取り付ける。ドレミコレクションで購入したこのキットには、カプラーオンのハーネスキットも含まれるので組み付けは簡単だ。価格は税込1万3650円。これで不安解消だ。
バッテリーの充電状況によって若干数値に変動があるものの、一体型レギュレータ/レクチファイアに交換したことで、それまでは6000rpmで17ボルトオーバーしていた電圧が、交換後は14.2ボルト前後となった。さらに回転を上げてもテスター数値で14.5~14.6ボルト前後だったので、これで充電系は間違いなく改善されたはずだ">
電気系、電子系パーツの進化によって、バイクは「高性能化されてきた」といっても過言ではない。灯火系のバルブひとつとっても小型軽量化され、旧式と比べてデザイン的自由度は驚くほど高くなっている。最近では、市販車にも超軽量かつ消費電力が圧倒的に少ないLEDランプが採用されているが、近い将来、ヘッドランプに関しても「高輝度LED」が採用されるのではないかと思われる。仮にそうなれば、バッテリーの消費電力は一気に少なくなるのでは?? そんな部品の登場が、実に待ち遠しいと考える電気カスタムファンも数多いのではないかと思う。
さて、ここでは初代Zの充電システムを近代的な高性能パーツでアップデートする実践リポートをお届けしよう。空冷Zシリーズは、永久磁石ローターが回転することで発電する仕様なので、充電系の高性能化は比較的容易に行うことができる。大人気絶版車の初代Zの場合、高性能キットパーツが販売されているのでボルトオン可能なのだ。実作業にあたっては、バッテリーを取り外すもしくはバッテリーのアースリードを取り外してから作業に取り掛かろう。万が一、結線を間違えて短絡させてしまうと、高性能レギュレータ/レクチファイアをパンクさせてしまう可能性もある。十分な注意が必要だ。初代Zシリーズのようにキットパーツがあれば良いが、キットパーツが存在しないモデルでも、充電系システムを理解することで、このような高性能パーツにアップデートすることも可能だ。
例えば、CB750シリーズのように、フィールドコイルと呼ばれる電磁石に通電することで磁界を発生させて交流電流を発電させる仕様の場合は、常時通電回路とすることで、今回使ったレギュレータ/レクチファイアを流用することも可能となる。充電系不調で困っている方は、まずは自分のバイクの充電システムを理解することから始めてみよう。
作業前にバッテリーターミナルからマイナス端子を必ず外す。レギュレータ/レクチファイアのボディーアースは純正レギュレータのアースと同じ箇所を利用できる。
緑色のカプラが純正レギュレータ用だ。レギュレータ本体の締め付けボルト2本を外し、ボディーを引っ張り出してから緑色カプラの上下を摘んで抜き取る。